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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第72話『妖怪いやみの色ボケ大作戦』 感想

 キマシタワー

 今回の原作は「いやみ」。サンデー版のエピソードの一つですね。
 いやみの力によって色ボケになった鬼太郎とねずみ男が、拉致してきたJSを巡ってバトルする――という、たぶんご時世的に原作そのままじゃ放送できない気がするお話です。
 ちなみに第三期では、当然JSポジションはユメコちゃんでした。
 なので今期はまなちゃんか……と思いきや、集中砲火を浴びたのはねこ姉さんの方。でもってまなちゃんもねこ姉さん狙い。キマシ

 なお原作について補足すると、いやみは上記の他に、「雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎」シリーズと「鬼太郎霊団」シリーズにも登場しています。
 特に「霊団」の方は、初出が大人向けの雑誌だったこともあって、かなりアダルトな内容。特にいやみが引きつれていた美女軍団の下品な技の数々がスバラシかったです。詳細は、下品なのでここでは書けません。男根砲とかな!

 でまあ、改めてアニメの感想なのですが――。
 いやぁ、楽しかったです。奇を一切てらわない、ストレートな笑いが来るコメディ回でした。
 鬼太郎ファミリー男衆+まなちゃんの総色ボケ化(一反木綿だけ通常営業)という圧倒感。目玉おやじがまなちゃんの頭に乗ってふやけてるのもアレでしたが、それよりぬりかべ。何でめっちゃ男前になっとるん(笑)。
 でもって、ねこ姉さんを主軸とした上質なラブコメ回でもあり、時折描写される彼女の心象風景や、デートに挑む時の素直な姿が、とても可愛らしかったです。
 あとキマシタワーな。これ絶対外せないから。

 なお鬼太郎とねずみ男のバトルは、JSならぬJKを巡って一瞬だけ発生。
 さすがにJSはまずかったのでしょうか。まあ、まずいと言えば、原作での拉致も今回はナンパに改まってましたからね。さすがにそこは、いろいろとね。うん。

 一方いやみの方は、原作にあった「人の楽しみを食べる」という要素はオミットされ、イロ気を振り撒くのが目的の妖怪に改変されていました。
 しかし首が外れてからの本体登場は原作どおりでしたね。
 腕を伸ばすのは、原作では人間態の時に使っていた技ですが、今回のアニメ版では本体に変わってから使用。そして、原作で弱点として描写されていた肝心のキン×マが見えないなーと思っていましたが、見えないだけでちゃんと付いていたみたいでよかったです。
 見えんけれども(キ×タマは)おるんだよ。

 そんなわけで、とても面白かったです。
 あとキマシタワー ←もういちいち消さない


 さて、次回は……「やまたのおろち」!
 これも鬼太郎シリーズ以外からの映像化ですね。第二~四期まで映像化されてきた定番ネタですが(四期は原作と関係ないストーリーでしたが)、今回はどうなるでしょうか。
 果たして呼子は今後レギュラー入りできるのか。 ←これが一番気になる
 ではまた次回!

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ジャンル : アニメ・コミック

tag : ゲゲゲの鬼太郎 水木しげる 妖怪 アニメ

ゲゲゲの鬼太郎第6期・第71話『唐傘の傘わずらい』 感想

 今回の原作は「傘ばけ」。日本人にはお馴染み、唐傘のお化けが敵として登場するエピソードです。
 メジャーな妖怪だけあって、それまでモブキャラとしての登場は何度もありましたが、鬼太郎と一対一での対決を繰り広げたのは、この話が初。
 しかも結構強いんですね、これが。傘の回転を利用して空を飛び、あらゆるものを斬り裂き、毛針や指鉄砲を弾き返す。さらには模様のついた傘をくるくる回して催眠術を使い、目から強力な熱線を放ち――。そんな、とても唐傘とは思えないレベルの高スペックな戦闘能力が、特に何かの理由でパワーアップ中とかではなく、完全にデフォ。
 とにかく「傘ばけ強い! 傘ばけなのに!」というその一点で、強く印象に残るエピソードでした。
 ちなみにこの話は、後に「雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎」シリーズで、「妖怪傘化け」という題でリライトされます。

 で、この傘化けですが、別の話では味方として登場することも多々あります。まあ、鬼太郎作品というのは、全体が緩やかなパラレルですからね。
 例として「世界お化け旅行」シリーズ。終盤から鬼太郎達に合流し、ねずみ男と組んで商売をした結果、妖怪ブードーの襲来を招いてしまいます(襲われたのはねずみ男だけでしたが)。
 あとは、「傘ばけ」以前のエピソードですが、「電気妖怪」に登場した「カサやん」も原作ファンにはお馴染みですね。こちらはアニメ第六期版でもちらりと姿を見せていました。

 しかし第六期の傘化けと言えば、すでに「妖怪アパート秘話」で「唐傘」の名で登場済み。
 今回のエピソードは、その唐傘を主役に据えて、原作「傘ばけ」をアレンジした話となりました。そういう意味では、こないだの豆腐小僧の回と同じような感じですね。
 ちなみにサブタイ。てっきり唐傘が現代の傘に恋でもするのかと思ってしまいました(笑)。「死びとの恋わずらい」的な感じで。むしろそんな話でも面白かったかも。

 ビニール傘の美しさに憧れ、そのビニール傘を粗末に扱う人間に憤りを覚える――。後者は付喪神系の定番ネタですが、前者は価値観のギャップがあって面白かったです。
 古い唐傘の目から見れば、使い捨てのビニール傘が輝いて見えるわけですね。で、使い捨て傘が使い捨てにされていることを知って怒る、と(笑)。
 使い捨て前提の道具を粗末に扱うことは、果たして悪なのか。まあ、作中では人間側が心無いかのように描かれていましたが、実際、ビニール傘ってそう長持ちしませんからね。大事に使おうと思っても限界が来ます。
 唐傘兄貴にとっては由々しき問題でしょうが、このビニール傘という題材については、付喪神系特有の「物を大切にしよう」という不変のネタに真っ向から一石をぶん投げた、案外チャレンジ精神溢れるものだったんじゃないかと、ちょっと思います。

 で、唐傘兄貴はどっかの青年にビニール傘を大事にしてもらうため、鬼太郎のチャンチャンコを盗んで人間に変身。ストーキング(と本人は思ってない)を繰り返すわけですが……。
 いや、これチャンチャンコ盗んで人間になる必要あったのかしら(笑)。
 一応原作では、「金持ちの家の子供に化けて本人を追い出し、自分がその家で裕福に暮らす」という(ねずみ男の考案による)計略があったので、傘ばけがチャンチャンコを鬼太郎から(実力行使で)借りる展開になったのですね。
 しかし今回の第六期版については、普通に唐傘そのままの姿で「傘を大事にしろ」って言った方が、効果があったんじゃないかと。
 うん、わざわざマッチョになる意味ない(笑)。

 ただ、これは脚本へのツッコミというより、唐傘のずれた行動そのものへのツッコミになっている――と考えた方がいいかもしれません。
 実際、いろいろズレすぎてて可笑しかったしね。ビニール傘に憧れるところ然り。お菓子差し入れるところ然り。
 もちろん原作に寄せるためのチャンチャンコ窃盗展開だったのでしょうが、「あんたそれやるためにわざわざチャンチャンコ盗んでマッチョになったんかい!」というツッコミをそのまま唐傘兄貴にぶつけられる、巧妙な(?)キャラ設定だったと思わなくもないです。はい。

 で、そんな兄貴と鬼太郎との、久しぶりの再対決。原作同様に鬼太郎を圧倒する兄貴ですが、それはチャンチャンコのおかげという理由付けがなされていました。
 この辺は合理的だなと思うのですが、むしろ「傘への愛が爆発しすぎて強くなった」とか、そういう熱血ギャグ的な方向でもよかったかな。
 原作の傘ばけが小細工なしの強敵でしたからね。チャンチャンコに関係ないパワーアップが見込めると良かったです。まったく個人的意見ですが。

 そしてラスト。ステッカー貼りまくってド派手になった唐傘が、めっちゃ喜んでて、なんか無性に可愛い(笑)。
 全然似合ってないような気もするんだけど、こんなに喜んでるならアリかなって思えてしまうぐらい。今回のハイライトでした。

 あと、久しぶりに本格再登場した夏美さん。
 豆腐小僧の時は後ろ姿のみで台詞なしでしたが、今回はちゃんと台詞ありで出てきてくれました。
 え、その代わり他のみんなに台詞がなかった? それは言うな。
 ともあれ、貴重な人間サイドのセミレギュラーなので、今後もたまに出てくれると嬉しいです。


 というわけで、今回はここまで。
 次回は「いやみ」! これは鬼太郎がヤラシイ危ない!
 もう次回予告の絵からして不穏なので(笑)、楽しみにしています。
 ではまた!

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第70話『霊障 足跡の怪』 感想

 やったぜ! とりあえず黒くすれば欠損OKだ!

 今回の原作は「足跡の怪」。ここ最近映像化が多い、鬼太郎シリーズ以外の短編漫画からの一本です。
 何びとも足を踏み入れてはならないとされる「入らずの山」。そこに入って「タイタンボウの穴」に小便をした男二人が、小指、片耳、片目、鼻、首……と肉体のパーツを次々に消失させ、ついには完全に姿を消してしまうというお話。
 ごく短い短編ながら、人体欠損のグロテスクな衝撃、そして説明の一切ない「タイタンボウ」の恐怖が後を引く、とてもインパクトの強い作品です。

 これが初めてアニメ化されたのが、例によって第二期ですね。
 今回の第六期版で回想シーンとして展開した二人の男の話が、宇宙ウイルスや爆発物など、第二期版の要点を踏襲した内容になっていました。
 人間の目や鼻がまるで溶けるように消失していく様が、当時のお茶の間のチビッ子達に与えたトラウマは、どれほど大きかったか(笑)。
 そんな鬼太郎史上最強のトラウマエピソードとして名高い「足跡の怪」。それを現在の放送コードでやるとしたら、相当工夫しない限り難しいのでは、と思っていたのですが……。

 そうか、黒いエフェクトを被せて、くっきり見えないようにすればいいのか!

 ……って、本当にそれだけでいいんかい! 
 いやぁ、もろ欠損してましたね!
 素晴らしいです! やっぱコレきちんと見せなきゃ「足跡の怪」じゃないもんね!

 というわけで、人体欠損に関してはなぜかクリアできてしまいました。
 あとはシナリオですね。
 第二期を彷彿させる回想シーンを挟みつつ、タイタンボウの恐怖が世代を超えて、新たに降りかかる――。そんな新旧二編の人体欠損ホラーを二部構成で見せる、ユニークなストーリーになっていました。
 特に後半の新世代編ですね。とにかく凄惨としか形容しようのない祟りが、関わった四人の若者に次々と降りかかる。この容赦のなさこそ、まさに「足跡の怪」の醍醐味と言えるでしょう。

 一方で、今回焦点の当たる青年を、「タイタンボウの聖域を守る一族の若者」としたのは、ある種の(構成上・設定上の)合理性が窺えます。
 これについては、しっかりとしたストーリーになったなぁと思う反面、原作の「得体の知れない恐怖」がやや薄れた感もあり、個人的には良し悪しと言ったところ。
 その青年にラストに救いを与え、彼が一族の定めを受け入れることで結末とする――。割と容赦のないことをしがちな第六期にしては(笑)、丸く収めたなといった感じでした。
 このプチハッピーエンドなラストは、旧作との線引きだったのかな、という気もします。何となく。

 そんなわけで――。
 第六期版「足跡の怪」。楽しませていただきました。
 ただ個人的には、もっとえぐくてもよかったかな。ちょっと「幽霊電車」が最強すぎたせいで、後続のホラーエピソードが軒並みハードル高くなっちゃってます。
 ……少し肩の力を抜くべきか。


 さて次回は……「傘化け」ですね。
 すでに妖怪アパートで登場済みの傘化け改め唐傘。いったいどんな活躍をしてくれるんでしょうか。
 楽しみにしています。ではまた!

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第69話『地獄の四将 鬼童伊吹丸』 感想

 今回は久々のアニメオリジナル。
 鬼童(鬼童丸)は、以前にも何度か触れたように、酒呑童子の息子であるとされる鬼です。
 もっともこれは口碑のみに残る特徴のようで、鬼童の話が載る唯一の文献『古今著聞集』には、そのようなことは書かれていません。話の内容は、いわゆる源頼光の鬼退治エピソードの一つで、それ以上でも以下でもないようです。
 水木先生が描いた鬼童は鳥山石燕の絵を参考にしたもので、牛の体を持ち上げていることでお馴染み。これは、鬼童が頼光を待ち伏せする際に、牛を殺してその腹の中に身を隠していたことに由来します。

 ……とまあ、鬼童の解説は概ねこんなところですね。ちなみに「伊吹丸」という名前はアニメオリジナルです。
 四将の一人として起用された理由は、やはり「酒呑童子の息子」という設定の美味しさでしょう。まあ、その設定があってなお、長らくマイナー妖怪の一体だった……というのも事実ですが。(^^;
 アニメに出たのも今回が初めてですしね。しかし、これを機に知名度は上がったんじゃないでしょうか。

 そんな鬼童ですが、これまでの鵺や黒坊主と異なり、純粋な悪としては描かれませんでした。
 かつて人間の娘を愛し、彼女とともに里を築き上げるも、それを良しとしない人間達の襲撃に遭い、里は焼かれ彼女は殺され――。
 この鬼童の過去から思い起こされるのは、もちろん一年目の名無し編、その最終章。まなが鬼童によって憑坐(よりまし)に選ばれるなど、名無し編の設定が生きてきます。
 また公式でも触れられていましたが、鬼童は鬼太郎と石動、二人の要素を併せ持った存在なのですね。
 鬼太郎のように人間と距離を縮めた過去がある一方で、石動のように復讐に取り憑かれ人間を(石動の場合は妖怪を、ですが)無差別に襲った過去を持つ――。
 今回、鬼太郎と石動が一時休戦し、鬼童の想いを果たすことになったのは、鬼童が二人を同時に象徴する存在だったから……ではないでしょうか(もちろん、石動では鬼童に刃が立たなかったから、という表向きの理由もありましたが)。

 さらに言えば、鬼太郎と石動もまた、どこかで共通するものを持っているのかもしれません。
 鬼太郎は名無し編の終盤で、ねこ娘の死に怒り、まなへの憎悪を募らせてしまいました。これは復讐鬼と化した石動に通じます。
 だとしたら石動もまた、鬼太郎のように、人間と妖怪の間にある橋を渡ることが可能な存在だ――と見なすこともできます。
 実際そのような過去があったのか、あるいはこれから先の未来にそうなるのかは分かりませんが、第六期のテーマが「異なる者同士の相互理解」であることを踏まえると、いずれ石動にも、そのような一面が用意されるのではないでしょうか。

 ……とまあ、ざっくりとした感想でした。
 それにしても閻魔大王。鬼童と鬼太郎の戦いを、ちゃんと見ていたみたいですね。「だったら最初から来いや」って気がしなくもないです(笑)。
 いったい誰の尻拭いをしてると思ってるんだ。

 あとぬりかべ。柔らかい(笑)。
 旧作では巨大化とかはありましたが、自分の意志でこんなにグニャグニャになったのは初めてなのでは。

 そして――最後の四将は玉藻前。やはり鬼道衆の郷を焼いたのは彼女のようですね。
 九尾の狐ということで、きっと「妖怪反物」もしくは「太古の秘密」が絡んだ話になるものと予想できますが、どのみちもう少し先になりそうな予感。
 あるいは玉藻前との戦いをアニメオリジナルにした上で、後のエピソードでチーが復讐に来る――という展開でも面白そうです。
 いや、妄想が捗りますね。楽しみ楽しみ。


 さて次回は――。
 来たっ! 「足跡の怪」!
 実は人伝に、「『足跡の怪』を製作中」という話はチラリと伺っていたのですが……ついにオンエアですね!
 水木作品屈指の、そして第二期屈指のグロテスク・エピソードです。果たして放送コードの壁をどう超えるのか(笑)。
 期待しながら待っています! ではまた!

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第68話『極刑!地獄流し』 感想

 まさかの感動系だった! 意外!

 今回の原作は「地獄流し」。昭和マガジン版初期のエピソードですね。
 もともとのストーリーは、逃亡の末に鬼太郎の家に忍び込んだ悪党二人が、生きたまま地獄に流されてしまうというもの。まだ怪奇色が強かった頃ゆえの内容です。
 ちなみに、二人の男が地獄に流される方法は、それぞれ別。一人目は地獄への切符を手に入れてバスに乗ったところ、それが片道切符だったために帰れなくなる。二人目は鬼太郎を連れてドライブに出た結果、地獄に迷い込んでしまう――というものでした。
 これらの要素は、どちらも貸本版「墓場鬼太郎」で、すでに見受けられます。つまり、貸本版で複数あった地獄送りのネタを一つにまとめて、短編として再構成したのが、この「地獄流し」ということになりそうです。

 なお余談ですが、「鬼太郎を車に乗せて地獄に迷い込む」というネタは、後に意外な原作エピソードで再登場しています。
 週刊実話で連載された「野球狂の巻」がそれです。この話は基本的にドタバタ劇なのですが、最後の最後でまさかの地獄流しが炸裂するというオチ。しかも鬼太郎、この時酔っ払ってたし。
 個人的にも結構お気に入りのエピソードだったりします。たぶんアニメ化はされないでしょうが(笑)。

 ……さて、話をアニメ版の方に戻しましょう。
 冒頭でも触れたように、今回の第六期版「地獄流し」は、だいぶ意外な内容になりました。
 原作は、「悪人が鬼太郎の力で酷い目に遭う」という、言わば因果応報のエピソード。そのため従来のアニメ版も、概ねこの流れを汲んでいました。
 例外は第三期の「妖怪百目・地獄流し」で、こちらは地獄流しをおこなう妖怪百目を鬼太郎が倒すという、純粋なバトルストーリー。もっとも第三期には「謎の妖怪狩りツアー」という、「地獄流し」の要素を含んだエピソードも別にありましたが……。
 (余談ですが、この「謎の妖怪狩りツアー」、僕の手持ちの資料だけでは原作が特定できないんですよね。タイトルから察するに、ボンボン版の単行本未収録エピソードが使われたのでしょうか。その場合「地獄流し」の要素も原作から存在していた、ということに?)
 もっともこの例外を除けば、基本的に因果応報なんですね。第四期のように、二人の悪党を「救われる者」と「救われない者」に分けたケースもありましたが。(この第四期版「地獄流し」は秀逸でした。お勧め!)
 なので「ゆうれい電車」と同じく、きっと今回はホラーになるんだろうなぁ、と思っていたのですが――。

 いやぁ、完全に意表を突かれました。
 もちろん「ホラーじゃなかった」なんてことはなく、カケル青年が餓鬼に変貌して自分の体を貪り食らい、吐いては食い、吐いては食い――なんていう、朝アニメなのにかなり振り切ったホラー描写はあったわけですが(笑)。
 それでも、終盤の展開ですね。カケルが懸命にもう一人の男を助け、一枚しかない現世への切符を彼に譲ろうとしたところで、すべての真相が明かされる――。
 いや、ベタでしたよ。ベタでしたけどね。
 これがもう、心地いいほどに、じんわりと来ました。

 確かに最初から奇妙ではあったんですよね。
 カケルは強盗を働いたけど、死傷者を出したわけではなく、鬼太郎に喧嘩を売ったわけでもない。それが突然地獄流しに遭うというのは、旧作のセオリーから考えても違和感があったわけで。
 つまり鬼太郎は、最初から何らかの意図をもって地獄流しを仕掛けたのだ――という推測が成り立ちます。
 それが「改心を促すため」というのも、まあ、予想しようと思えばできます。一緒にいる男が何か特別な人間なのでは……というのも、同じく予想が可能です。
 ただ、そんな一連の深読みを遮ってしまうのが――上述の餓鬼化の描写ですね(笑)。

 カケルが辿り着いた餓鬼の村(原作「鬼太郎地獄編」シリーズに登場したもの)。そこで餓鬼から肉を奪い食らったカケルは、生きながら餓鬼と化します。
 餓鬼は常に飢え、満たされることがありません。食べては吐き、食べては吐きを繰り返す……。その様は、まさに食吐(じきと/餓鬼の一種)。しかも吐き出すのは、自分が人間だった時の頭。その頭が、今度は巨大な土蜘蛛と化し、カケルを襲う――。
 この現実とも悪夢ともつかない光景を前にして、あれやこれやと展開を推測するのも野暮ってものでしょう。というより、この後何がどうなるのか、予想できるはずもなく(笑)。
 あとはもう成るがままの展開に任せていました。
 ……ちなみに餓鬼化は顔を洗ったら治ったようです。何でやねん(笑)。

 そう言えば、ずいぶんと唐突に土蜘蛛が出てきましたが、これは芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を意識しての起用だったようですね。
 カケルが糸を登り始めたところで、まさかカンダタコースか……とドキドキしながら見守っていましたが、カケルはちゃんと強い心を持っていました。
 ちなみに土蜘蛛がアニメ版に登場するのは、第三期劇場版と第四期に続いて、今回が三度目となります。

 ともあれカケルは、そんな土蜘蛛に負けることもなく、同行者の男と二人で地獄の出口(?)へ向かうのですが――。
 ここから先に待ち受けていた結末についての感想は、すでに書いたとおりです。
 もっとも、途中にあった餓鬼化や土蜘蛛の襲撃などを踏まえるに、おそらくカケルの改心は、100パーセント保証されたものではなかったのではないでしょうか。
 カケルが登っていた「蜘蛛の糸」が何とも象徴的ですが、もしカケルが何らかの形で男を見捨てれば、鬼太郎はカケルを容赦なく地獄に置き去りにしたに違いない――。そんな気がします。

 ……もっとも、鬼太郎が個人の生死を自由に操作できるとなると、そもそも「地獄の四将編」の設定に矛盾が生じてしまいます。
 もしかしたら今回の「地獄」は、すべて鬼太郎がカケルに見せていた幻だった――。そんな考察も成り立つかもしれませんね。

 ともあれ、第六期版「地獄流し」。
 予想していたものとはだいぶ違う印象になりましたが、とても面白く堪能いたしました。


 さて次回は……鬼童!
 まさかの、このタイミングで来ましたか。
 つまり真打は玉藻前で、それが鬼道衆の郷を焼い(ry
 何にせよ、楽しみにしています。ではまた!

テーマ : ゲゲゲの鬼太郎
ジャンル : アニメ・コミック

tag : ゲゲゲの鬼太郎 水木しげる 妖怪 アニメ

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