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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第21話『炎上!たくろう火の孤独』 感想

 ある意味、息抜き回。

 今回はオリジナルストーリー……なんですが、実はたくろう火自体は、原作でもメインの敵妖怪として登場しています。
 そちらは「妖怪クリーニング」というエピソードで、80年代の「少年マガジン」に連載されていた通称「新編ゲゲゲの鬼太郎」の中の一話。「新編~」は第三期で最も多くアニメ化されていますが、この「妖怪クリーニング」は当時映像化は為されず(※)、第四期以降も同様で、今回の第六期でもたくろう火がオリジナルストーリーで消化されてしまったため、またしばらくアニメ化は絶望的になってしまいました。
 「妖怪クリーニング」は、登場する主要メンバーが鬼太郎、目玉おやじ、ねずみ男の三人のみという、初期を思わせるシンプルさ。そこに加えて「火で服を洗う洗濯機」や、その服を着た人間達がたくろう火に変化して夜の町をさまよう怪奇シーン、巨大洗濯機にかけられる鬼太郎などなど見所が多く、「新編」時代の隠れた名作だと僕は勝手に思っています。
 実は、つばさ文庫のノベライズにも入れる予定で原稿を書いたのですが、ページ数の都合で没になったという過去もあり。本当に、いつか映像化されてメジャーエピソードになってもらいたいものですね。

※ただし、たくろう火がメインの敵として登場するエピソードはあります。第八十五話「河童一族とたくろう火」がそれ。何と「河童の三平」を原作にした必見エピソードです。

 さて、そんなたくろう火を、内気でおとなしい妖怪として主役に据えた今回のお話。
 もともと敵妖怪としてのイメージが強かった上にあの髑髏顔なので、少年風の喋り方にはかなり違和感があるのですが(笑)、それが謎のロボット・ピグと友達になって、互いに人見知りを克服していく様は、素直に頼もしく感じました。
 そういや自分も昔はかなり人見知りだったよなぁ、とか思い出します。今はだいぶ厚かましく振る舞えるようになったけど。
 で、実はそのピグなんですが……って、アイキャッチで盛大にネタバレしてしまうのは何とかならんかったんかい(笑)。

 はい、ピグの正体は、着ぐるみを着た雨降り小僧でした。
 こちらは原作では(モブを除けば)未登場。水木妖怪事典からの出張組です。
 ただ、実はアニメ版では、第二期を除く(たぶんね)全シーズンを制覇しているという、とんでもない妖怪。同じく登場頻度の高い出張組であるがしゃどくろなんかに比べると、見た目が地味なんであまり目立っていませんが、何気にすごいキャラです。
 ちなみに第一期は「猫娘とねずみ男」、第三期は「雨神ユムチャック」を映像化した際に、オリジナル要素として起用。一方、第四期と第五期はどちらもオリジナルストーリーながら、「墓場で運動会」ネタと絡めたところが思いっきり被っていました。第五期を見ていた当時、ちょっと気になった記憶があります。
 ともあれその雨降り小僧は、体が常に濡れているので、たくろう火と手を繋いでも大丈夫な模様。火と水、異なる者同士だからこそ芽生える友情もある……という形できれいにまとめていましたが、ぶっちゃけ性格的に似た者同士だったことの方が重要だったように思います。まあ、それ言ったら身も蓋もないか。

 今回は、率直に感想を言えば無難なストーリーでしたが、個人的に気に入った部分もありました。
 それは、たくろう火が遊園地で他の妖怪(ピグ/雨降り小僧)と出会うという展開を、偶然という形で処理しなかったところ。実はねずみ男の存在が伏線として機能していた――というロジカルな構成が、やはりミステリー脳の僕としては、「ほぉ」と素直に感心できる良ポイントでした。
 そんな、さりげない手堅さを感じさせる脚本だったと思います。


 さて次回は……おおっ、「牛鬼」だっ!
 きっと、原作や過去作を知っている人にはお馴染みの展開が待っていることでしょう。
 ねこ娘の凄い顔がいっぱい映ってましたね。シリアスモード全開な予感。
 楽しみに待っています!

テーマ : ゲゲゲの鬼太郎
ジャンル : アニメ・コミック

tag : ゲゲゲの鬼太郎 水木しげる 妖怪 アニメ

ゲゲゲの鬼太郎第6期・第20話『妖花の記憶』 感想

 今回感想を書くにあたって、戦争というものについてどこまで所感を盛り込むべきか、考えました。
 僕も日本で生まれ育った者として、当然これまでに幾度となく、第二次大戦時代の悲惨さ、残酷さを聞かされてきました。いや、それに加えて水木漫画の愛読者である以上、やはりあの時代の苦しみというものに触れる機会は多かったわけです。
 ただ、これを受けて戦争に対する意見をいろいろ述べたとしても、それは「アニメ鬼太郎の感想を語る」という今回の趣旨からは、大幅にズレてしまいます。ですので、この辺りの部分はほどほどに抑えて、あくまでアニメの感想を述べたいと思います。

 今回の原作は「妖花」。
 怪奇要素は薄く、敵も現れず、ゲスト妖怪とも言える「妖花」は極めて無害な花――。しかし、戦争を題材にしたしんみりしたエピソードということで、昭和期マガジン連載時代の鬼太郎作品の中ではかなりの異色作であると同時に、印象に残る話になっています。
 もっとも、それ故にアニメ化の際には、大きく脚色されるケースが目立ってきました。
 ほぼ原作どおりのおとなしい形にまとめたのは第四期のみ。それ以外は、小鬼やがしゃどくろ、花魄、今回のトゥブアンなど、別の妖怪を絡ませて話を引き延ばし、時にはバトルシーンも盛り込むなどして、常に児童アニメ向きの改変が成されてきました。
 その良し悪しはともかく、そこまでしてでも毎シーズン映像化されてきたという点で、やはり「これは欠かせないエピソードである」という認識が、スタッフの間に根強くあるのでしょう。
 なお今回のトゥブアンは、バトル要素とは無縁で台詞もなく、あまり大きく自己主張をするタイプのキャラクターではなかったため、原作同様のしんみりとした雰囲気が充分保たれていたと思います。

 ちなみに、一連のアニメ版「妖花」で、僕が個人的に興味深く感じているのは、妖花の発生源である日本兵の男性と、その花を受け取るヒロインとの関係が、シーズンに応じて変わっているところ。
 父と娘、叔父と姪、祖父と孫……(第五期は日本兵ではないので省略)。シーズンを重ねるごとに、両者の間に時間的な距離が開いていることが分かります。終戦からそれだけ多くの時が流れた、ということです。
 今回の第六期バージョンでは、ヒロインも年齢がグッと上がり、戦死した男性のかつての恋人という設定になりました。ただし妖花を辿って南の島へ行くのは、彼女ではなく、まなの役目。つまりまなは、「妖花」におけるヒロインの座を、途中から受け継いだ形になります。
 そういう視点から考えれば、今回の妖花とヒロイン(まな)の関係は、「戦時中の男性」と「戦争を知らない世代の少女」という取り合わせであった、と読み解くことができそうです。

 島ではトゥブアンが日本兵の遺骨を守るため、毎夜戦火の音を幻聴として響かせていました。
 戦争は今なお恐怖の象徴なのだ、ということでしょう。
 そんな戦争の名残に触れたまなが、これまで朧げな知識しかなかった第二次大戦時代に、正面から向き合おうと考えるようになる――。今回はそんな物語でした。

 おそらく僕が若い頃にこのエピソードを見れば、さしたる感想も抱かなかったかもしれません。かつての僕は、「第二次大戦の悲惨さを訴える」作品に食通気味でした。毎年恒例すぎて、「またかよ」という気分にしかなりませんでした。
 正直に告白しますが、その流れもあって、水木先生の戦記漫画ですら、いまだにきちんと読めていません。
 僕があの時代に興味を抱くようになったのは、本当に、ここ数年のことです。
 戦前・戦中・戦後――。そこにまつわる諸々の歴史が、実は様々な国や個人の政治思想によって歪められ、今なお真実を巡って論争の渦中にあると知ったことから、ようやく第二次大戦時代に興味を持つようになりました。
 戦争にはいろいろな見方があるし、あっていい。「悲しい」「怖い」「(特定の国が)許せない」一辺倒の意見以外だって口にしていいのだと、分かったからです。
 ただ、どう見るにしても、「正確な知識」を持つことが大前提です。
 だから今回、戦争を知らない世代であるまなが、戦争について学び始めるラストには、大いに共感を得ました。

 もっとも、この時季はよく、「戦争を忘れるな」という言い回しを耳にします(まなのラストの台詞もそうでした)。しかし僕は、この言い方が好きではありません。
 忘れるも何も、当時僕らは生きていませんでした。だから、今となっては「知る」ことしかできないのです。
 ただ、これは戦争を経験していない世代の「強み」でもあると思います。
 知るためには、いろいろな情報を得ることが重要です。例えば今回鬼太郎と目玉おやじが述べた第二次大戦の説明は、極めて不充分かつ、誤解を招きやすいものでした。当時各国がどのような思惑で、どの国に対して、どんな行動を取っていたのか――。政治思想や感情論ではなく、記録と論理をもとに調べていかなければ、「戦争を知る」ことはできません。
 当時を生きた一個人の記憶だけでは、戦争は語れません。それは情報の一つに過ぎないからです。
 僕らは戦争を経験していない第三者だからこそ、あの時の戦争に対して、公平な目で物を見ることができるのだと思います。

 さらに、僕はこうも思います。
 戦争を経験していない世代には、もう一つ、とても大きな強みがあります。
 戦前・戦中・戦後を通して生まれた、国同士の軋轢、憎しみ、恨みを、現代に引きずりながら生きる必要がないのです。
 第二次大戦から七十年以上が経った今、世界情勢も、戦争の手法やあり方も、大きく変わっています。
 今を生きる者として、今の国際関係を第一に考える――。それが、各国が今後正しい道を歩み、互いに無用な争いを生ませないための第一歩であると、僕は思っています。

 そういう意味では、今回まなに日本人の代表として、「ごめんなさい」ではなく、「ありがとうございます」と言わせたこと――。
 脚本を書いたかたが意識していたかどうかはともかく、とても正しい台詞だったと、僕は思います。


 次回はたくろう火。
 原作では「妖怪クリーニング」というエピソードに登場する妖怪ですが……予告を見る限り、原作とは無縁のオリジナルストーリーになりそうですね。
 ではまた次回。

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第19話『復活妖怪!?おばけの学校』 感想

 今回は黒いオッサン(仮)との初顔合わせ編。相変わらずモソモソとした、よぅ分からんオッサンでした。
 いやしかし、それよりもメインは、復活した四妖怪との対決。たんたん坊、二口女、かまいたち、見上げ入道……と四人もいるのに、妙に少なく感じてしまうのは、内三人がワンセットの方々だったからかもしれません。

 ちなみに、過去に倒された妖怪達が再び敵として再登場する話と言えば、原作では「妖怪大裁判」が有名です。
 そこでは、一度倒されたはずの妖怪がなぜ復活するか――という説明は特になく、むしろそんな細かい設定を水木漫画に求める方が野暮でしょってぐらいのものなんですが、とにかく敵のオールスターぶりが楽しいです。見上げ入道や天邪鬼、おどろおどろといったガチな面々はもちろん、妙に小型になった蛟龍、当時一度きりのゲストキャラ扱いだった猫娘なんかも混じっていて、なかなかにカオス。
 まあ、「妖怪大裁判」は名エピソードなので、きっと第六期でもやってくれることでしょう。
 この他、アニメ版での敵妖怪再登場エピソードと言えば、第三期の「妖怪香炉 悪夢の軍団」(原作は水木プロ版鬼太郎)や、第四期の「悪夢!妖怪地獄」なんかがパッと思い浮かびます。また、再登場した妖怪達と敵対ではなく共闘したエピソードとして、第三期の「妖怪ハンター ヒ一族」なんかも、個人的には忘れ難いところです。

 話を戻して今回は、蘇った四妖怪が異空間に学校を開設。子供達を集めて、妖怪に作り変えようとしていた――という展開は、実は原作版の「見上げ入道」をベースにしたもの。謎の巨大ローラーも原作からの登場。こうして見ると、今回は純粋なオリジナルエピソードというより、「見上げ入道」のシーズン内再アニメ化という側面が強かったように思います。
 また妖怪城の三妖怪についても、「子供をさらって妖怪に作り変える」という行為は、実は完全に原作に準拠したもの。つまり見上げ入道にせよ、妖怪城の三人にせよ、原作では登場エピソードこそ異なれど、まったく同じ目的で子供をさらっていたわけですね。
 今回はたまたま、シーズン初期の敵キャラということで同時に復活したのかもしれませんが、そんな彼らの原作での共通項を、ここで改めて生かしてくれたのは、一原作ファンとして嬉しい限りです。

 さらにもう一つ嬉しいのは、今回の戦いが、きちんと初登場時のエピソードを踏まえたものになっていたこと。
 互いの手の内(秘法霊界流し)や弱点(見上げ入道見越したり)がすでに分かっていて、個々の因縁(入道とねこ娘、たんたん坊とまなちゃん)もあって、それらがしっかり反映されたバトルになっていたため、こちらは第六期ファンとしてポイントが高かったところです。
 ねこ娘の「遅いよ」までやってくれたんだから、これはニヤリとせずにはいられません。

 あと、今まで割りと空気だった蒼馬くんがちょっと活躍してましたね。
 第一話では、まなちゃんとのラブコメ担当係かと思ったら、ただの嫌なやつみたいになってて、すっかり存在を失念していましたが……。
 ここへ来てまさかの巻き返しなるか。いや、しかしまなちゃんはねこ姉さんとイチャイチャしててください。お願いします。

 そんなわけで、バトル部分についてはかなり満足なのですが、純粋にシナリオだけを見ると、少し肩透かしだった部分もあります。
 今回、見上げ入道達は学校の教師として振る舞っていましたが、彼らの掲げた教育理念は、子供達のことを第一に考えた素晴らしいものでした。だからこそ、子供達も元の世界には帰らず、学校に留まっていたわけです。
 ただ、もちろん妖怪達の態度はすべて演技で、本当は子供を妖怪に作り変えようとしていた――という真意が明らかになるわけですが……。
 僕が肩透かしだと感じたのは、まさにこの部分でした。
 うーん、これって、わざわざ子供達を騙す必要があったんでしょうか。原作版「見上げ入道」と同じように、「最初から誘拐してスパルタ教育」でも、話は成り立つんですよね。視聴者的にも、その方が見ていて楽しいですし。
 あるいは、妖怪達は本気で素晴らしい教育理念を掲げているのだけど、その果てには「子供達のためを思って彼らを妖怪にする」という結論が待っていて、それに気づいた子供達がピンチに……という展開でもよかったかもしれません。これはこれで深みのある話になりそうな気がします。
 しかし実際にはどっちつかずだったせいで、非常に中途半端な印象を受けてしまいました。教育理念の部分については、何か社会派っぽい要素を入れてみたくて、わざわざ捻じ込んだだけみたいな気が……。
 いや、そもそも子供が学校を嫌うのは、教育に不満があるからじゃなくて、単に遊びたいからってのが大半では? 素晴らしい教育体制の学校だから帰りたくないなんて、そんなアホなことがあるんかい、と。
 まあ、それ言っちゃうとストーリーが大きく破綻するだけなんで、やっぱり原作ばりのスパルタでよかったんじゃないかなぁ、と。
 今回は良回だと思いましたが、一方でそんな感想も抱いた次第です。はい。

 そして豆知識。アイキャッチに出てきた「大かむろ」について。
 実は水木先生の妖怪画ラインナップには、たんたん坊という妖怪が入っていません。たんたん坊は、あくまで「鬼太郎」のオリジナルキャラクターです。ただし、たんたん坊と同じデザインの妖怪がいて、それがこの「大かむろ」というわけです。
 たんたん坊と大かむろは、どちらもデザインの元ネタが同じで、江戸時代の『絵本小夜時雨』という本に描かれた、大入道の絵がモデルになっています。したがって姿は同じですが、キャラクターとしてはまったく別物ということになります。
 ちなみに、水木先生の「大かむろ」の絵と解説は、上記の『絵本小夜時雨』をベースにしていますが、大かむろという名前自体は、本来は別の妖怪のものです。鳥山石燕が創作した「大禿(おおかむろ)」がそれです。水木先生が絡んでいない妖怪本に「大禿」が載っている場合、それは本来の石燕版を指している可能性があります。
 ……以上、ややこしいですが、覚えておくと誰かに自慢できるかもしれません。誰にだよ。


 今週はここまで。
 来週は――この時期ということで、そろそろ来るんじゃないかと予想していましたが、やはり来ましたね。
 はい、「妖花」です。
 原作では「何も起きない、しんみりしたエピソード」としてお馴染みですが、アニメ版では結構アレンジが入ることが多いです。
 さて、今回はどうなるでしょうか。楽しみに待ちたいと思います。

テーマ : ゲゲゲの鬼太郎
ジャンル : アニメ・コミック

tag : ゲゲゲの鬼太郎 水木しげる 妖怪 アニメ

ゲゲゲの鬼太郎第6期・第18話『かわうそのウソ』 感想

 今回の原作は「オベベ沼の妖怪」。漫画版では、かわうそがメインで登場する唯一のエピソードです。
 この他には「妖花」と「妖怪大裁判」で出番がありますが、それ以外は基本的にモブキャラ扱い。インパクトのある見た目に反して、目立った活躍はなく、歴代アニメ版でも「オベベ沼の妖怪」を下敷きにしたエピソードを除けば、その点は変わりませんでした。
 ……ええ、第四期までは。

 ところが第五期で、状況が一変します。
 第五期は全体の傾向として、妖怪の個々のキャラクター性が増強され、それまでモブに甘んじていた味方妖怪達にもスポットが当たる機会が非常に増えました。その一例がろくろ首だったり呼子だったりするわけですが、中でも際立ったのが、かわうそでしょう。
 愛嬌のある外見は原作そのままに、もちゃっとした喋り方と緩い性格が加味されて、とても可愛らしいキャラクターになりました。同じ水の妖怪・アマビエとの愉快な掛け合いも見所の一つ。片や元モブキャラ、片や非原作キャラでありながら、第五期屈指の名コンビとなったこの二人は、活躍する機会も非常に多く、砂かけや子泣きといった鬼太郎ファミリーのメインどころすら食っていた感があります。
 それもあって――第五期半ばで「オベベ沼の妖怪」をやると知った時は、結構驚きました。すでに仲間としての立ち位置を確立しているかわうそが、いったいどのような経緯で鬼太郎と戦うことになるのか……と思ったわけです。
 いざ該当回を見てみると、鬼太郎とかわうその戦いは回想の中でのみ描かれ、そこから今に繋がって、改心したかわうそと別の妖怪(一目入道)の戦いが描かれるという、二段構えのユニークな構成になっていました。また、鬼太郎に同行するのがねずみ男のみという、原作初期を彷彿させる組み合わせだった点も、個人的にはポイントが高かったです。

 さて、第六期です。
 今回はねこ娘の主役エピソード。第五期ではコスプレを売りにしていた彼女ですが、今期初のコスプレは、まさかの農作業姿。しかも大自然で野菜と戯れる様まで見られるとは。そりゃまなちゃんもビックリですわ。
 ただスイカは、採れ立てでも冷やした方が美味しいと思うんです。
 そして謎のビューティフル種飛ばし。スイカの種を飛ばして美人を強調できる人は、たぶんねこ姉さんぐらいだと思いましたマル

 そんなねこ姉さんの主役回であると同時に、今回は(今後セミレギュラーぐらいにの立ち位置になりそうな)かわうその初登場エピソードでもありました。
 原作では、かわうそに騙されるのはねずみ男でしたが、今回はその役がそのままねこ娘に移っています。
 とは言え、騙されたことを知った後の行動はまったく別。ねずみ男がかわうそと手を組んで悪さを続けたのに対し、ねこ娘はブチキレて追い回すという……。
 まあ、そりゃそうなるわな。どう見ても相手が悪いわ(笑)。
 しかしかわうその悪事は、実は寂しさゆえだった……というのは、アニメ版「オベベ沼の妖怪」ではお約束の流れ。ある意味かわうそもツンデレ。だからねこ娘と絡んだわけですね。
 かくして許されたかわうそは、ゲゲゲの森の一員として仲間に加わるのでした。
 今後、ねこ娘とかわうその「似た者同士」感が、どれぐらい生かされていくかは分かりませんが、二人がバディを組む展開なんかがあると楽しそうですね。そしてねこ姉さんはポスト・アマビエに……(いやさすがにそれはない)。

 一方、ねこ娘の主役回ということで、まなちゃんもいろいろな意味で大活躍でした。
 別荘でのパパとのはしゃぎっぷりが可愛いです。お母さんも可愛いです。
 そして偶然にもねこ姉さんや鬼太郎とばったり出くわしてしまうのは、やはり持ち前の「偶然力」のおかげでしょうか。
 そう言えば、第一話の時は今ほどねっとりと感想を書いていなかったのでスルーしていましたが、水木先生はしばしば作品の中で、「偶然」というものを神秘の一種として表現しています。ズバリ「偶然の神秘」なんていうタイトルの短編もあります。今期の人間ヒロインであるまなちゃんに与えられた、結構大事な水木漫画要素だと記憶しておきましょう。
 あと、スイカの種をください。


 次回はオリジナルエピソードでしょうか。もしくは見上げ入道の妖怪学校?
 倒したはずの敵妖怪達が再登場! その体には例の逆五芒星が……。
 ついに黒いオッサン(仮)との対面なるか。いや、だいぶ引っ張りすぎている気もするんで、そろそろ大きな動きがあると嬉しいです。
 ではまた次回!

テーマ : ゲゲゲの鬼太郎
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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第17話『蟹坊主と古の謎』 感想

 先日発売された『ゲゲゲの鬼太郎大解剖』を読んでいたら、二十六話に登場する妖怪がさらりと書いてありました。
 まあ、それはともかく(笑)。


 今回も、先週から引き続きタイアップ回。
 前回は港町としての境港がフィーチャーされましたが、肝心の水木しげるロードには一切触れられず。というか、駅前の風景が出てきても、妖怪のブロンズ像が見当たらず。つまりこの作品世界の中では、水木しげるロードは存在しないことになっていました。
 しかし最後の次回予告で、「境港の人々が銅像に変えられてしまう」とあったことから、おそらくこの17話を経て、何らかの形で妖怪のブロンズ像が並ぶ町(つまり水木しげるロード)が完成するんじゃないか――。
 そんな予想を内心抱いていたわけですが、まさにそのとおりになりましたね。

 なお、ゲスト妖怪に蟹坊主が選ばれたのは、実際の蟹坊主のブロンズ像が、水木しげるロードの中間地点にあるからでしょう。
 作品内では、「銅像になった蟹坊主が町に飾られた後、それを中心にして妖怪達の像が並ぶようになった」という形で話が締め括られました。これについては、おそらく「人間を銅像に変える妖怪が現れ、最後は自分が銅像になる。それを中心に、境港に妖怪の銅像が並ぶようになる」というようなプロットが先にあって、そこに当てはまる妖怪として、ロードの中間地点にいて見栄えもする蟹坊主がチョイスされたものと思われます。
 泡で相手を銅像にするという能力も、もちろん今回のプロットに合わせたオリジナル設定。実際の伝承における蟹坊主は、問答に答えられない(=自分の正体を言い当てられない)人間を食らう恐ろしい妖怪でした。

 ちなみに蟹坊主は、原作版の鬼太郎作品には登場しません(ただし水木プロ版には登場します)が、アニメ版ではがしゃどくろと並んですっかり常連。その姿を一番記憶に焼きつけているのは、おそらく第三期世代の視聴者ではないでしょうか(笑)。
 第三期では本編にこそ出なかったものの、EDの冒頭を飾る妖怪画として毎週登場。劇場版作品「激突!!異次元妖怪の大反乱」では、作中に出てくる水木先生が蟹坊主の絵を描き上げ、そこからEDに入る――という粋な演出もありました。
 その後第四期にて、ついに本編の方にも初登場を果たします。この時の回は、シーズン初のオリジナルエピソード。最初は敵役としての登場でしたが、鬼太郎との戦いを経て和解し、その後は頼もしい味方として、何度か再登場しました。
 一方第五期では、ぬらりひょんの部下の一体というガチな悪役としてセミレギュラー入り。見た目どおりのパワーファイターとして活躍しましたが、あいにく作品そのものが打ち切りになってしまったため、鬼太郎達との決着は描かれませんでした。

 ……で、今回の第六期版蟹坊主。
 こちらは実際の伝承を踏まえ、普段は大柄な僧の姿で登場。相手に問答を仕掛け、不正解ならば襲いかかるという行動パターンを繰り返します。
 個人的な見所は、普段の僧形。常人よりもでかく、しかし巨大すぎるわけでもない絶妙なサイズ感で、その異形が上手く表現されていたと思います。
 ただ出題する問答については、「蟹」を不正解にしたのは、ちょっといただけなかったなぁ、と。
 本来の伝承では「蟹」が正解なので、「え、蟹じゃないの? いったいどんなどんでん返しが?」と期待大で見ていたんですが……。
 うん、「正解は『蟹』じゃなくて『蟹坊主』でした」ってのは、ただの意地悪クイズですね。ここはもっとひねってほしかったです。

 そんなわけで、問答部分がいささか消化不良気味ではありましたが、蟹坊主、烏天狗の長老、そして小次郎(今後のセミレギュラー候補かな?)というゲスト妖怪達の「人間に対する向き合い方」が三者三様に描かれ、ストーリーのテーマがはっきりしていたため、安心して見られる回になっていたと思います。
 ともあれ、これにてタイアップ編は終了。次回からは通常営業に戻るようですね。

 その次回は……ほう、「オベベ沼の妖怪」ですか。
 かわうそは第五期で名キャラクターの座をつかみましたが、今期ではどうなりますでしょうか。
 そういえばOPにも登場していますね。もしかしたら、初登場回という扱いになるのかな。
 次週も楽しみに待ちたいと思います。

テーマ : ゲゲゲの鬼太郎
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