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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第24話『ねずみ男失踪!?石妖の罠』 感想

 今回の原作は「石妖」。
 80年代マガジン版、通称「新編ゲゲゲの鬼太郎」からの一本……なのですが、実はこのエピソード、何と今回が初アニメ化だというのは、先々週にも少し触れたとおりです。
 もともと「新編」は、アニメ第三期に合わせての連載ということもあって、当時はそこそこの本数が映像化されたわけですが、それでも「新編」全体から見れば半分以下。後に第四~五期で「妖怪猫ショウ」「月の妖怪桂男」「死霊軍団」辺りの初映像化があり(「死霊軍団」は僕の憶測ですが/参照)、さらに今期になって、ようやくこの映像化ラインナップに、新たに「石妖」が加わった――というわけですね。
 第三期以降のエピソード一覧を見れば、やはり第一~二期を支えた昭和マガジン版とサンデー版が優遇されていることは明らかですから、そういう意味でも「新編」を初めとするややマイナーなエピソードには、もっと日の目を見せてほしいものです。

 さて、そんな事情も踏まえた上で、満を持してアニメとなった「石妖」。
 やはり初映像化ということもあってか、原作からの改変度合いはそれほど高くなく、少なくともバトル部分だけで言えば、概ね原作を踏襲する形になりました。
 ただし、ねずみ男が漢気を見せる部分(&ねこ娘とのやり取り)については、完全にアニメオリジナルとなっております。まあ、やはりその方がドラマ性が増しますからね。
 ちなみに原作の方では、そもそもねずみ男は5千万の資産があると嘘をついて妖子ちゃんと結婚し(おい)、騙されたと知った後もアッサリ気味。最後は同じ騙され仲間の水木先生と意気投合して、「美しいものにはトゲがあるといいますからねえ」「あまり近づかないことですよ」と楽しげに酒を酌み交わすという……。いや、このドライさがねずみ男らしいと言えばらしいのですが(笑)、さすがにアニメ版では、きちんと盛り上げる方向にまとめたようです。

 余談ですが、ねずみ男が結婚するエピソードと言えば、真っ先に思い浮かぶのが、第四期の「怪談!妖怪陰摩羅鬼」です。シーズン内屈指の号泣回として名高い名作ですね。
 さらにもっと遡れば、第二期の「死人つき」が結婚エピソードの元祖として存在しています。
 ……うん、死体ばっかりや。今回は石だから、たぶんまだマシだったんですね、ええ。

 話を元に戻して、さらに原作との比較ですが……。
 今回個人的に「どうなることやら」と思っていたのが、原作にあるお色気シーン。具体的には、子泣きじじいに抱きつかれた際に服がずり落ちて、下着姿になってしまう石妖ちゃん。さらにラストでは、その下着姿のまま海坊主に捕まってペットにされてしまうという……いや、さすがにこれは、いくらガチホラー解禁の今期でもエロは難しいでしょうと思っていたら、案の定難しかったようです(笑)。
 結局石妖ちゃんは残念ながら服を着たままでした。まあ、入浴シーンは全裸でもOKのようでしたが、さすがにジジイに脱がされるのは難しかった模様。さらにねずみ男の漢気のおかげで、ペット扱いも免れます。
 もっとも、砂かけ婆の「捕らえ方がスケベくさい!」の台詞はしっかり原作を再現してくれていて、思わずニヤリとできるワンシーンに仕上がっていました。

 これまた余談ですが、「新編ゲゲゲの鬼太郎」は、当時の流行的なものもあってか、妙にお色気シーンが多いのが特徴です。
 ゲストヒロインはだいたい脱ぎます。第三期の「木の子と妖怪山天狗」は、ゲストの少女が全裸で出ずっぱりという、今となっては相当な神回でしたが、あれも「新編」の原作どおりでした。

 ……比較に戻ります。エロはもういいので、それ以外の部分をザっと拾っていくと――。
 まず、式場と旅行先の温泉が、原作では妖怪用の施設でしたが、アニメ版では人間のそれになっていました。
 さらに、ねずみ男以外の被害者役が、原作では水木先生ご本人でしたが、アニメ版ではこれまでに登場した男性ゲストキャラ達に置き換えられていました(全員がそうだったかはちょっと自信ないですが)。
 あとはもちろん、ねずみ男と石妖の顛末……と、だいたいこの辺が、目立った改変部分だったと思います。

 ちなみに今回のオリジナル要素の中で、僕が一番心に残ったのは、質屋の暖簾でした。
 ねずみ男と石妖の出会いのシーンで、背景として使われているこの暖簾。「え、なぜ質屋?」と奇妙に思っていたら、オチであのように繋がるとは……。これは上手い流れでした。

 今回は全体的な演出力の高さもあってか、存分に面白く見られるエピソードに仕上がっていました。
 肩肘張って……とは行かなくとも、こういうリラックスしながら楽しめる回を合間合間に入れていくのは、大事ですね。


 さて次回は、くびれ鬼の登場。
 妖怪図鑑からの出張組ですが、第四期以降、毎シーズン登場し続けていますね。
 しかも予告編を見る限り、今期は結構ホラーっぽい様子。期待して待ちたいと思います。
 ではまた!

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・西洋妖怪軍団を予習しよう

 アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」第六期。
 前回も少し触れましたが、十月からはついに西洋妖怪編がスタート。しかしいざスタートしてしまうと、西洋妖怪についてのあれやこれやを書くのに、大幅に時間を割く羽目になってしまうに違いない……。
 そんな予感がひしひしとするので、その辺りのところを今のうちに、いろいろ書いておこうと思います。
 まあ、予習みたいなものですね。
 では行ってみましょう。

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第23話『妖怪アパート秘話』 感想

 公式サイトの方で、次クールからの展開が発表されていますね。
 ついに西洋妖怪軍団が登場ということで、かなり楽しみなのですが、それについてはまた別の機会に語るとして……。


 さて、今回はオリジナルストーリー。
 題材はずばり、「妖怪アパート」。原作では砂かけ婆が経営する、妖怪達のためのアパートのことを指しています。
 初めて登場したエピソードは、確か「悪魔ベリアル」だったと思います。ただ、マガジン連載時期(アニメで言えば第一期の頃)の作品でアパートが出てきたのはこのエピソードぐらいで、「砂かけ婆の妖怪アパート」という設定が本格的に定着したのは、サンデー連載時期(アニメでは第二期)になってからでした。
 もっとも、サンデー版が終わって以降は、後続の作品に受け継がれた様子が(僕の記憶によれば)見られないため、あくまでサンデー版のみの主要設定といった位置づけになっています。

 一方アニメ版での妖怪アパートは、(サンデー版をメインで扱った第二期を除けば)第四期までは必要に応じて登場したりしなかったり。なので、比較的影の薄い存在になっています。
 その後第五期になって、ようやく妖怪横丁の一施設として本格的に設定され、作中にも頻繁に登場することになりました。リフォームを夢見る大家の砂かけ婆と、家賃を滞らせがちな店子の面々が繰り広げるミニコントは、記憶に新しいところですが、逆に言えば、第五期まではアパート設定はほとんど空気だった――というのも意外な話です。

 ……そう言えば第三期が放映されていた頃、バンダイから発売されていたゲゲゲハウスシリーズでは、砂かけ婆の家がしっかり「妖怪アパート」という名前になっていました。
 当時まだ原作を読んでいなかった僕が、妖怪アパートという設定に触れたのは、これが初めてだったりします。
 ていうか、これが発売された時点で、アニメの方では未登場でしたからね、アパート。

 そんな旧作事情も踏まえた上での、さて今回のエピソードですが――。
 簡単に言えば、「第六期版《砂かけ婆の妖怪アパート》が生まれるまでの物語」でした。

 長い間住む者もなく、大家の夏美に手放されようとしていた小さなアパート、その名も「爽快アパート」。
 ところが、夏美がアパートを引き払おうとしていた時、そこへ鬼太郎と砂かけ婆が訪ねてきます(ここ、磨りガラス越しに鬼太郎の登場を見せる演出が味わい深くてお気に入り)。「アパートを取り壊すのは思い止まってほしい」と言う鬼太郎が語る、このアパートに秘められた過去の出来事とは――。
 時は1968年。当時新築だったアパートに、ろくろ首、あかなめ、唐傘の三妖怪が住み憑いて、人間を脅かしていました。困り果てた大家夫婦(夏美の祖父母)は鬼太郎に助けを求めます。さっそくアパートを訪れた鬼太郎は、三妖怪と対決。三人はあっさり懲らしめられ、泣く泣くアパートを出ていこうとしますが……。しかしそんな彼らを可哀想に思った大家夫婦は、三人に、そのまま住み続けることを許したのでした。妖怪と人間、本来交わることのない両者の間に、絆が生まれた瞬間でした。
 その後妖怪達は、決して悪さはせず、姿も見せず、それでもひっそりとアパートを支え続けます。バブル期にアパートが地上げ屋に狙われた時も、鬼太郎達とともに大家夫婦を助けてくれました。
 そして現代――。両親も祖父母も他界し、ただ一人となった夏美は、恋人と結婚して、アパートを手放そうとしていたわけですが……。

 結末を言ってしまえば、ここから夏美は紆余曲折を経て、忘れていた妖怪達との思い出を取り戻し(ここはもっと明確な伏線が欲しかった気もしましたが ^^;)、アパートを砂かけ婆に托すことにしました。
 アパートは妖怪達のための住居となります。即ち「砂かけ婆の妖怪アパート」の誕生です。
 旧作の妖怪アパートと大きく違うのは、砂かけ婆があくまで雇われ大家に近いポジションであり、オーナーは人間の夏美であるということ。それから、建っている場所はゲゲゲの森ではなく、人間の町であるということ。
 ある意味で画期的です。特に、人間の世界に存在しているということは……まなちゃんもここに来られるということですね。
 夏美さんの再登場もあるかもしれません。今後このアパートがどれぐらいの頻度で出てくるかは分かりませんが、ユニークな設定なので、結構期待したいところです。

 一方で、妖怪アパート云々とは別に、今回のエピソードには大きな裏テーマがあるように感じました。
 それは何かと言えば……そう、「鬼太郎というキャラクター」そのものです。
 時代を追うように語られる、いくつもの過去。テレビの形状、マクドナルドの値段、バブル、893の手口……。年代に応じて移り変わってきた様々な特色を散りばめながらも、その中で決して変わることがないものとして描写されているのが、鬼太郎というキャラクターの在り方でした。
 妖怪に悩まされた人間が妖怪ポストに手紙を出すと、下駄の音とともに現れて助けてくれる。しかし、妖怪に仇なす人間に対しても、決して容赦はしない――。もはやお約束となっているこれらの基本要素を踏まえ、妖怪との対決シーンも、悪人を懲らしめるシーンも簡素に済ませながら、こうした出来事が時代を問わず繰り返され、今も続いている……。
 この繰り返しこそがまさに、鬼太郎の不変性そのものを表現し、物語っているのではないでしょうか。
 作中で過去の舞台となる1968年、1971年、1985年が、各時代のアニメ版鬼太郎のオンエア開始年になっている――というのは、もしかしたら、ただの小ネタに留まらないのかもしれません。
 ストーリーの終盤、再びアパートを狙った暴力団を鬼太郎達が懲らしめた際に流れたBGMが、お馴染みのOPのイントロそのものだったのも、極めて象徴的でした。
 だから今回のエピソードは、まさに「ザ・鬼太郎」とでも呼ぶべき内容だった――と、思えてなりません。

 人情噺の要素も良かったですが、それ以上に、鬼太郎の根底的な魅力が語られたエピソードとして――。
 総じて面白い回だったと思います。かなり好き。


 さて次回は……うおぉぉぉっ、「石妖」だっ!
 80年代マガジン版から、まだアニメになっていなかったエピソードが、ついに初映像化!
 これはテンションが上がらざるを得ませんね!
 石妖ちゃんは、やっぱり原作どおり、子泣きじじいに脱がされちゃうんでしょうか! ←たぶん無理
 そして下着姿のまま、海坊主のペットにされちゃうんでしょうか! ←いろいろ無理
 次回も楽しみです。ではまた!

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第22話『暴走!最恐妖怪牛鬼』 感想

 開幕からまなちゃんがノースリーブで腕を上げいやそこじゃない。

 今回の原作は「牛鬼」。
 牛鬼は、本来はウシオニと読みますが、鬼太郎作品に限ってはギュウキと読みます。
 自分を殺した者に取り憑いて永遠に再生し続けるという、「鬼太郎」に登場する敵の中でもかなり厄介な能力を持つ妖怪・牛鬼。それを倒してしまった鬼太郎さえも新たな牛鬼となり、もはや事態を解決するすべはなし。目玉おやじ達は最後の希望である迦楼羅様に祈りを捧げる――。
 鬼太郎が別の姿に変じてしまうケースは多々あれど、自我すら失って暴れ回り、生かして元に戻す手段は皆無。しかも鬼太郎を殺したところで牛鬼そのものは倒せない……。そんな絶望的な展開に加えて、牛鬼の迫力あるビジュアルが印象に残る本作は、歴代アニメ版でも定番エピソードの一つになっています。

 余談ですが、原作では80年代マガジン版で、この牛鬼(ただし不死身設定のない別個体)が鬼太郎の味方の一人として活躍していました。
 それまでもモブの味方として登場することはありましたが、鬼太郎ファミリーの一員にまで収まってしまったのは、この「新編ゲゲゲの鬼太郎」~「鬼太郎地獄編」シリーズのみ。
 見た目どおりのパワーファイターで、しかも敵を食べるという、直球な戦法を使ったこともありました。
 まあそれはともかく。

 さて今回のアニメ版。まずは牛鬼というキャラクターの描写が、とても印象的ですね。
 サイズを怪獣然とした巨大さに設定しながらも、夜の嵐という舞台や無表情な鬼面が、牛鬼の妖怪としての不気味さを引き立てていました。
 他にも、透き通った海の底に巨大な姿を見せる初登場シーンや、危機感なく撮影していた観光客をまとめて踊り食いするショッキングシーン。建て物の中で息を殺して牛鬼をやり過ごそうとする人々。その甲斐虚しく見つかって食われる犠牲者……などなど、怪獣スペクタクルとはまた違ったいくつもの演出は、まるでモンスターパニック系ホラームービーを見ているかのようで、とても楽しかったです。
 そして何より、牛鬼が積極的に角を使っている! そういや牛なのに、これまで角突きすることってほぼなかったよなぁ、なんて思いながら、感心して見てしまいました。
 ついでに、鬼太郎に指鉄砲で額を撃ち抜かれた時に、悲鳴やもがきを敢えて出さず、瞳の動きだけで絶命を表現するのも結構好きです。

 そして鬼太郎が牛鬼に変身する際の、グロテスクな域にまで達した恐怖描写。めっちゃ力入ってましたね。
 それ以前に、チンピラ芸能人のジングウジさんが牛鬼になってしまうところもグロめでしたし。これチビッ子は相当トラウマになったんじゃないでしょうか(笑)。ジングウジさん死んじゃって何のフォローもなかったしね。いや、なくて正解なんだけど。
 そういえば第三期をリアルタイムで見ていた園児時代、振り返った鬼太郎の顔が牛鬼になっているシーンで、子供心に本気でビビった記憶があります。
 第四期は恐怖感はあまりありませんでしたが、牛鬼に取り憑かれた社長が変身の予兆として生肉を貪り食うようになるという、面白いアレンジが為されていました。
 各シーズンとも、いろいろと工夫が凝らされていますね。

 さて、そんな牛鬼を足止めするために、たった一人で挑んだのが、我らがヒロイン・ねこ娘。
 次回予告からも予想がついていましたが、今回はねこ娘の主役エピソードという形になりました。
 迦楼羅様に祈る時間を稼ぐため……という名目こそあれど、おそらく相手が鬼太郎だったからこそ、ねこ娘もここまで命を張ったのだと思います。
 最後、迫る鬼太郎の爪を前にしてすべてを覚悟し、化け猫形態を解いたねこ娘。「鬼太郎に殺されるなら本望だ」と言わんばかりに見せた穏やかな表情が、気丈さと健気さを兼ね備えたバトルヒロインとしての彼女の魅力を、遺憾なく発揮していたように思いました。
 だからこそ鬼太郎が助かった後の、今までにない素直なデレっぷりが微笑ましく、そして鈍感な鬼太郎にニヤニヤしてしまうという、いいラブコメ回だったと……あれ、ラブコメ回?

 ともあれ、そんなねこ娘の活躍に加えて、舞台も漁村からリゾートアイランドへと様変わりした、新生「牛鬼」。
 しかしよくよく見れば、ストーリーラインはきちんと原作をなぞっていたことが、はっきりと分かります。
 実際、アレンジ度合いは第五期バージョンの方が遥かに高く、むしろ第六期になってなおここまで原作を踏襲したエピソードというのは、極めて稀。それほどまでに、この「牛鬼」という原作には特別感がある――ということかもしれません。

 ちなみに原作ネタと言えば、恭輔くんのお爺さんのキャラデザと、牛鬼に発砲する警官は、そのまま原作から持ってきた部分ですね。
 一方オリジナルキャラとしては、テレビ局のディレクターが光っていました(いや、ハゲだからとかじゃなくてな)。自分の失態をきちんと受け止め、責任を果たそうとする姿に好感が持てます。大人はかくあるべしですね。

 そんなわけで、とても見応えのある「牛鬼」でした。
 満足。


 次回は、たぶんオリジナルストーリー。
 突然のシネスコ。そして題材は……妖怪アパート?
 妖怪アパートと言えば、原作では砂かけ婆が経営しているアパートとしてお馴染みですが、それとはまた違ったものになるのかな。
 いったいどんな話になるんでしょうか。今から楽しみです。

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第21話『炎上!たくろう火の孤独』 感想

 ある意味、息抜き回。

 今回はオリジナルストーリー……なんですが、実はたくろう火自体は、原作でもメインの敵妖怪として登場しています。
 そちらは「妖怪クリーニング」というエピソードで、80年代の「少年マガジン」に連載されていた通称「新編ゲゲゲの鬼太郎」の中の一話。「新編~」は第三期で最も多くアニメ化されていますが、この「妖怪クリーニング」は当時映像化は為されず(※)、第四期以降も同様で、今回の第六期でもたくろう火がオリジナルストーリーで消化されてしまったため、またしばらくアニメ化は絶望的になってしまいました。
 「妖怪クリーニング」は、登場する主要メンバーが鬼太郎、目玉おやじ、ねずみ男の三人のみという、初期を思わせるシンプルさ。そこに加えて「火で服を洗う洗濯機」や、その服を着た人間達がたくろう火に変化して夜の町をさまよう怪奇シーン、巨大洗濯機にかけられる鬼太郎などなど見所が多く、「新編」時代の隠れた名作だと僕は勝手に思っています。
 実は、つばさ文庫のノベライズにも入れる予定で原稿を書いたのですが、ページ数の都合で没になったという過去もあり。本当に、いつか映像化されてメジャーエピソードになってもらいたいものですね。

※ただし、たくろう火がメインの敵として登場するエピソードはあります。第八十五話「河童一族とたくろう火」がそれ。何と「河童の三平」を原作にした必見エピソードです。

 さて、そんなたくろう火を、内気でおとなしい妖怪として主役に据えた今回のお話。
 もともと敵妖怪としてのイメージが強かった上にあの髑髏顔なので、少年風の喋り方にはかなり違和感があるのですが(笑)、それが謎のロボット・ピグと友達になって、互いに人見知りを克服していく様は、素直に頼もしく感じました。
 そういや自分も昔はかなり人見知りだったよなぁ、とか思い出します。今はだいぶ厚かましく振る舞えるようになったけど。
 で、実はそのピグなんですが……って、アイキャッチで盛大にネタバレしてしまうのは何とかならんかったんかい(笑)。

 はい、ピグの正体は、着ぐるみを着た雨降り小僧でした。
 こちらは原作では(モブを除けば)未登場。水木妖怪事典からの出張組です。
 ただ、実はアニメ版では、第二期を除く(たぶんね)全シーズンを制覇しているという、とんでもない妖怪。同じく登場頻度の高い出張組であるがしゃどくろなんかに比べると、見た目が地味なんであまり目立っていませんが、何気にすごいキャラです。
 ちなみに第一期は「猫娘とねずみ男」、第三期は「雨神ユムチャック」を映像化した際に、オリジナル要素として起用。一方、第四期と第五期はどちらもオリジナルストーリーながら、「墓場で運動会」ネタと絡めたところが思いっきり被っていました。第五期を見ていた当時、ちょっと気になった記憶があります。
 ともあれその雨降り小僧は、体が常に濡れているので、たくろう火と手を繋いでも大丈夫な模様。火と水、異なる者同士だからこそ芽生える友情もある……という形できれいにまとめていましたが、ぶっちゃけ性格的に似た者同士だったことの方が重要だったように思います。まあ、それ言ったら身も蓋もないか。

 今回は、率直に感想を言えば無難なストーリーでしたが、個人的に気に入った部分もありました。
 それは、たくろう火が遊園地で他の妖怪(ピグ/雨降り小僧)と出会うという展開を、偶然という形で処理しなかったところ。実はねずみ男の存在が伏線として機能していた――というロジカルな構成が、やはりミステリー脳の僕としては、「ほぉ」と素直に感心できる良ポイントでした。
 そんな、さりげない手堅さを感じさせる脚本だったと思います。


 さて次回は……おおっ、「牛鬼」だっ!
 きっと、原作や過去作を知っている人にはお馴染みの展開が待っていることでしょう。
 ねこ娘の凄い顔がいっぱい映ってましたね。シリアスモード全開な予感。
 楽しみに待っています!

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