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ゲゲゲの鬼太郎・アニメ50周年上映会に行ってきました

 11月30日――水木先生のご命日に、調布へ行ってきました。
 お目当ては、「アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』50周年上映会inシアタス調布」という、イベント上映会。
 調布では11月23日から12月2日まで、水木先生を偲ぶ「ゲゲゲ忌」という催しが開催されていまして、その一環ですね。
 この上映会は、歴代のアニメ鬼太郎の中から厳選されたエピソードを、劇場の大スクリーンで日替わり上映。さらに第六期キャストや歴代スタッフのトークショーもあり。これを連日10日間に渡って開催……という、実に豪華なもの。

 ……ただ、告知があった時点でかなり興味は湧いたのですが、なかなかスケジュールの都合がつかず……。実は結構ギリギリまで、参加を見送るつもりでした。
 しかし「行かなければ絶対に後悔する!」という想いが、あらゆるものに打ち勝ちまして(笑)。
 どうにか体の空いていた30日のチケットを、開催2日前についに予約。……ちなみにこの日の上映内容は、歴代シーズンの第一話ばかりを計6本という、かなりお得感のあるもの。加えてトークショーの顔触れは野沢さんと古川さん。ええ、めっちゃスペシャルでした。
 ただ欲を言えば、歴代第一話以上に見たいエピソードは他の日にいろいろあって、できればそちらの方がよかったなぁ……なんて感情もあったり。すみません。

 でもね、行って大正解でしたよ。
 もうね、めっちゃ楽しかったです!
 もちろんどれも、すでに見た作品ではあるのですが――劇場で! 大スクリーンで!
 いや、それ以上に、大勢の鬼太郎ファンと一緒に! 
 この一体感のある空気の中で、みんな揃って鬼太郎を見ることが、これほど楽しかったとは。
 もちろんトークショーでも、キャストのお二人&永富プロデューサーから貴重なお話が伺えましたし、それに歴代OPがスクリーンに現れるたびに走るゾワゾワ感とか、うっすら伝わってくる周りの反応なんかも楽しくて、イベントが終わった後はすっかり心地よい幸福感に包まれておりました。
 この感覚は、家でDVDを見ているだけじゃ味わえないものです。繰り返しになりますが、本当に「行ってよかった!」と思えるイベントだったと思います。
 今後もこういう催しがあったら、ぜひ参加したいですが……50周年限定と言わず、東映さん、よろしくお願いします(笑)。


 あとせっかくなので、今回見たエピソードのプチ感想。

◇第一期「おばけナイター」
 正真正銘、最古のエピソードです。
 敢えてバトル路線ではないものが一発目ということで、一見冒険しているようにも思えますが、当時の野球の娯楽性を考えれば、「おばけナイター」というタイトルそのものが、極めてキャッチーだったに違いありません。
 ただ、原作に手を加えて、きちんとバトルシーンも盛り込んでいる辺りは、さすが抜かりはないですね。
 一方で、この頃はまだ妖怪達のデザインが洗練されていなかったため、今の視点で見ると、どうしても華やかさに欠けているように思えてしまいます。
 結構若いお客さんが多かったので、どんな反応が来るのかドキドキしていましたが、妖怪達の珍プレーの連続には、ちゃんとクスクス笑いが起きていました。

◇第二期「妖怪復活」
 原作となったエピソードは「泥田坊」。ただし第一話ということもあって、だいぶストーリーにアレンジが入っています。
 渦巻く海や嵐、次々と事故を起こす車など、派手な絵が多く、鬼太郎の妖怪退治の再スタートに相応しい幕開けになっていました。
 一方で泥田坊はえらくのっぺりしていて、原作に比べると、だいぶ迫力に欠けた感じが。
 ちなみに第一期第一話にはねずみ男が登場しないので、初代ねずみ男の雄姿はここで披露されました。

◇第三期「謎の妖怪城出現!!」
 OPが始まった瞬間に覚えた高揚感は、やはり僕が第三期世代だからでしょうね。
 80年代特有の空気感はあれど、ここから一転して「現代」が舞台になったと分かる大都会の光景が印象的です。
 この第一話では猫娘とユメコちゃんは不在でしたが、次々と駆け付ける鬼太郎ファミリーが特技を披露しながら三妖怪を制していく流れは、やはり何度見てもワクワクします。


◇トークショー
 ここで休憩を挟んで、野沢さん、古川さん、永富プロデューサーによるトークショーとなりました。
 裏話的な意味で特に印象に残ったのは、次の二つ。

・今期のねずみ男の服の色は、四~五期までの黄色ではなく、三期のカラーに戻った。これは、古川さんが故・富山敬さんの大ファンで、ねずみ男役を熱望したのもそれが理由だった――という話を聞いたスタッフが、古川さんの想いをキャラクターデザインに反映させたため。

・今期の白山坊を担当した高木渉さんは、もともと第六期が始まると知った時に、「白山坊が出る時はぜひ自分が演じたい」と自らスタッフに仰っていた。それを受けて、実際に白山坊の話をやる際に、高木さんにオファーが行った。

 こういう話が出てくるのは、やはり関係者のトークショーならではですね。
 あと、白山坊の話題で永富さんが「第五期は大塚周夫さんにやっていただいた」と仰った時の、野沢さんの「あら、そうだったの?」という嬉しそうな反応が、何だかほっこりしました。


◇第四期「妖怪!見上げ入道」
 トークショーの後は、第四期。
 原点回帰をコンセプトに、キャラクターデザインを原作寄りにしつつ、それを熟練したアニメーション技術で動かしていく……という手法が、個人的にはお気に入りのシーズンです。
 ただ、今見ると、第一話そのものはかなり地味な印象が……。四期自体は、歴代を通しても珠玉と呼べるエピソードがいくつもあるので、初四期がこの上映会だった人には、ぜひ他のエピソードも見てもらえれば――とこっそり思っていたりします。

◇第五期「妖怪の棲む街」
 さすがにここまで来ると、ついに時代に追いついたな、という感じがします(笑)。
 原作は「水虎」……なのですが、改めて見てみると、これ、「地獄の水」(もしくは水神様)もベースになっていますよね。今さら気づきました。
 初見の時もそうでしたが、戦闘シーンで畳みかけるように流れるOPアレンジが心地いいです。

◇第六期「妖怪が目覚めた日」
 そして正真正銘、現代へ。
 町が青く燃え上がり墓場と化すOPは、毎週見慣れているはずなのに、ここまでの流れから始まると、「ついに来たか……!」と感慨深くなりますね。
 出会って早々にまなの名前を間違える鬼太郎と、ほっぺたを引っ張ってツッコむまな。今見ると新鮮すぎます(笑)。
 そしてオエオエオー。

 上映終了後は、みんなで拍手。そして鬼太郎&ねこ娘と握手。
 そう言えば、ねこ娘との握手を恥ずかしがっている男の子がいました。ちょっと萌えました。

 というわけで、上映会の感想はここまで。
 お疲れ様でした。また次の機会に!(ほんと熱望)

テーマ : ゲゲゲの鬼太郎
ジャンル : アニメ・コミック

tag : ゲゲゲの鬼太郎 水木しげる 妖怪 アニメ

ゲゲゲの鬼太郎第6期・第34話『帝王バックベアード』 感想

 ねこ姉さんを真下から見上げるベアード
 カミーラさんがすっかり西洋妖怪軍団の癒し枠に

 今回はバックベアードの出陣回。
 これまで西洋妖怪の面々がそれぞれの持ち味を生かして暴れてきましたが、じゃあベアードが単体で何をやるのかと言えば――まあ、このお方の最大の持ち味は、やはりコレでしょう。
 ……ってことで、ついに催眠光線の出番となりました。
 原作「妖怪大戦争」で見せた技ですね。原作では鬼太郎とねずみ男が洗脳され、残った目玉おやじがチャンチャンコとともにベアードに挑む展開になっていましたが、今回のアニメ版では逆に鬼太郎とねずみ男、目玉おやじが支配を免れ、残る鬼太郎ファミリーの面々がベアードに操られることに。
 一方アニエスはベアードに囚われ、鬼太郎達が殺し合う様を見せられる――という絶望的な展開も、何のその。
 そこから鬼太郎とねずみ男が協力して、アニエスや仲間達を奪還!
 いやあ、熱い展開でした。鬼太郎がアニエスを仲間の一人だと明言した瞬間の高揚感も良かったですが、ねずみ男もいい仕事しました。ヘイトデモはいろいろアウトだったけどな。

 そういえば催眠光線がアニメで使われたのは、実は第一期以来なんじゃないでしょうか。
 第三期から第五期まで、だいたい金縛り系やエネルギー砲ばかりで、おそらく使われてこなかったような……?
 そういう意味じゃ原典回帰したわけですね、ベアード様も。
 いや、ゲゲゲの森であれだけの破壊力を見せつけといて、敢えて催眠光線でチマチマやるんかいって気もしなくはないんですが。(^^;
 あと、目玉を傷つけられても、さすがに即死はしないようですね。

 そんなベアードですが、ベリアル回ぐらいから「おやっ?」と気づいたことが。
 体の質感が、旧作のベアードとは明らかに変わってますね。
 目玉の部分にこそ実態がありますが、その周囲の黒い部分は亜空間ホールのように表現されていて、いわゆる「触手を生やした球体」ではなくなっているようです。
 斬新と言えば斬新。しかしこれだと、ラリーや相撲には参加できそうにないですね。残念。

 一方アニエスと鬼太郎の間には、今回の騒動を経て、はっきりとした絆が生まれたものと思われます。
 ただ、そんなアニエスには何やら不穏な空気が。
 アルカナの指輪と魔女の関係性は以前にも推測しましたが、どうやら魔女は、ブリガドーンを生むための生け贄的な存在にもなる模様……?
 まあ、答えは次回、ある程度はっきりすることでしょう。


 最後に蛇足ながら、ヘイトデモというものについてフォローをば。
 今回ねずみ男が仕掛けたのは、紛れもなくヘイトデモでした。
 彼の動機として、「さらわれた仲間達を返してもらうため」という名目があったわけです。これについては、ねずみ男が純然たる悪心からアニエスを攻撃したわけではなかった、ということで、後の奪還作戦にも繋がっていくわけですが……。
 ただ、彼に「安全保障」という単語を言わせたり、「さらわれた仲間云々」という要素を見ていると、どうもこの一連のヘイトネタが、いわゆる「右側」ばかりを揶揄していたように思えてならないのです。
 もちろんこれは、僕の穿った見方かもしれません。しかし、穿っていることを承知の上で言えば――。

・本物のヘイトデモは左右に関係なくおこなわれている。
・仮にヘイトではなく真っ当な批判デモだった場合、批判された側が相手に「これはヘイトデモだ」というレッテルを張り、そのレッテル部分だけが報道によって拡散することが、よくある。
・仮に真っ当な批判デモだったとしても、そこに偏ったイデオロギーの参加者が入り(あるいは乗っ取りをおこない)、本物のヘイトデモに塗り替えてしまう場合がある。
・いわゆるカウンターデモと言うのは、許可を取っていない限りは、ただの違法行為である。
・「外国人排斥=悪」という短絡的な思考には陥らず、なぜそういう動きが起きるのか(もちろん国内外を問わず地域ごとに、理由はケースバイケース)を考えなければ、問題は何も解決しない。

 この辺りは押さえておかないとまずいでしょうね、左右問わず。
 一応繰り返しますが、今回ねずみ男がアニエス排除のためにおこなったデモは、間違いなくヘイトであり、許されるものではありません。ただ、これだけが現実の「ヘイトデモ」の実態そのものではない、ということですね。
 所詮はごくごく一面を切り取ったものでしかありません。そこは理解しておきましょう。


 さて次回は――前述のとおり、魔女とブリガドーンの因縁が明らかになる模様。
 ただ、来週は放送自体がお休みのようですね。
 じゃあまた再来週ってことで、ではでは。

テーマ : ゲゲゲの鬼太郎
ジャンル : アニメ・コミック

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第33話『狐の嫁入りと白山坊』 感想

 今回は「白山坊」……と見せかけて、実は「悪魔ブエル」とのコラボ回!
 いや、完全に不意を突かれました。しかし次回予告の時点で、よく見ると少しだけ出ていたんですね、ブエル。
 気づかなかった僕がアレなんですが、まあ、結果的に嬉しいサプライズになったんで、オールOKです(笑)。
(ちなみにネタバレ防止のため、公式ツイッターはオンエア数日前から見ないようにしています。)

 ……それにしても、実は第六期でサンデー版の原作が使われたのは、今回が初なんですね。
 いや、猫子さんは第一話でチラッと出てたけど。

 悪魔ブエルも、ベリアル同様、以前西洋妖怪の予習記事を書いた時に触れたキャラクターです。
 原作では悪魔軍団を操るという能力一点でラスボスポジションに立っていましたが、今回のアニメ版では割と弱キャラ扱い。ただ、再登場時に原作同様の能力を見せる可能性はあるため、油断はできません。
 なお、手術マニアという設定が付いていましたが、これは原作準拠ですね。もっとも原作ではメスじゃなくて、ノコギリを使っていましたが……。

 一方白山坊については、「父親が幸運と引き換えに、娘を白山坊の嫁にやる約束をする」という原作の要素を踏まえつつ、ここから展開するストーリーをまったく逆の方向に走らせるという、面白いシナリオになっていました。
 まず、原作で白山防が持っていた「人食い」の特徴を削除。これにより、結婚の約束に完全な正当性を持たせます。
 さらに、白山坊を誠実な妖怪とし、逆に父親を異常なまでの過保護に設定。加えて、娘を浮世離れにしたことで、彼女と白山坊の結婚をスムーズなハッピーエンドとしてまとめるという――。
 いや、これは旧作を知っていたからこそ、かなり度肝を抜かれる展開でした。

 正直、「白山坊はブエルに殺され、結婚は回避される」という形でも、悲恋物語として充分成立したと思います。むしろ、「本当に結婚してしまう」という突き抜けたオチにするよりは、無難かつ印象的なものになれたのではないでしょうか。
 ……しかし一方で、そこを敢えて突き抜けたことにより、今回の話は、原作の「白山坊」というエピソードに対する究極のパラレルとして成立できたのだ、とも思えます。
 もちろん、人間と狐の結婚というオチを視聴者に受け入れてもらうために、脚本上、いくつかの努力が見られた点は言うまでもないでしょう。上記の三人の性格変更はその最たるものですが、ラストで目玉おやじが異類婚姻譚に触れた点も外せません。それに、父娘の姓が葛見という、「葛の葉」(人間と結婚したことで有名な伝説上の狐。安倍晴明の母親)を思わせるものになっていたのも、もしかしたら意図してのことだったのではないでしょうか。
 その点で、良く言えば巧妙、悪く言えば力業だった……と言ってしまうこともできるのですが、いずれにしても僕個人としては、今回の試みはとても興味深いものだった、と思っています。

 それにしても、鬼太郎が「約束じゃ仕方ない」と父親を突き放すところは、ショッキングでもあり、いかにも(第六期の)鬼太郎らしくもあり。
 まあ、原作では時期によって鬼太郎の性格もコロコロ変わるので、おそらくこれがマガジン版や第一期の鬼太郎なら、素直に助けたでしょうね(笑)。
 ちなみに第六期で鬼太郎が人間を助けるのは、「約束のようなものだから」とのこと。幼少期に人間に育てられたため――という理由がシーズン序盤で語られていましたが、そのことを指しているのでしょうか。それとも、まだ視聴者に明かされていない事情がある? 気になるところです。

 他に今回の見どころとしては――。
 まず、原作どおり砂かけ婆の活躍があったこと。
 これまでも「電気妖怪」が子泣きじじい、「妖怪獣」が一反木綿の活躍回だったので、この流れは嬉しかったです。
 ……ぬりかべ? うん、「朝鮮魔法」がちゃんとアニメ化されれば、ね?

 続いて、白山坊の声優さんが高木渉さんだったこと。
 鬼太郎的には、言わずと知れた第五期ねずみ男ですね。
 ちなみに第四期・五期に登場した白山坊の声は、大塚周夫さんでした。こちらも言わずと知れた、初代ねずみ男です。
 おそらく、かつて大塚さんが担当されたキャラクターだったことを踏まえて、今回は高木さんがキャスティングされたのではないでしょうか。
 シリーズ全体を追いかけているファンとして、とても嬉しいサプライズでした。

 最後に余談。
 旧アニメ版「白山坊」の中では、僕としては第四期がおすすめです。オネショタ的に。


 さて次回は――ついに出撃、バックベアード!
 エピソードとしてはオリジナルになるのでしょうか。
 しかし、あれだけの能力を見せたベアードが、ただ誘拐するだけ……というのも腑に落ちないので、もしかしたら別の妖怪が絡んでくるのかもしれません。
 どんな話になるのかはまだ見えませんが、ともあれ楽しみにしたいと思います。
 ではまた!

テーマ : ゲゲゲの鬼太郎
ジャンル : アニメ・コミック

tag : ゲゲゲの鬼太郎 妖怪 水木しげる アニメ

「怪」vol.0053

 お報せです。
 11月14日発売の「怪」vol.0053に掲載されている、「〈私と妖怪〉大アンケート」というコーナーにて、回答者の一人として末席を汚しております。
 僕以外の回答者の皆様が本当に豪華な顔触れなので、ぜひご覧くださいませ。

 なお、「怪」は今回で一段落のようです。
 長きに渡って製作に携わってこられた皆様、本当にお疲れ様でした。
 ただ、今後も何かしらやってくださるとのことなので、そちらも楽しみにしたいと思います。

tag : 妖怪 告知

ゲゲゲの鬼太郎第6期・第32話『悪魔ベリアル 百年の怨嗟』 感想

 何だろう、この小物感。

 今回の原作は「悪魔ベリアル」。もともとは、指鉄砲が初披露されたエピソードとしてお馴染みです。
 アニメでは第二期を除く全シーズンで映像化。ただし第五期のみ、イベント上映限定のエピソードとなっているようです(未見……)。
 個人的に思い出深いのは、やはりリアルタイムで見た第三期バージョンですね。子泣き、ぬりかべ、砂かけ&烏天狗……と次々に立ちはだかる日本妖怪達をことごとく蹴散らし驀進するベリアルの姿は、間違いなく「強敵」として、当時チビッ子だった僕の脳に焼き付けられました。鬼太郎と猫娘の可愛らしいキスシーンも含めて、見所満載の回だったと思います。

 ただ、原作の方を読んでみると、「悪魔ベリアル」というのは、実は案外あっさりしたエピソードだったりします。
 変形したベリアルの姿はインパクト抜群なのですが、戦闘自体が鬼太郎の指鉄砲ですぐに片づいてしまうこともあって、ベリアルの強敵感はそれほどでもありません。してみると第三期のベリアルは、ある意味、だいぶ下駄を履かされていたようですね。
 実際に原作でのページ数も踏まえてか、アニメの歴代ベリアルは、「強敵だけど前後編に分けるほどではない」という範疇に収まっているようです。
 ちなみに原作では、週刊実話版の「透明人間」というエピソードで、かつて鬼太郎に倒されたベリアルが悪霊となって再登場しています。マイナーエピソードですが、押さえておきたいところですね。

 で、今回の第六期版ベリアルですが……。
 冒頭にも書いたとおり、やや小物感が拭えなかったなぁ、と思いました。
 いや、べつにベアードの軍門に下っていること自体は問題ないんです。そもそもベリアルは西洋出身のキャラクターでありながら、これまでアニメでベアードと絡んだことは一度もありませんでした。だから、今回の西洋妖怪軍団の一員としての位置づけには、かなりワクワクしました。
 それに、烏天狗の村を襲って一網打尽にした時の圧倒感。加えて、小次郎とまなを血祭に上げようとした時の狂気。ここまでは敵キャラとして、どこを切っても文句なしだったと思っています。
 しかし、いざ鬼太郎との戦いが始まってみると……あれれ、一気に弱体化してないかい?
 烏天狗をまとめて金縛りにし、巨大な魔法陣で村一つ封印した実力はどこへ?
 確かに肉塊に変形した後は、それなりに鬼太郎を圧倒していましたが……。いや、しかし肉塊化してからの戦闘能力よりも、烏天狗をなぶっていた時の能力の方が、どう見ても強そうでしたよね? 何で鬼太郎戦が始まったら接待プレイになっちゃうのかなぁ。
 ……というような不満が一度生まれてしまうと、もう坊主憎けりゃ何とやら。前述の狂気描写すら、自分の感情をコントロールできないという点で、小物臭く思えてきてしまったり。
 そんなわけで結果的には、だいぶネガティブな感想を抱くことになってしまいました。

 うーん、決してつまらないエピソードだった、というわけではないんですけどね。
 おそらく、「ベリアルが前述どおりの凄まじい魔力で鬼太郎を圧倒→しかし鬼太郎が何らかの形(アニエスとの連携とか)でそれを攻略→ベリアルは奥の手として肉塊化」という流れがあれば、ちゃんと満足できる回になったのだと思えます。
 ただどう見ても、そこまで描き切る時間はありませんでした。……要するに、時間的な尺の都合が足を引ってしまったんじゃないかな、と。
 だいたい、ベリアル復活だけでAパートを丸々消費しちゃってますからね。もちろんそうなった理由は、小次郎とまなのネタに時間を多く割いたから。じゃあなぜそれをやったかって言うと――まあ、おそらく原作で烏天狗が登場したのを踏まえて、今回を小次郎の再登場&主役回としてまとめようとしたからでしょうね。
 小次郎の主役回となれば、当然まなは必要不可欠ですし、そこにアニエスも絡ませる必要がある。結果的に、そちらのドラマに尺を割かざるを得なくなり、戦闘シーンがだいぶ割を食ってしまったのではないか……と。
 いや、もちろんすべて僕の憶測です。実情は分かりません。

 もっとも、僕の印象に残っている第三期バージョンだって、決して粗がないわけではありません。第三期のベリアルは、「相手の能力を奪って自分のものにする」という力を持っていましたが、対鬼太郎戦ではそれを一切使いませんでした。今冷静に考えてみれば、これだってれっきとした接待プレイだったわけです。
 あんまり旧作の第一印象に囚われすぎてああだこうだ言っていると、ただの老害だよね――という自戒も込めて、ここはきちんとセルフツッコミしておこうと思います。


 ……さて、ネガティブなことばかり書いて終わるのも何なので、ここで指鉄砲について薀蓄をば。
 今シーズンで鬼太郎の必殺技として扱われている指鉄砲。言わばウルトラマンのスペシウム光線みたいなポジションになっているんですが、原作では「悪魔ベリアル」で初披露された(当時の)新技だった……というのは前述のとおりです。
 しかも、自分の指を弾丸のように飛ばすという荒業。もちろん十発限定。鬼太郎としても切り札のようで、自ら「さいごの武器」と公言しています。
 ただ、原作ではこれ以降も(「天狐」や新編シリーズなどで)何度か使っているため、それほどレアな技という位置づけではありません。どちらかと言えば、定番技の一つと言えるでしょう。
 ところが、アニメでは……となると、こちらはかなり事情が異なります。理由は簡単で、放送コードの問題があるからですね。

 まず第一期では、原作どおり「悪魔ベリアル」のエピソードで披露。もちろん、きちんと指を飛ばしました。
 続く第二期では、特に使用はなかった……と思います(たぶん)。もっともこれは、指鉄砲を使用した原作エピソードが、当時の映像化ラインナップに存在しなかったから、とも言えます。
 その後、第三期と第四期では、完全に使用されず。ただ、第三期終了後にオンエアされた大晦日生放送スペシャル(※)では、鬼太郎の能力の一つとして、第一期の映像付きで紹介されていました。まあ、当時はまだ放送コード自体が緩やかなものでしたからね。本格的にアウトになったのは、第四期の頃だったと思います。

※森末慎二さんらが司会を務めたスペシャル特番。視聴者から電話リクエストを受けて第三期の名エピソード(あらかじめ前半十本、後半十本がノミネート)を再放送したり、第一期~三期の映像を再編集したミニコーナーを流したり……といった内容。戸田恵子さん、田の中勇さんもゲストとして登場。水木先生もインタビュー映像で登場。これが大晦日の朝から、二部構成で長時間オンエアされていたという……。ほんと、いい時代でした。
 ちなみに特番内でオンエアされたエピソードは、「大海獣怒りの逆襲」(水木先生がインタビュー映像内で、お気に入りの原作エピソードが「大海獣」であるとおっしゃったために、電リクとは別枠でこれがチョイスされた)、「妖怪牛鬼」「世界妖怪ラリー」「悪魔ベリアル」「鬼太郎ファミリーは永遠に」「鬼太郎 最後の出会い!!」というラインナップ。
 ……ほんと、マジでいい時代でした。

 で、そんな放送コード問題がある以上、もう指鉄砲をアニメで見ることはできないんだろうなぁ、と思っていたわけですが……。
 第五期にてまさかの復活! ただし指から霊力を飛ばすという、「幽遊白書」の必殺技みたいな形に改変されていました(いや、実際「幽遊白書」の影響はあったんじゃないかな、と思いますが)。これで放送コードも無事クリアされ、指鉄砲が平成の世に堂々と使用できるという流れになったわけです。
 ただ、初披露となった「上陸!脅威の西洋妖怪」「大逆襲!日本妖怪」の前後編では、鬼太郎がさらに強力な必殺技「獄炎乱舞」を取得したこともあり、指鉄砲自体は、ある意味で咬ませ犬的なポジションになってしまったのが、残念なところでした。
 そして――今シーズンである第六期。指鉄砲は、「霊力を飛ばす」という第五期スタイルを継承しつつ、一撃必殺型のフィニッシュ技としての扱いになりました。
 思えば第五期で獄炎乱舞を使えるようになるまで、鬼太郎には明確なフィニッシュ技が存在しませんでした。まあ、これは原作での鬼太郎の戦闘スタイルが、「決め技で勝つ」ではなく、「毎回新技で勝つ」というものだったため……という背景もあるのですが。ただ、第六期になって指鉄砲が大きく存在感を示せるようになったのは、これはこれで、一つの功績だと思います。

 今回のグダグダ薀蓄トーク感想はここまで。
 ……あ、ベリアルの声は西村知道さんでしたね。第四期ぬらりひょんです。
 ぬらりひょんの声は三期&五期の青野武さんがメジャーですが、僕は西村さんバージョンのぬらりひょんも結構好きです。


 さて、次回は「白山坊」ですね。
 西洋妖怪編とは関係ないエピソードかと思いきや……公式サイトのあらすじを見る限り、きちんとリンクする模様。
 どんな感じになるのか、楽しみにしたいと思います。
 ではまた!

テーマ : ゲゲゲの鬼太郎
ジャンル : アニメ・コミック

tag : ゲゲゲの鬼太郎 水木しげる 妖怪 アニメ

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