ゲゲゲの鬼太郎第6期・第12話『首都壊滅!恐怖の妖怪獣』 感想

 今回は「妖怪獣」後編。

 総理が保身のために八百八狸に政権を譲渡したことにより、狸が支配する独裁国家となってしまった日本。
 原作では、美女は女中として狸に奉仕し、男はソーセージにされる――という恐ろしい未来が待ち構えていましたが、アニメ版では人間はあからさまな奴隷にはされず、あくまで支配を受けながら日常生活を送ります。一見穏やかですが、これはリアルな独裁国家の光景そのものですね。
 一部の人間は狸の尻尾をつけますが、これは狸への従属の証ということでしょうか。少なくともこの尻尾をつけた者は、付けてない者に対して横暴に振る舞うようになります。独裁者に忠誠を誓うことで、疑似的に権力を得るという構図ですね。
 ちなみに原作では、この尻尾は警察にのみつけられ、彼らをコントロールするための装置として扱われていました。

 ……余談ですが、今回のアニメ版の尻尾は、アライグマやレッサーパンダのものですね。よく誤解されているのですが、実際の狸の尾に縞模様はありません(拙作『異世界妖怪サモナー』の挿絵のキャラデザを決める際も、この辺は念入りに打ち合わせした部分でした)。なのでここは、ちょっと気になりました。

 余談はともかく、こうして狂ってしまった日本では、人間達の悪意も増幅。
 どうやら黒いオッサン(仮)の目的はこれにあるようですが……それはまた今回の終盤で見えてくることなので、後回しにして。

 そんな中、石にされた鬼太郎を助け出すべく、狸の本拠地に乗り込む鬼太郎ファミリー&まなちゃん。ぬりかべの塗り込め攻撃や、砂かけ婆の砂太鼓など、原作ではお馴染みの技も炸裂。
 さらに原作版を知っていれば、一反木綿の活躍がやはり嬉しいですね。原作の「妖怪獣」が連載された当時は、まだ鬼太郎ファミリーという概念が固まっていなかったため(それ以前に「妖怪大戦争」で戦死してるしね)、鬼太郎、目玉親父、ねずみ男、一反木綿の四人だけで八百八狸事件を解決していました。
 それを受けて今回のエピソードでも、刑部狸への強烈な反撃という大役を一反木綿が担っています。また同時に、狸化してしまったまなちゃんを事実上救う形にもなりました。
 まあ、そのまなちゃんは今回、割と鬼太郎とイチャイチャ気味(?)だったわけですが……。

 一方今回は、幹部格の狸達の個性も描かれました。
 原作では名前の無かったシルクハット狸と女狸は、それぞれ団一郎、団二郎という名前を獲得。さらに団一郎が幹部のトップという立ち位置になっています。戦闘能力も、狼男ばりに向上しました。
 ただし団三郎は三番手に降格。団三郎といえば、本来の伝承では有名なムジナ(この場合は、イコール狸)の妖怪。鬼太郎作品では八百八狸の一員という形で登場しましたが、それでも刑部狸に次ぐポジションを得ていましたから、今回の降格は名前による完全なトバッチリでしたね。^^;

 そして倒された刑部狸は怨霊となって、蛟龍と融合。ここから鬼太郎VS蛟龍の戦いが、妖怪獣編の最後の山場として描かれました。
 この戦い自体は迫力あるものでしたが――。
 ……やはり原作や歴代アニメ版を見ていると、かなり物足りないものがあります。
 もともと原作では、ここから第二の妖怪獣「なまず」が出現。さらに要石が狸達の第三の手駒となって空を飛び回り、日本は米軍に出動を要請する――という、一大スペクタクルへと展開していきました。
 これについては、純粋な尺の問題か、あるいは……やはりいくつかのアニメ作品同様、震災に配慮した結果なんでしょうか。
 なまずは地震の象徴ですから、正直、「もしかしたら出番は無くなるかも……」という危惧はありました。
 僕自身は、こういった現実の事件や災害を作品規制に繋げていくという流れは、決して好きではありません。ただ、何をもって今回のエピソードが原作の前半部分だけで区切られたのか、その実情は知り様もないので、「今回は原作の方が面白かったね」と、嫌なマニア面で言うに留めておこうと思います。

 気を取り直してラストは、黒いオッサンの不穏な動きで終幕。
 まなちゃんの手には、「木」という謎の刻印が刻まれました。木で始まる、呪術にも関する言葉といえば……やはり五行、「木火土金水」を思い浮かべます。ということは、オッサンの正体は陰陽師か何かでしょうか。
 ちなみに実際の伝承の方では、肉体が五行の象徴色で色分けされた妖怪がいます。水木作品ではあまり扱われませんが、有名な鬼、酒呑童子がそれです。
 そう言えばオッサンの頭の中で、誰かが侍に切り殺される映像が流れてましたが……果たして。

 次回は「ダイヤモンド妖怪」。個人的には第三期バージョンが怖くて好きでした。
 あと来週は、僕の大好きなオエオエオーの聴き納めですね。心して迎えます。
 ではまた来週。


※放送日の翌日、関西の方で大きな地震がありました。上記の感想については、その点は踏まえずに抱いたものを、素直にそのまま書かせていただいております。ご了承ください。


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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第11話『日本征服!八百八狸軍団』 感想

 ――蛟龍さん、シン・ゴジラと化す。

 今回は、お待ちかねの大ネタ、「妖怪獣」。僕の大好きな妖怪・蛟龍の登場です。
 でっかくて真ん丸な目! パカッと開いた牙だらけの口! 体がほとんど顔! ←これ全部チャームポイント
 そんな蛟龍さんが盛大に大暴れ。なぜか東宝特撮から出張してきてしまった24連装ロケット砲車、通称ポンポン砲の攻撃をものともせず、「正体不明生物」として海から上陸。ひび割れたマグマのような体を光らせ、必殺・体内放射で東京を吹き飛ばす!
 かつて第一次怪獣ブームの影響で生み出された妖怪獣が、今回はさらに現代の怪獣映画の要素を取り入れて、大幅にパワーアップした感じでした。
 一方で不気味におどろ髪をなびかせる様は、きちんと妖怪。それが爆炎の中で目をらんらんと輝かせ、焼け爛れたかのような体で東京をのし歩く様は、歴代のアニメ版蛟龍の中でも、相当なド迫力だったと思います!

 とまあ、蛟龍ピンポイントの感想はこれぐらいにして……。
 今回は他にもいろいろな見所がありました。

 見所その1。まずは久々に登場、黒いオッサン(仮)。
 公式では今のところ「名無し」というキャラ名で紹介されていますね。仮面を被っているようですが、あんなちょび髭の生えた仮面って……。とりあえず正体は不明です。少なくとも僕はネタバレ厳禁体勢で鑑賞しているので、何も知りません。
 とりあえず現状の黒幕的なお方ですが、いったい何者なんでしょうね。
 黄金パターンで行けばぬらりひょん……と言いたいところですが、お馴染みのキャラとは言え、今期では未登場の妖怪が、わざわざ顔を隠すでしょうか。
 どことなく呪術師っぽさも感じますが、だとしたら人間? 鬼道衆? 斜め上でガモツ博士?
 あるいはさらに捻りまくって、地獄から舞い戻ってきた血液銀行員の方の水木さん?
 いろいろと妄想が尽きません。6月いっぱいで1クール終了だから、そろそろ正体が割れてもいいかな。

 見所その2。しゃくし岩。
 まあ、単に穴を塞いでいただけの岩なんですが、これがついにアニメの中で「しゃくし岩」という名前で呼ばれたことに感動。
 この岩、原作では、やはり狸の住み家に通ずる岩として登場。ただし厳密に言えば妖怪の一種で、作中の注釈では、「特定の人が通ると、しゃもじを出す」と解説されています。ちなみに元ネタは、柳田国男の『妖怪名彙』に記されている妖怪。夜に人が通ると、「味噌をくれ」と言って杓子を突き出したという岩です。
 この原作の「しゃくし岩」。実は原作「妖怪獣」が単行本に収録される際に、名前と解説の書かれたページがばっさりカットされてしまい、ただの岩扱いになってしまった――という過去があります。
 しかもそれ以降は、このカット版がスタンダードになってしまい、幾度となく出版された原作鬼太郎のほぼすべてにおいて、しゃくし岩はただの岩として扱われてきました。
 この流れにようやくストップをかけ、本来のノーカット版を新刊として出したのが、アニメ第五期に合わせて講談社漫画文庫から発売された『少年マガジン/オリジナル版 ゲゲゲの鬼太郎』と、そして言わずと知れた『水木しげる漫画大全集』でしょう。
 こうしてノーカット版がスタンダードに戻ったことで、しゃくし岩も復活。今回のアニメ版にも、ついに反映されたわけです。
 いささかマニアックな話ですが、長年オリジナルを読めないままオッサンになってしまった世代の一人として、感無量の出来事でした。

 見所その3。刑部だぬきのキス。
 原作では鬼太郎が受けた狸化の呪い。それが今回は、何と何と、まなちゃんに!
 いやぁ、ブチューって、マジでやりやがりましたよ!
 もうね、「あ、狸化の呪い来るな」って流れでまなちゃんが引き寄せられたんで、「あれ? まさかキスはしないよね?」と思ったら、容赦なかったよ。さすが刑部様。
 でもさすがにホッペは避けて、手の甲で済ませてましたね。ていうか、まなちゃんが必死で手で抵抗したからだけどね。さもなきゃ顔いっちゃってましたね。刑部様め。

 見所その4。日本初の女性総理。
 水木漫画と言えば、だいたい政治家は本人そっくりの人が出てくるんですが、アニメでは自重した模様。というわけで、アニメ鬼太郎の世界では、早くも日本初の女性総理が誕生していました。
 まあ、さすがに安倍さん出して「責任は誰が取るんだ」とかやったら、右左ともども大炎上しますからね。ていうか安倍さんのキャラ変わっちゃうしね。
 それを思うと第三期劇場版「激突!!異次元妖怪の大反乱」はチャレンジしてたよなぁ。どう見ても中曽根さんだったし。君が代のメロディまで流れてたし。
 ちなみに時事ネタ関係で言えば、こういうエピソードで避難所の様子が描かれるようになったことに、時流を感じます。2011年にテレビを介して、多くの国民が共有した光景でした。

 見所その5。妖怪大事典。
 原作で女狸がちょくちょく引用していた謎の本。まさかアニメでこのネタが使われるとは。
 しかも、鬼太郎も知ってたんか、この本(笑)。

 見所その6。まなちゃんのお母さん。←義務

 見所その7。安定のねずみ男。まなちゃんへの片想いは無かったことに。

 見所その8。次回に続く。
 やっぱり「妖怪獣」ならこうなるよね、ってことで。
 ただ、ここから第二の妖怪獣なり名無しのオッサンなりの流れに行くとすれば、前後編じゃ終わらないかも。
 ネタバレ厳禁なので今後のタイトルはまだ知らないんですが、6月いっぱいフルに使うなら、三話分にまたがる可能性が大?

 というわけで、次回も楽しみにしたいと思います。

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第10話『消滅!学校の七不思議』 感想

 うむ、ただのアホ話だった(笑)。

 前回から二連続で、まさかのコメディ編。
 まなちゃんの優しさに天使を見た(おい)ねずみ男が恋に落ち、事もあろうかストーカーに……って、何でやねん!(笑)
 これはもしや、第三期のユメコちゃん路線へ突き進むのかと思いきや、さっくり失恋して、どうやら今回限りになる――かどうかはスタッフのみぞ知る。
 ていうか、ラストでぬりかべまでまなちゃんのストーカーになってましたからね。鬼太郎もねこ姉さんも鏡じじいも落としてしまったまなちゃん、どんだけ妖怪たらしやねん。こうなったらもう朱の盆も呼んでくるしかないね。

 一方で、今回の一番の目玉妖怪こと花子さん。
 いったいどんな活躍をしてくれるのかと期待していたら、鬼太郎と温泉で混浴しただけ。
 鬼太郎も今回は花子さんと混浴しただけ。何でやねん!(笑)

 しかしこの混浴の瞬間は、かなりこだわった演出だったと思います。
 鬼太郎が温泉に浸かっていると、唐突にお湯の中から濡れ女が。濡れ女は不気味な笑い声を上げて湯から出ていくが、ここで朝っぱらからサービスカット――とはならず、だって首から下は蛇体だし……。
 と思っていたら、濡れ女と入れ違いで、体にバスタオル一枚巻きつけただけのあられもない姿の花子さんが登場!
 この上げて下げて一気に吊り上げる感。東映スタッフのガチな何かを見た気がします。
 ……で、鬼太郎はそんな花子さんを前に、まったく普通に対応。うむ、鬼太郎だしな。週刊実話版じゃなくてよかった。

 とまあ、温泉でしっぽりする鬼太郎と花子さんをよそに、今回の事件解決役ことニャニャニャのねこ娘は、花子さんのストーカーになっていた男子トイレのヨースケくんと対決。
 ヨースケくんって誰やねん……と言いたいところだけど、実際にきちんと伝承のある学校の怪談系妖怪だそうです。まあ、太郎くんの亜種ですね。ていうか、それ言ったら太郎くんが花子さんの亜種だしね。
 で、ストーカーをこじらせたヨースケくん。ねこ姉さんの連続猫パンチでボコられた挙句、最後は爪で八つ裂きに。こんなギャグキャラにまさかトドメ刺すとは思わんかったからビックリでした。

 そんなこんなで、「鬼太郎」に学校の怪談を本格的に取り入れた初エピソードは、天井に貼りつく壁を眺めながら終了。
 面白かった……と言えば面白かったのだけど、個人的には心に刺さるような内容でなかったこともあって、何となく笑って何となく幕が下りただけの感じでした。
 同じオリジナルギャグ編とは言え水木イズムの基本をしっかり押さえていた前回に比べると、やっぱり今回はちょっと弱かったなぁ、と。
 あと、鬼太郎に初めて都市伝説系妖怪が出るってことで、自分の中で期待値を上げすぎていたのも悪かったかもしれません。


 そして次回は――おおっ、「妖怪獣」来た!
 過去のシーズンでは必ず前後編になっていた大ネタですが、今期は果たしてどうなりますか。
 性懲りもなくハードルを上げながら、楽しみに待ちたいと思います。

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第9話『河童の働き方改革』 感想

 今回はオリジナルエピソード。かなり風刺色が強くなるかと思ったけど、ギャグ回でした。
 まあ、河童がスーツ着て眼鏡かけてキーボード叩いてる時点でこうなるか(笑)。

 意識が高すぎてブラックIT企業を作り上げてしまった社長が、新たな人材として河童を導入。キュウリさえ与えておけば真面目に仕事をする彼らに喜んでいたが、河童の方は自分達の労働環境が劣悪だったと知るや、反旗を翻す――。
 サブタイトルには「働き方改革」と入っていますが、これはあくまでキャッチーさを出すためのもので、扱っている内容自体は昔ながらの労働争議に近いものでした。
 始めは時給キュウリ三本で満足し、「モーレツ社員」としてバリバリ働いていた河童達が、法律上の最低賃金を知って怒り、社長に直談判に行く展開が面白い。妖怪が人間社会に毒され、人間と同じ行動を取るようになっていく――。それがもともと純朴な河童達だっただけに、彼らが大真面目に労働環境の改善を訴えるシーンは、ピリッとした皮肉が効いています。
 そしてついに社会そのものに反旗を翻し、人間世界を河童が住めるものに変えるため、無差別に人間を襲い始める河童達。言わば河童の革命運動。これだって間違いなく現実の社会で起きてきたこと。
 それでも、これをやっているのが河童だから笑えるし、鬼太郎とのバトルでも、鬼太郎が速攻で尻子玉を抜かれて腑抜け化するというギャグ展開(そしてねこ娘がお尻を押さえて逃げ惑う……)で、だからこそ実態が生々しい風刺だったとしても、見ていて痛みを覚えるよりも面白さを感じてしまう――。相変わらず脚本力の高さが窺えるエピソードでした。

 そして今回のキーパーソン(妖怪だけど)となるのが、妖怪いそがし。
 今回はオリジナルエピソードなので、登場するゲスト妖怪も基本的に非原作組になるわけですが、いそがしもそんな「妖怪図鑑からの出張組」の一人。過去のアニメでは五期で一度登場しています。
 このいそがし。現代では人間が働き過ぎのため、自分は不要になったと嘆いていましたが、それが終盤、思わぬ形で鬼太郎のピンチを救うことに。これは(見ているうちに、いそがしのことを忘れていたので)意表を突かれる展開でした。
 まあ、一つ野暮なツッコミを言えば、現代のいそがしはニートにでも取り憑けばいいんじゃね? と思うわけです。ちゃんと需要あるよ!

 ちなみに今回のメイン妖怪である河童は、実は原作の方では、単体で採り上げられたことがほとんどありません。恐山の生命接着係とか皿小僧とか、一応河童だろうと思えるものはちょくちょく出てきているのですが、はっきり「河童」という名でメインで扱われたのは、週刊実話版の一エピソードぐらいだったと思います。
 これは、鬼太郎とねずみ男が夢の中で河童渡来の歴史を追体験するという内容。この他には、絵本版鬼太郎で河童を題材にしたものもありましたが、どのみち数は多くありません。
 一方で水木作品全体に目を向けてみると、「河童の三平」を筆頭に、河童が登場する作品は非常に多く存在しています。
 アニメ版鬼太郎の第三期でも、「河童の三平」を下敷きにしたエピソードが作られました。さらに四期、五期でも河童はコンスタントにメインエピソードを獲得しており、そこはやはり日本妖怪代表格の面目躍如といったところでしょう。

 そして、次回も有名妖怪が登場。ていうか、花子さん!
 もちろん鬼太郎作品に登場するのは史上初!
 実は水木先生もきちんと妖怪画に起こしている花子さんですが、いったいどんな活躍を見せてくれるのか、今から楽しみです。

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第8話『驚異!鏡じじいの計略』 感想

 これは……間違いなく、子泣きじじい回!

 電気妖怪で怒涛のアクションに震え、すねこすりで涙溢れ、幽霊電車でゾクゾクし……と来て、今回はどうなるかと思いましたが、割と箸休め的なエピソードに収まっていました。
 しかしながら! 鏡じじいの声は塩屋浩三さん!
 塩屋さんは歴代アニメ鬼太郎で多くの脇役を務め、今期も第3話でもたんたん坊の声を担当されていらっしゃいますが、それよりもやはり塩屋さんと言えば、第四期の子泣きじじい!
 今回の鏡じじいの喋り方は、当時の子泣きじじいをどこか彷彿とさせるものでした。それが今期の島田さん演じる子泣きじじいと酔っ払ってクダを巻き合うラストは、まさに新旧子泣き酔っ払い対決!
 これはもうニヤニヤするしかない!

 ……とまあ、そんなマニアックな楽しみ方はさて置き、ストーリーの方はかなりオーソドックスなものでした。
 事件の犯人は実は鏡じじいではなく、他にいた――という「猫又の恋」パターンも読みやすかったので、いったい本命の敵は誰かなと思いながら見ていたら、ここでがしゃどくろ登場。
 がしゃどくろ。アニメ版鬼太郎ではすっかり定番のゲスト妖怪ですね。

 実はこのがしゃどくろ、原作では地獄編にちょろっと登場するだけで、しかも敵役でも何でもないという……(水木プロ作の「最新版ゲゲゲの鬼太郎」は例外として、ですが)。
 にもかかわらず、そのネーミングと外見のインパクトから、第3期以降は必ず何らかのエピソードに登場している常連妖怪。ある時は妖花を守り、またある時は怪気象の中で暴れ回り、そしてまたある時は毛羽毛現と一緒にハイウェイを襲撃し、またまたある時は高層ビルと融合し――。
 ただし彼(?)の場合、原作準拠のキャラというよりも、「アニメオリジナル要素用に妖怪図鑑からピックアップされてゲスト出演する妖怪枠の一体」と言った方が正確でしょう。
 なのに常連。そういう意味じゃ、すごい妖怪ですね。

 ちなみに本来のがしゃどくろというのは、実は古来から伝承のある妖怪ではなく、昭和の子供向け妖怪図鑑の中で創作された妖怪だったりします。
 歌川国芳の浮世絵「相馬の古内裏」に描かれた巨大な骸骨の化け物に、「がしゃどくろ」という名前と、「野垂れ死にした者の髑髏が集まって出来た」というような解説が付けられ、さらにその本を見た水木先生が自分の妖怪図鑑に取り入れたことで、結果的に抜群の知名度を誇る妖怪になってしまった……というのが実情。
 ちなみに今回のがしゃどくろは左目からビームを撃っていました。がしゃどくろと片目……と言えば、しばしばがしゃどくろの伝承例として挙げられる、『日本霊異記』のこんな一エピソードが思い起こされます。
 ……野ざらしの髑髏が、地面から生えてきたタケノコに片目を貫かれて、「目が痛い」と声を上げる――。
 この話は、水木先生ががしゃどくろの解説文を書く際に、「がしゃどくろではないが」と前置きした上で、関連エピソードとして採り上げたもの。しかしその情報が孫引きされるうちに、いつしか「がしゃどくろは『日本霊異記』に登場する」というような解説をする本まで出回るようになり、何だかもうカオスな感じになってしまいました。
 最近の妖怪図鑑系の本では、その辺は改まっているのかな。どうなんでしょうね。

 で、そのがしゃどくろから、我らがまなちゃんを守ろうとしていた鏡じじい。
 実は鏡じじいが純粋に悪の妖怪として描かれていたのは原作と第一期のみで、第三期以降は何かしらの形で、鬼太郎の協力者になっています。第五期劇場版では鬼太郎と激しいアクションを繰り広げ、「鏡じじい強ぇ!」と度肝を抜かれたものの、後半でやはり味方になってくれました。
 今回の鏡じじいは、もう最初から濡れ衣アピールが激しかったので、悪いやつじゃないというのはすぐに分かりました。そして最終的には、子泣きじじい同士(違)で酔っ払い合う、和気藹々ぶり。
 エロジジイとしてのキャラも立っているので、今後も再登場が期待できるかもしれませんね。

 ……あと、この二つは触れておかなければなりません。

 すねこすり! すねこすり!

 まなちゃんのお母さん! まなちゃんのお母さん! ←なぜか同じノリ


 次回は「河童の働き方改革」。オリジナルエピソード、でしょうかね?
 鬼太郎作品お得意の風刺物になりそうな予感がします。
 ではまた次回。

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