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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第32話『悪魔ベリアル 百年の怨嗟』 感想

 何だろう、この小物感。

 今回の原作は「悪魔ベリアル」。もともとは、指鉄砲が初披露されたエピソードとしてお馴染みです。
 アニメでは第二期を除く全シーズンで映像化。ただし第五期のみ、イベント上映限定のエピソードとなっているようです(未見……)。
 個人的に思い出深いのは、やはりリアルタイムで見た第三期バージョンですね。子泣き、ぬりかべ、砂かけ&烏天狗……と次々に立ちはだかる日本妖怪達をことごとく蹴散らし驀進するベリアルの姿は、間違いなく「強敵」として、当時チビッ子だった僕の脳に焼き付けられました。鬼太郎と猫娘の可愛らしいキスシーンも含めて、見所満載の回だったと思います。

 ただ、原作の方を読んでみると、「悪魔ベリアル」というのは、実は案外あっさりしたエピソードだったりします。
 変形したベリアルの姿はインパクト抜群なのですが、戦闘自体が鬼太郎の指鉄砲ですぐに片づいてしまうこともあって、ベリアルの強敵感はそれほどでもありません。してみると第三期のベリアルは、ある意味、だいぶ下駄を履かされていたようですね。
 実際に原作でのページ数も踏まえてか、アニメの歴代ベリアルは、「強敵だけど前後編に分けるほどではない」という範疇に収まっているようです。
 ちなみに原作では、週刊実話版の「透明人間」というエピソードで、かつて鬼太郎に倒されたベリアルが悪霊となって再登場しています。マイナーエピソードですが、押さえておきたいところですね。

 で、今回の第六期版ベリアルですが……。
 冒頭にも書いたとおり、やや小物感が拭えなかったなぁ、と思いました。
 いや、べつにベアードの軍門に下っていること自体は問題ないんです。そもそもベリアルは西洋出身のキャラクターでありながら、これまでアニメでベアードと絡んだことは一度もありませんでした。だから、今回の西洋妖怪軍団の一員としての位置づけには、かなりワクワクしました。
 それに、烏天狗の村を襲って一網打尽にした時の圧倒感。加えて、小次郎とまなを血祭に上げようとした時の狂気。ここまでは敵キャラとして、どこを切っても文句なしだったと思っています。
 しかし、いざ鬼太郎との戦いが始まってみると……あれれ、一気に弱体化してないかい?
 烏天狗をまとめて金縛りにし、巨大な魔法陣で村一つ封印した実力はどこへ?
 確かに肉塊に変形した後は、それなりに鬼太郎を圧倒していましたが……。いや、しかし肉塊化してからの戦闘能力よりも、烏天狗をなぶっていた時の能力の方が、どう見ても強そうでしたよね? 何で鬼太郎戦が始まったら接待プレイになっちゃうのかなぁ。
 ……というような不満が一度生まれてしまうと、もう坊主憎けりゃ何とやら。前述の狂気描写すら、自分の感情をコントロールできないという点で、小物臭く思えてきてしまったり。
 そんなわけで結果的には、だいぶネガティブな感想を抱くことになってしまいました。

 うーん、決してつまらないエピソードだった、というわけではないんですけどね。
 おそらく、「ベリアルが前述どおりの凄まじい魔力で鬼太郎を圧倒→しかし鬼太郎が何らかの形(アニエスとの連携とか)でそれを攻略→ベリアルは奥の手として肉塊化」という流れがあれば、ちゃんと満足できる回になったのだと思えます。
 ただどう見ても、そこまで描き切る時間はありませんでした。……要するに、時間的な尺の都合が足を引ってしまったんじゃないかな、と。
 だいたい、ベリアル復活だけでAパートを丸々消費しちゃってますからね。もちろんそうなった理由は、小次郎とまなのネタに時間を多く割いたから。じゃあなぜそれをやったかって言うと――まあ、おそらく原作で烏天狗が登場したのを踏まえて、今回を小次郎の再登場&主役回としてまとめようとしたからでしょうね。
 小次郎の主役回となれば、当然まなは必要不可欠ですし、そこにアニエスも絡ませる必要がある。結果的に、そちらのドラマに尺を割かざるを得なくなり、戦闘シーンがだいぶ割を食ってしまったのではないか……と。
 いや、もちろんすべて僕の憶測です。実情は分かりません。

 もっとも、僕の印象に残っている第三期バージョンだって、決して粗がないわけではありません。第三期のベリアルは、「相手の能力を奪って自分のものにする」という力を持っていましたが、対鬼太郎戦ではそれを一切使いませんでした。今冷静に考えてみれば、これだってれっきとした接待プレイだったわけです。
 あんまり旧作の第一印象に囚われすぎてああだこうだ言っていると、ただの老害だよね――という自戒も込めて、ここはきちんとセルフツッコミしておこうと思います。


 ……さて、ネガティブなことばかり書いて終わるのも何なので、ここで指鉄砲について薀蓄をば。
 今シーズンで鬼太郎の必殺技として扱われている指鉄砲。言わばウルトラマンのスペシウム光線みたいなポジションになっているんですが、原作では「悪魔ベリアル」で初披露された(当時の)新技だった……というのは前述のとおりです。
 しかも、自分の指を弾丸のように飛ばすという荒業。もちろん十発限定。鬼太郎としても切り札のようで、自ら「さいごの武器」と公言しています。
 ただ、原作ではこれ以降も(「天狐」や新編シリーズなどで)何度か使っているため、それほどレアな技という位置づけではありません。どちらかと言えば、定番技の一つと言えるでしょう。
 ところが、アニメでは……となると、こちらはかなり事情が異なります。理由は簡単で、放送コードの問題があるからですね。

 まず第一期では、原作どおり「悪魔ベリアル」のエピソードで披露。もちろん、きちんと指を飛ばしました。
 続く第二期では、特に使用はなかった……と思います(たぶん)。もっともこれは、指鉄砲を使用した原作エピソードが、当時の映像化ラインナップに存在しなかったから、とも言えます。
 その後、第三期と第四期では、完全に使用されず。ただ、第三期終了後にオンエアされた大晦日生放送スペシャル(※)では、鬼太郎の能力の一つとして、第一期の映像付きで紹介されていました。まあ、当時はまだ放送コード自体が緩やかなものでしたからね。本格的にアウトになったのは、第四期の頃だったと思います。

※森末慎二さんらが司会を務めたスペシャル特番。視聴者から電話リクエストを受けて第三期の名エピソード(あらかじめ前半十本、後半十本がノミネート)を再放送したり、第一期~三期の映像を再編集したミニコーナーを流したり……といった内容。戸田恵子さん、田の中勇さんもゲストとして登場。水木先生もインタビュー映像で登場。これが大晦日の朝から、二部構成で長時間オンエアされていたという……。ほんと、いい時代でした。
 ちなみに特番内でオンエアされたエピソードは、「大海獣怒りの逆襲」(水木先生がインタビュー映像内で、お気に入りの原作エピソードが「大海獣」であるとおっしゃったために、電リクとは別枠でこれがチョイスされた)、「妖怪牛鬼」「世界妖怪ラリー」「悪魔ベリアル」「鬼太郎ファミリーは永遠に」「鬼太郎 最後の出会い!!」というラインナップ。
 ……ほんと、マジでいい時代でした。

 で、そんな放送コード問題がある以上、もう指鉄砲をアニメで見ることはできないんだろうなぁ、と思っていたわけですが……。
 第五期にてまさかの復活! ただし指から霊力を飛ばすという、「幽遊白書」の必殺技みたいな形に改変されていました(いや、実際「幽遊白書」の影響はあったんじゃないかな、と思いますが)。これで放送コードも無事クリアされ、指鉄砲が平成の世に堂々と使用できるという流れになったわけです。
 ただ、初披露となった「上陸!脅威の西洋妖怪」「大逆襲!日本妖怪」の前後編では、鬼太郎がさらに強力な必殺技「獄炎乱舞」を取得したこともあり、指鉄砲自体は、ある意味で咬ませ犬的なポジションになってしまったのが、残念なところでした。
 そして――今シーズンである第六期。指鉄砲は、「霊力を飛ばす」という第五期スタイルを継承しつつ、一撃必殺型のフィニッシュ技としての扱いになりました。
 思えば第五期で獄炎乱舞を使えるようになるまで、鬼太郎には明確なフィニッシュ技が存在しませんでした。まあ、これは原作での鬼太郎の戦闘スタイルが、「決め技で勝つ」ではなく、「毎回新技で勝つ」というものだったため……という背景もあるのですが。ただ、第六期になって指鉄砲が大きく存在感を示せるようになったのは、これはこれで、一つの功績だと思います。

 今回のグダグダ薀蓄トーク感想はここまで。
 ……あ、ベリアルの声は西村知道さんでしたね。第四期ぬらりひょんです。
 ぬらりひょんの声は三期&五期の青野武さんがメジャーですが、僕は西村さんバージョンのぬらりひょんも結構好きです。


 さて、次回は「白山坊」ですね。
 西洋妖怪編とは関係ないエピソードかと思いきや……公式サイトのあらすじを見る限り、きちんとリンクする模様。
 どんな感じになるのか、楽しみにしたいと思います。
 ではまた!

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第31話『小豆洗い小豆はかり小豆婆』 感想

 今回は、妖怪大戦争は小休止しての息抜き回となりました。
 原作は「小豆連合軍」。80年代マガジン版からの一編です。アニメでは3期以降、毎シーズンアニメ化されている常連エピソード。2期以前が存在しないのは仕方ないとして、それを差し引けば、事実上の皆勤賞と言ってもよさそうですね。

 小豆とぎ(今回のアニメ版では「小豆洗い」)、小豆はかり、小豆ばばあの三妖怪は、原作では純粋にチームとして活躍していましたが、アニメでは各シーズンごとに関係性が少しずつ異なっています。今回は、決裂からの小豆洗いの暴走、そして和解という形でまとまっていました。
 まあ、決裂と言っても、小豆婆改め小豆グランマの単独デビューには意図があったのですが……。
 そして「喋った!」で爆笑。あんたら何百年も一緒にいて、初めてだったんかい(笑)。

 なお、「人間の顔に小豆畑を作る」という原作からのお約束は、今回は小豆洗いの単独犯行になりました。
 同機は、洋菓子がむかついたから(笑)。
 うん、でもね、鯛焼きに入っている熱々のカスタード、美味しいじゃん?
 そもそも鯛焼き買う時は、小倉とカスタード両方チョイスするじゃん?
 何ならそこにカレー味とかソーセージ入りとかも追加するじゃん?
 ……僕だけですか。食いすぎですか。そうですか。
 まあ、鯛焼きに限らず、甘いものは和洋交互ぐらいのサイクルで食べるのがちょうどいいですね、僕的には。
 何の話だ。

 で、本来はここでユーチューブというものについても考察すべきなのかもしれませんが、僕は投稿動画より菓子の方にしか関心がないので、そちらは割愛させていただきます。

 あと、今週の妖怪豆知識。
 そもそも小豆洗いと小豆婆は、「川辺で小豆を磨ぐ音が聞こえる」という、現象としてはまったく同じものが、地域によって解釈や呼び名が異なったために、別々の妖怪としてカウントされたもの。
 一方で小豆はかりは、この二人とは少々カテゴリーが別。こちらは「家の中で小豆を撒くような音がする」という、ポルターガイストやラップ音に近い現象を妖怪視したもので、民俗学的な資料には一切登場しません。記録と言えば、江戸時代の『怪談老の杖』という本に見られるのみで、フィクションなのかノンフィクションなのかもよく分からない妖怪になっています。
 そんなわけで、原典から見れば、小豆連合軍の中では小豆はかりだけが異質な存在なのでした。


 さて来週は、やはりあった小次郎再登場、からの――「悪魔ベリアル」!
 以前の記事で予想……というか期待していたところではありましたが、やはり西洋妖怪編に絡めてきましたね。
 どうなるか、楽しみにしています!
 ではまた。


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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第30話『吸血鬼のハロウィンパーティー』 感想

 ぶっちゃけ、あんまりハロウィン関係ない話でしたよ。

 今回も西洋妖怪編……なのですが、妖怪大戦争の進行はなく、あくまで小休止的な単発エピソード。日本の少女達を吸血鬼に変えようと企んでいたカミーラと、ねこ娘の戦いが描かれました。
 ……やはり原典同様、百合吸血鬼だったようです。カミーラさん。素晴らしいですね!

 映画館の無料イベントを装って少女達(映画泥棒はあかんよ)を集め、バーチャルホラー映画を上映……と見せかけて、実は少女達が見ている映像は、実際に自分の身に迫っている吸血鬼の姿。
 これはなかなかスリリングで面白い仕掛けでしたが、せっかくなので、もっと本格的にシナリオに組み込んでほしかったところです。
 しかし、そこから吸血鬼が次々と感染し、残されたねこ娘とまなが映画館内で吸血鬼相手に攻防を繰り広げるという、ちょっとしたB級ホラー的なノリは、結構好物。
 ていうか、ねこ娘が読んでいたチラシの煽り文句からして、B級ホラー映画丸出しでしたからね。舞台が映画館だった点も含めて、きっと今回のエピソード自体が、そういうコンセプトだったんでしょうね。
 あとねこ姉さん、痴漢対策バッチリすぎ(笑)。

 ちなみに吸血鬼の感染といえば、原作では「まぼろしの汽車」や「吸血鬼(キーエフ)」といったエピソードで、やはり同様のネタがありました。しかし意外にも、元祖西洋妖怪軍団の一員であるドラキュラは、これらのエピソードには一切絡んでいません。
 そういう意味では、今期でドラキュラポジションとして起用されたカミーラが感染ネタをやったのは、他の西洋妖怪達にも見られる「原典重視」の法則に従っていると言えそうです。

 そんなカミーラの戦闘能力は、無数のコウモリとなって闇に紛れ、敵を切り刻むこと。
 圧倒的なパワーを見せつけたヴォルフガングやアデルに比べると、ややおとなしめにも思えますが、指鉄砲で胸を貫かれても決して死ぬことがなかったところを見ると、やはり太陽の光なり何なりを浴びせないと倒せない、厄介な相手なのかもしれません。
 あるいは、無数のコウモリに変じた時に、ただ一匹だけ本体が紛れていて、それが弱点……とか? これだと、「だるま」ですね。
 果たして、今後控えているであろう本戦が、どうなるか。期待したいところです。

 ……まあ、兎にも角にも、今回の一番の見所は、まなちゃんのねこ姉さんコスプレだった気がしなくもなく。お化けの仮装だから、ハロウィン的にも間違ってないしね!
 ああ、それとアニエスさん、ちゃんと魔法で食べ物出せるじゃん。


 というわけで、今週は小休止気味ということで、ここまで。
 さて次回は……って、このタイミングで「小豆連合軍」やりますか。
 ということは、次回も大戦争は小休止かな?
 ではまた。

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第29話『狂気のフランケンシュタイン』 感想

 フランケンと言いつつ、ハルクかと思いきや、キングコング。


 今回は百合回アニエスとまなちゃんの友情物語。
 前回の「ただし――」から案の定鬼太郎に拒絶され、ゲゲゲの森に留まれなくなったアニエス。彼女はひとり訪れた人間の町で、ひょんなことからまなちゃんに出会い、懐かれてしまいます。
 初めは突っぱねようとしたアニエスですが、持ち前のフレンドリー精神を発揮したまなちゃんには効かず、ついでに箒(犬っころみたいだけど絶対中身は百合オタに違いない)に文字どおり背中を押され、そのまま彼女の家にお泊まりコース。
 ただし深夜帯ではないので、二人でのお風呂シーンは省略……って、鬼太郎と花子さんは混浴したのにな。なぜじゃ?
 そしてまなちゃんのパパさんはめっちゃ娘コンプレックス。こりゃいずれ、まなちゃんが結婚する時揉めそうですわ。

 そんな団欒の一方で、アニエスは自分の家族のことを語りたがらず……。その理由は、今回の冒頭で垣間見ることができました。
 ……なぜアニエスは、ベアードに反逆したのか。
 ……なぜアニエスは、ベアードに従う姉アデルを憎むのか。
 ……なぜアニエスとアデルの母は、亡くなったのか。
 すべてが、朧げながら繋がった気がします。
 ついでに言えば、どうやらアルカナの指輪は、魔女だけが使えるアイテム……ということになるのかな? まあ、こちらはただの予測なので、いずれ詳しいスペックが明かされた時にでも、答え合わせと行きましょう。

 ……家族にまつわる辛い記憶に加えて、ゲゲゲの森での惨劇の影響もあったせいでしょう。アニエスは朝を待って、自らひっそりと、まなの家を去ります。
 自分がここにいたら、まなに迷惑がかかるから。黙って出ていったせいで嫌われたとしても、それは仕方ないこと――。そんな気持ちを抱いて背を向けるアニエスに対して、しかしまなは決して拒絶することなく、アニエスを追います。
 ……が、そこへ突如変態ヴィクターが乱入! まなとアニエスのピンチに駆けつける鬼太郎達! しかしヴィクターはまなをさらって逃走!
 ――からの、友情パワーに突き動かされたアニエスの大奮闘!
 この国で初めてできた――そして、決して自分を見捨てなかった――大切な友達。そんなまなを取り戻すため、アニエスは大空を駆ける!
 いやあ、熱い展開でした。ヴィクターへのとどめ(死んでないけど)を鬼太郎に譲らず、ちゃんと自分の手でまなを奪還したところも含めて、今週のアニエス(とまなちゃん)には二重丸を捧げたいです。
 何より女の子同士の友情ってのがいいですね! ←これはただの趣味

 かくしてアニエスは鬼太郎に認められ、新たな居場所として、妖怪アパートに厄介になることに。
 第六期のアパートは人間の町にある……という設定が、ここで生きてくることになるとは。仕込みはバッチリってわけですね。
 来週からも素敵な百合友情を期待しています!


 ……でまあ、今週はこれだけでいいはずなんですけど、せっかくサブタイになっているヴィクターさんを無視するわけにもいかないので、彼についても言及をば。
 彼のフルネームは、ヴィクター・フランケンシュタイン。もちろん今期の西洋妖怪軍団におけるフランケン枠です。
 フランケンシュタインというのは、これはホラーファンならご存知のかたも多いでしょうが、実は怪物(いわゆる人造人間)の名前ではなく、その怪物を作った科学者の名前。したがって「フランケンシュタイン」と言えば人間であり、「フランケンシュタインの怪物」と言えば人造人間を指す――というのが基本です。
 ただ、水木先生の原作では、そのような厳密な呼び名は用いられておらず、「フランケンシュタイン」がそのまま妖怪の名前になっています。まあ、これは水木作品に限らず、当時の児童向け媒体全般に言えたことかもしれませんが――。
 ともあれそんなわけで、過去のアニメ版鬼太郎でも、「フランケンシュタイン」という妖怪は、フランケンシュタイン博士が造った人造人間をモチーフにしたキャラクターとして統一されていました。
 ……ところが今シーズンでは、その辺のイメージがガラリと変更されています。
 ざっくり説明すると――。

・人造人間を作った科学者であるフランケンシュタイン。
・人造人間であるフランケンシュタイン。

 前者は厳密な呼称。後者は、後世に広まった俗称。
 しかし第六期のヴィクター・フランケンシュタインは、何とこれらのハイブリッドとして設定されています。
 前回のエピソードでは、彼は自ら造り上げたクリーチャーを従えて、ゲゲゲの森を襲撃しました。言わば科学者としての顔で行動していました。
 しかし今回は、泣きじゃくることで巨人のような体躯の本性を現すという、新たな能力を披露。変身後の彼は、まさに人造人間としてのフランケンシュタインに近いイメージになります。
 このようなハイブリッド型のフランケンシュタインが登場するのは、もちろん鬼太郎作品では初となります。
 もっともフランケンに限らず、今期の魔女、狼男、吸血鬼といった西洋妖怪の面々は、いずれも本来の伝承や原典、さらにそこから発展して娯楽作品(映画・文芸・コミック等)で定着した要素が、意図的に多く取り入れられているように思います。おそらく、過去作との差別化のためでしょう。

 ……と言いつつ、変身したヴィクターはどう見てもハルク。何でやねん(笑)。
 しかも、まなちゃんをさらって都庁の天辺に行った辺りからは、完全にキングコングのオマージュでした。さらに何でやねん。
 ちなみに彼の結婚ネタは、メアリー・シェリーの原作及び、映画「フランケンシュタインの花嫁」を基にした……と考えてもいいのですが、単にヴィクターが変態だからかもしれません。分かりません。
 何なんだ、あの全自動ペロペロマシーンは……。


 さて、次回の敵はカミーラ。時季的なこともあって、どうやらハロウィンと絡めてくるようです。
 西洋妖怪には一番ピッタリなネタですね。楽しみにしています。
 ではまた!

テーマ : ゲゲゲの鬼太郎
ジャンル : アニメ・コミック

tag : ゲゲゲの鬼太郎 水木しげる 妖怪 アニメ

ゲゲゲの鬼太郎第6期・第28話『妖怪大戦争』 感想

 西洋妖怪編・第二回。
 アニメ墓場鬼太郎ネタの「誰が政治しとるのか!!」(byねずみ男)からスタートする今回は、西洋妖怪軍団が本格的にゲゲゲの森を襲撃。緑溢れる大自然が炎に包まれ、地獄のような、まさに「戦場」と化しました。
 ヴィクター博士が造った変なクリーチャーにムシャムシャされる岩魚坊主さん達が哀れ。しかし岩魚坊主、いっぱいおるんやな。川の主なのに……。

 ただ、ヴィクターにしろカミーラにしろ、まだその活躍ぶりは、きちんと描かれてはいませんでした。そちらは今後のお楽しみ――ということでしょう。
 今回は、前回から引き続きヴォルフガングと、加えて魔女アデルがメイン。満月の力で銀の弾丸すら通用しなくなったヴォルフガングと、魔法石を駆使して縦横無尽に魔法を展開するアデル。どちらも絶望的なほどの強敵で、しかも肝心の鬼太郎は、アニエスに植えつけられた膨大な妖力を制御できずに、戦闘不能状態。当然日本妖怪勢は大苦戦するわけですが――。
 そこから鬼太郎が覚醒し、強敵二人を相手に問答無用のワンサイドゲームを叩きつける!
 いやぁ、お約束と言えばお約束ながら、やはりこの手の大逆転劇は爽快感がありますね。

 しかし、これほど有利な状況になりながら、そこへベアードが出現したことで、またも形勢は逆転。
 上空から眼力を発揮しただけで森を炎上させるという、凄まじいにも程がある実力を見せつけたベアード。何だかシーズンを重ねるごとに、どんどんパワーアップしている気がします。もう第三期の全エネルギー砲が可愛いレベルです。
 幸いアニエスがアルカナの指輪を発動させたことで、西洋妖怪軍団は撤退しましたが、彼らのヤバさはしっかりと視聴者の脳に刻み込まれたことでしょう。

 ……かくしてゲゲゲの森に甚大な被害をもたらした、妖怪大戦争。
 当初、耳長達への贖罪の意識からアニエスをかくまおうとした鬼太郎ですが……彼が最後にアニエスに告げた台詞は、いったい何だったのか。
 答えは、来週アニエスが人間の町に出ているところから、自ずと見えてきそうな気がします。


 最後に、今回のサブタイトルである、「妖怪大戦争」について。
 原作では日本妖怪と西洋妖怪の死闘を描いた大長編の名であり、言わば西洋妖怪編を象徴することになるはずだった、このタイトル。しかし、その西洋妖怪編のわずか第二回、敵は半ば顔見せに近く、戦いも絶望感溢れたものだった今回、なぜ敢えて「妖怪大戦争」という題が付けられたのか――。
 おそらくは、戦争というものが持つ悲惨さを表すためだった……と考えられるのではないでしょうか。

 今回のエピソードは、まさに「悲惨」でした。あれほど豊かだった森が燃え、多くの妖怪が傷つき、命を落としました。
 そもそも原作の「妖怪大戦争」でも、一反木綿、ぬりかべ、子泣き、砂かけの四人が、無残にも西洋妖怪に殺されてしまいます。当時まだレギュラー陣でなかったとは言え、彼らを明確に「戦死者」として描いたのは、やはり水木先生の体験がもたらした戦争観ゆえだったのではないでしょうか。
 水木先生にとって戦争とは、ご自身が兵隊として経験されたからこそ、まさに「死」以外の何物でもなかったのでしょう。
 妖怪大戦争――。この五文字は、一大娯楽としてのロマンを帯びていると同時に、実はとてつもなく重々しいものでもある……ということかもしれません。


 さて次回は、ヴィクター・フランケンシュタインにスポットを当てたエピソードになる模様。
 ……と同時に、ついにまなちゃんが参戦。目的のために手段を選ばない(選ぶ余裕がない)アニエスに、まなちゃんはどのように接するのか。そして、そんなまなちゃんを相手に、ヴィクターは何をしてくれやがるのか。
 いろいろなものを期待しながら待ちたいと思います。
 ではまた!

テーマ : ゲゲゲの鬼太郎
ジャンル : アニメ・コミック

tag : ゲゲゲの鬼太郎 水木しげる 妖怪 アニメ

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