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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第87話『貧乏神と座敷童子』 感想

 明けましておめでとうございます。
 今年もよろしくお願いいたします。

 さて、今回の原作は……原形はほとんどありませんけど、「笠地蔵」ですね。
 鬼太郎達が地蔵に扮して、心優しくも貧しい老夫婦に、正月の餅や注連飾りを贈るお話です。ベースになっているのは、もちろんお馴染みの昔話「笠地蔵」。で、このエピソードにゲスト妖怪として登場するのが、ざしきわらしです。
 ここでのざしきわらしは何か特別な力を持っているわけではなく、ただ老夫婦の貧しさに見かねて、二人を助けるべく、鬼太郎達に相談するという役回りでした。
 バトルの一切ないおとなしい話ながら、そのおとなしさに美しい雪景色が相まって、不思議と印象強く残るエピソードになっています。

 で、アニメ版鬼太郎では、この「笠地蔵」が年末年始の定番として、毎回映像化されてきました。
 と言っても上述のとおり、もともとが穏やかな話なので、アニメ版では「妖花」同様、常に改変の対象になっています。
 基本的にはオリジナル展開の導入に加えて、第一期以外では必ずゲスト妖怪の追加や変更が為されてきました。第三期は貧乏神、第四期は狐と一本だたら、第五期はいそがし――といった具合い。中にはざしきわらしが登場しない回もあります。

 そして今回の第六期バージョンは、第三期以来の貧乏神登場となりました。
 もっとも、ストーリーの内容は完全に「笠地蔵」から離れていたので、一見すると「笠地蔵」なのかアニオリ回なのか分かりづらいですね。ただ、座敷童子の存在に加えて、綾と童子の出会いのきっかけが地蔵のお供え物だったこと。また、時々意識的に挟まれていた地蔵のカットから、やはり「笠地蔵」がベースになっていたものと推察できます。
 その中で貧乏神は、座敷童子とは対となる存在として描かれました。ただし第三期のような敵役ではなく、人間の邪な欲望を抑えつけるストッパーとしての役割を担っていたのが面白いところ。この点、富をもたらすことで人間の心のタガを(童子自身が望まぬまま)外させてしまう座敷童子とは、やはり対照的だったわけです。
 もっとも、どちらも悪意のない妖怪だったのが救いですね。今回は全体的に寓話的な要素のあるコメディとして描かれていたので(喫茶店からショッピングモールに成長するまで、大袈裟なぐらい早かったしね)、座敷童子と貧乏神、両者の性格付けも妥当だったのではないでしょうか。

 それにしても――やはりこの「人間の欲望」というテーマを掲げた回は、たとえそれがオリジナル展開であっても、だいぶ水木感が増した仕上がりになりますね。
 第二期で映像化された『「幸福」という名の怪物』を始め、人間の欲望の際限無さを描いたストーリーは、やはり水木先生の得意としてきたところ。思えば実写版ドラマ「水木しげるのゲゲゲの怪談」の「妖怪枕返し」なんかも、内容は原作からだいぶ改変されたのに、この「欲望」というテーマがきちんと盛り込まれたことで、だいぶ水木ワールドに馴染んだものになっていました。
 今回の第六期版「笠地蔵」もそこは同様で、良き家族だったはずの綾の家庭が、座敷童子のもたらした富によって、あっという間に誤った方向へ暴走していく――という様が、(水木ワールド的な意味で)ごく自然に納得できるものになっていました。

 もっとも、実は綾の両親には、かつて悪徳実業家だったという「前科」があって――という展開は意外でした。なるほど、ここでプロローグに繋がるわけですね。これは上手い。
 まあ、綾にして見れば、いきなり「お前の両親はもともと悪人だったんだ」という事実を突きつけられたわけですから、相当ショックだったんじゃないかと思いますが……。
 そんな綾の悲痛な叫びとともに炸裂する、893の巨大ライター。いや、そのライター何なんだよって感じですが(笑)。
 億単位の金を焼却処分するという豪快なリセット手段に、こいつはリアルでやったら一家崩壊だなぁ……なんてハラハラしながら見ていましたが、さすがに第六期と言えども(?)今回のエピソードではそのようなこともなく。ようやく両親も自分達の過ちを思い知り、綾の一家は貧しくとも幸せな生活を取り戻す――というハッピーエンドを無事迎えたのでした。
 「お金よりも家族の絆が大事だよね」という、ある意味定番の結末ではありましたが、楽しく、テンポよく見れたのは、やはりコメディ回ならではだったと思います。

 それにしても……座敷童子のやつれ顔が、原作のキャラデザに妙にマッチしてて笑えます。
 そういや死神と同じような顔つきしてますな。原作のざしきわらし。


 というわけで、今回はここまで。
 次回は……オリジナル回ですかね?
 一反木綿が主役のようです。そう言えば第六期での主役エピソードは初なのかな?
 ではまた!

テーマ : ゲゲゲの鬼太郎
ジャンル : アニメ・コミック

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第86話『鮮血のクリスマス』 感想

 鮮血要素どこよ。

 はい、今回の原作は「夜叉」。60年代マガジン版初期のメジャーエピソードですね。
 ギターの音色で人の心を惑わし魂を奪う夜叉。しかしその姿は仮初であり、本体は髪の毛の方だった――という展開が、原作からのお約束になっています。

 この「夜叉」のベースになっているのは、貸本版「墓場鬼太郎」の「下宿屋」というエピソード。
 ここでは夜叉は吸血鬼の一種として登場し、同じ吸血鬼である魔人ドラキュラ四代目と、獲物(人間)を巡って死闘を繰り広げました。言わば二人は宿敵同士だったわけです……が、面白いことにマガジン版では、このドラキュラが夜叉の人間態としてキャラデザを流用されていたりします。
 また貸本版の夜叉は、髪の毛状の体を人前に現せないため、鬼太郎の魂を奪って支配下に置き、傀儡として利用していました。
 夜叉に操られた鬼太郎は、バイオリンの音色で人間達を惑わし、誘い出して夜叉の餌食にしました。この辺りの要素が、「霧の中のジョニー」(「吸血鬼エリート」のベースになったエピソード)と結びついて、マガジン版ではギターに置き換わったものと思われます。
 ……とまあ、あれこれ解説してみたものの、やはりこの辺は実際に原作を読んでいただくのが一番ですね(笑)。
 もし未読のかたは、これを機にぜひ。

 で、こんな事情を踏まえての第六期バージョン。
 タイトルに「鮮血」とあることから、もしや貸本版準拠の夜叉になるのか――と内心期待していたのですが、特にそういうわけではありませんでした。
 いや、本当に鮮血要素どこにあったのよ。もしかしてアレですか。最初は吸血妖怪として登場させるつもりだったけど、放送コードとか、あるいは西洋妖怪編とのネタ被りとかの理由で、精気を吸う妖怪に急遽変更された――みたいな事情でもあったんでしょうかね。
 何にしても、今回はホラー回だったようです。公式ツイッターを見る限り。

 ……うーん、しかしホラー回だったかと聞かれると、だいぶ難しい気もします。
 過去の歴代アニメ版「夜叉」と比べても、妖しさや不気味さといった空気がほとんど感じられませんでした。
 どちらかと言えば、怪サンタに延々と追われる様を描いたサスペンスですね。いや、べつにサスペンスそのものが悪いってわけじゃなくて、サスペンスはサスペンスで見せ方さえ上手ければ充分怖くなるはずなんですが……。
 うん、残念ながらそこまでの域には達していなかったっていうか。なんか全体的に冗長だった気がします。
 何より舞台が常に真っ昼間ってのが微妙でしたね。怪サンタがうろついてても怖くない。ていうか、せっかく夜のシーンが映えるクリスマス回でホラーをやるのに、なぜ真っ昼間の話にしてしまったのか。
 あと、自販機の裏に隠れるシーン。まな達とサンタの位置関係が分かりにくかったので、緊張しようにもしきれませんでした。

 思うに、やはり演出の問題でしょうね。
 これまでのエピソードを振り返れば分かるとおり、第六期はホラー演出にかなり力が入っていて、心置きなく恐怖に没頭できるのが良かったんですが……。
 なぜか今回はだいぶレベルダウンしていたという。何でやねん。(^^;
 いや、ホラー描写だけでなく、ねこ娘が夜叉を切り刻むシーンや、事件が終わった後の鬼太郎宅でのやり取りもだいぶ冗長でしたし……。
 今回に限っては、一話分まるまるグダグダだったなぁ、という印象が強く残ってしまいました。

 ちなみに、原作にあったギター要素はありませんでしたね。
 吸血鬼エリートとのキャラ被りを避けるためでしょうか。まあ、サンタがギター持ってても変なので、これはやむ無しかもしれません。


 というわけで、だいぶしょんぼり感漂ってしまった「夜叉」でしたが、今回はここまで。
 次回は……「笠地蔵」かな? 年末年始の定番ネタなので、そうかもしれません。
 ではまた。よいお年を!

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第85話『巨人ダイダラボッチ』 感想

 今回の原作は「ダイダラボッチ」。サンデー版の中でもメジャーなエピソードです。
 ダイダラボッチを崇める教団の手によって巨人のパーツが次々と復活し、合体して日本国土を食らい始める――。目玉の片側ですら強大な力を持つこの妖怪に、鬼太郎は脳を直接攻撃するという方法で立ち向かいます。
 過去のアニメ版では、リモコン手が活躍する貴重なエピソードとなった第二期や、今回同様ぬらりひょんが絡んだ第三期のものが印象強く残っています。
 あと個人的には、PS2のゲームソフト「ゲゲゲの鬼太郎 異聞妖怪奇譚」で、パーツ単位で苦しめられた記憶が(笑)。

 で、今回の第六期版は、門倉という人間キャラをゲストに迎え、「妖怪と人間の対立」という第六期ならではのテーマを絡めながらも、原作の要所要所を忠実になぞったものになりました。
 ねずみ男によって奈落に落とされる鬼太郎や、鍵を奪う一反木綿など、原作を知っているとニヤリとできるシーンがいくつもあったのが嬉しいです。
 一方で、原作にあったボッチ教の信者は、七人同行という妖怪に置き換えられていましたね。
 七人同行自体は水木先生の妖怪画にもあるキャラクターですが、アニメ版での姿は妖怪画のそれとは異なっていました。どちらかと言えば、原作や第三期のボッチ教信者のイメージに合わせた姿であり、敢えて視聴者のミスリードを誘う形になっていたと思います。
 ちなみに第五期では、七人同行と似た妖怪である「七人ミサキ」が、ゲスト妖怪として登場したことがあります。余談。

 あと原作との相違点としては、やはりぬらりひょんですね。
 上にも書いたように第三期にも同様の展開がありましたが、今回目を引いたのはむしろ朱の盆。
 ……いやぁ、強かったですねぇ。公式サイトにも戦闘力が高いと書かれていましたが、確かに。下駄を軽々と弾き、毛針をものともせず、チャンチャンコパンチすら口でガッチリ受け止める――。
 旧作のイメージから一転して武闘派になった朱の盆。このまま必殺の指鉄砲すらも下せる……かどうかは分かりませんが、今後なかなかの脅威になりそうです。

 一方、もう一つの相違点として挙げられる門倉。
 ダイダラボッチに憧れて学問の道に進み、しかしそのダイダラボッチにとどめを刺すことになる――。
 人間と妖怪の共存を夢見る彼に突き付けられた辛い試練。なかなかに切なかったです。
 とは言え、彼の想いが鬼太郎の心を強く動かしたのも事実でしょう。
 「人間と妖怪の共存」という夢が、この第六期最終章でどこまで実現するかは分かりませんが、少しでも明るい結末に向かってほしいと思います。

 というわけで、第六期版「ダイダラボッチ」。
 面白く視聴させていただきました。


 さて次回は――。
 これは……もしや「夜叉」!?
 ついに来ますか! しかも結構ホラーっぽい?
 楽しみにしています。ではまた!

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第84話『外国人労働者チンさん』 感想

「俺の怒りを抑え込むもの、もう何もない!」(全裸)
↑やだ何これかっこいい。


 今回はアニメオリジナルエピソード。
 鬼太郎シリーズに登場するゲスト妖怪の中でも妙に知名度の高い、南方妖怪チンポをメインに据えた話でした。

 ちなみに原作でのチンポ(キャラ名)は、「鬼太郎の世界お化け旅行」シリーズに登場するキャラクター。ドラキュラを始めとした世界の妖怪達が別荘を構える南の孤島に住む、現地の妖怪です。
 素直な性格ながらお金が大好きなようで、報酬さえチラつかせれば簡単に誰の味方にでもなるという、困ったところがあります。当初はドラキュラに金で雇われて鬼太郎達を襲撃しましたが、後で一反木綿やねずみ男にも(金目当てで)協力しました。ある意味中立ではありますね。
 そして何よりの特徴は、チンポ(普通名詞)が3つ付いていること。この普通名詞から一気に小便を噴射し、ホバークラフトのように空を飛ぶことができます。またそのオナラも凄まじい爆発力を秘めており、ねずみ男ですら感心するほどでした。
 ……とまあ、全力で下ネタに突っ走ったキャラクターではありますが、あくまで水木先生の考えたオリジナル妖怪です。

 で、この「世界お化け旅行」シリーズ。どちらかと言えば鬼太郎作品の中でもマイナーなものだったため、この南方妖怪チンポも、あまり日の目を見ることはない……はずだったのですが。
 その運命が大きく変わったのは、アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」第三期。その記念すべき劇場版第一弾に、彼はまさかのゲスト出演を果たし、知名度を一気に上げることになりました。
 もともとこの劇場版第一弾は、「妖怪軍団」を原作としたエピソードでした。「妖怪軍団」は、南方からやってきた妖怪解放軍のメンバー、アカマタ&やし落としが敵として登場する話。しかしアニメ劇場版ではこの二人に加えて、さらに新たな南方妖怪が追加されました。
 まず一人目は……というか劇中では二人一組でしたが、沖縄の妖怪・キジムナー。妖怪図鑑からの起用ですね。
 そしてもう一人が、この南方妖怪チンポでした。
 当時のスタッフが、数ある妖怪キャラの中から敢えてチンポを登場させたのは……やはりインパクト重視だったのでしょうか。しかもどういう風の吹き回しでか、このチンポ大先生、よりにもよって南方妖怪軍団のボスポジションに就くという大出世ぶり。
 ……と言っても、いわゆるラスボスポジションではなく司令塔役に留まり、最後は拠点である船が破壊されたため、やむなく南方に帰っていきました。
 しかし彼が一番インパクトを残したのは、この帰還シーン。手を組んでいたぬらりひょんとボートの奪い合いになった結果海に落ち、そこから原作どおりの三連小便ホバークラフトで洋上を飛んでいくという――。いや、本当に作中での彼の活躍シーンはこれだけだったのですが、もうこのホバークラフトでオチをすべて持っていった感じでした。
 もっとも、その後第三期で妖怪チンポが再登場することはなく、彼の伝説は終わったかと思いきや……。

 第四期。南方妖怪チンポは再びスクリーンに帰ってきました。
 舞台はまたも劇場版第一弾。今回は「大海獣」と「妖怪軍団」をミックスしたエピソードにて、第三期と同様、アカマタ、やし落とし、キジムナーとともに南方妖怪軍団を結成して、再び姿を現しました。
 もっともここではリーダーの座をアカマタに譲り、自身はあくまでメンバーの一員に留まっていました。飛行能力もありましたが原理はホバークラフトではなく、三連チンポ(普通名詞)は火炎弾を放つ武器としてのみ使用されました。
 ……いや、そこから火を噴くのも大概だとは思いますが(笑)。
 ただ――あいにく彼が原作どおりにフリチンでいられたのは、これが最後だったのです。

 続く第五期。やはり南方妖怪軍団の一員として、彼は帰ってきたのですが――。
 名前は「ポ」に改められ、外見や能力も含めてチンポ(普通名詞)要素はまったく残っていませんでした。
 ……ええ、放送コードとかいうやつのせいです。
 もうね、第五期放送当時、この妖怪の名前がテレビで出せなくなったと知った時の衝撃たるや。ちょっとショックで呆然としちゃいましたよ。思えばアニメ版「墓場鬼太郎」でも、高僧チンポが「高僧トムポ」に改められていましたしね。世知辛いなぁと思った次第でした。
 ちなみに第五期の南方妖怪軍団ですが、キジムナーが妖怪横丁の住人になっていたため不参加。ってことで、アカマタ、やし落とし、の三人に加えて、「血戦小笠原」に登場するランスブイルとアササボンサンが加わり、総勢五人となりました。リーダーはランスブイルでした。

 ……と、ここまでおさらい的に振り返ってみると、やはり第三期で残したインパクト故に、妖怪チンポは南方妖怪軍団の一員として欠かせない存在になった――と言えそうです。
 もともと「妖怪軍団」とは無関係のエピソードに登場する、どちらかと言えばマイナー妖怪だった彼が、いつの間にか鬼太郎シリーズの名物キャラクターになっていたという……。いやぁ、そう考えると感慨深いものがありますね。

 で――そんな感慨も踏まえ、ついに今回、第六期にも南方妖怪チンポが本格的登場!
 しかも南方妖怪軍団じゃなくて、ソロで! 何でだ!(笑)

 まあ、OPでは綱引きのシーンでお馴染みでしたが、まさか本編でここまで大々的にフィーチャーされる日が来るとは思いませんでした。
 何より、名前も股間も原作どおりというのが嬉しいですね! 放送できないからギリギリで隠してたけどね!

 というか、むしろこの隠し方を楽しむエピソードになっていましたね。
 ストーリー自体はチンさんとまなちゃんの友情物語で、そっちはそっちで心温まる話になっているんですが、要所要所で入る「ポ」隠し&股間隠しで笑いを誘うという。
 一番アレだったのはサボテンですね。何だよあの形。もろ三連普通名詞じゃんよ(笑)。
 ただ、丸出し中のチンさんを見た人が、「三つ付いていること」に誰も触れてないので、ひょっとしたら三つ付いてるネタはオミットかなぁ、と思ったら――。

 はい頂きました、虹三つ!
 小便ホバークラフト、最後の最後でやってくれた(笑)。
 しかもなんかきれいな光景として扱われてるし。うん、見せ方って大事ね。
 でも原作~旧アニメ版のチンポを知らない子に伝わったのかな。いや、伝わらなかったとしたら、まなちゃんと同じ感覚を共有できたってことで、それはそれでいいのかもしれませんね。たぶん。

 それにしてもまなちゃん。倉庫でついに見たんじゃないかな。全裸。
 いや、あの状況なら見てもなお動じないっていうのもまなちゃんらしいし、その可能性が高いんだけど、さすがに三つ付いてるの見てノーリアクションってのも不自然だから、実は見えてないんじゃないかなぁって気もするし。どっちだろう。気になる。いや、どうでもいいんだけど。
 ちなみにねこ姉さんは真っ赤になって逃げてましたね。乙女やね。

 ……と、下ネタばかりに目が行きがちですが(実際下ネタがメインなんですが)、一方で今回は、外国人労働者から搾取する悪徳企業の問題、そして前述のとおり、チンさんとまなちゃんの友情もまた、大きな要素になっていました。

 悪徳企業については、「外国人技能実習生が奴隷同然である」という社会問題がベースになっていた感じですね。もちろん実情については企業ごとにケースバイケースでしょうが、何かと話題になったのは間違いありません。
 もっともこの手の悪徳企業は、現実には、あくまで低賃金で使える労働力を求めた結果外国人技能実習生に行き着いたってのが基本なので、従業員の国籍で差別しているわけではないように思います(そもそも日本人従業員相手でも、法の抜け道さえあれば容赦なく奴隷にするでしょう)。
 だから作中にあったように、一般従業員の枠の中で日本人が外国人をいじめているってのは、やや過剰演出に思えました。まあ、ご時世がご時世だけに、こういうのは少し気を使わないといけない部分ですからね。
 ともあれ、そんな悪徳企業に入ってしまったチンさんが、怒りのフルヌードから無双するという流れ。これはある程度読める展開ではありましたが、やはり悪人に鉄槌を下すシーンはスカッとしますね。

 ……と、そんな殺伐とした空気を癒すのが、散々繰り返される下ネタと、まなちゃんだったりします。
 いや、実際下ネタとまなちゃんの温かさがなかったら、だいぶ胸糞なエピソードになっていたと思います。その点、今回はしっかりとバランスが取れてたんじゃないかな、と。
 相手が南方妖怪だからと、ちんすこうをプレゼントするまなちゃん。気が利いてるのかズレてるのか。いや、もしやこれも「チン」ネタか?
 そして、まなちゃんのタオルを俺も巻きたいとか考えたヘンタイは猛省してください。はい猛省します。

 そんなまなちゃんと友情を育んだチンさんが、爽やかに旅立っていくラスト。
 強烈な下ネタがオチとして仕込まれていた――というのは前述のとおりですが、それでもスッキリと気持ちのいい結末でした。
 うん、楽しいエピソードでした。良かったです。

 最後に、水木ファン向けに仕込まれていた小ネタの紹介。
 作中に登場した外国人労働者のパウロさん。実は「パウロ」というのは、水木先生が戦時中にラバウルで仲良くなった現地のかた達から呼ばれていた名前です。
 何でもその村では、聖書から引用した別名をみんなが使っていて、水木先生にもそれを付けてくれた――とか。

 それと、チンさんのお給料、2200円。
 これ、初見では気づかなかったんですが、後で「世界お化け旅行」を読み返して気づきました。
 原作の中でチンポが、目を悪くしたドラキュラからの依頼で目玉親父を(移植用の目玉として)誘拐した時に、目玉親父の買い取り額としてドラキュラから渡されたのが、この2200円でした。実は原作ネタだったんですね(笑)。
 ちなみに、最初にドラキュラが渡したのは2000円でしたが、さすがに安すぎたためチンポが文句を言うと、200円上乗せされてこの額になったという……(笑)。
 そしてチンポはこの直後、一反木綿から2万円で買収されて、目玉親父奪還に協力しました。お金大好き。


 さて次回は、「ダイダラボッチ」!
 パーツ単位で脅威という、スケールのでかさが魅力の敵ですね。
 いったいどんな話になるのか、楽しみにしています。
 ではまた!

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第83話『憎悪の連鎖 妖怪ほうこう』 感想

DQN「俺らが迷惑行為働いたのは全部タクミのせい」
爺「むかついたから樹を切るけど悪いのはタクミだからな」
ほうこう「マジかよタクミKOROSU!」
鬼太郎「正直タクミ助けたくない」

タクミ「樹の写真撮ってネットに上げただけなんですけど?(絶望)」


 はい、今回の原作は「妖怪ほうこう」。60年代マガジン版のエピソードながら、これまであまりアニメ化されてこなかったことでお馴染みの一本です。
 過去にアニメ化されたのは、第一期と第四期のみ。原作のほうこうは、地水火風に分かれて戦う上に結構強敵という、なかなかバトル映えするキャラなので、もっとフィーチャーされていいと思うんですけどね。
 ……ああ、そういえばファミコンの「ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境」の8面のボスがほうこうでしたね。まあこれは余談。

 で、今回三度目の映像化となった「妖怪ほうこう」。
 樹の妖怪という設定をベースに、「自分の樹を切られて怒り復讐しようとする」という、ある意味定番の要素を与えられたほうこうが、相変わらず板挟みな鬼太郎とバトルを繰り広げることになりました。
 作中の回想シーンにもありましたが、この構図は「泥田坊」の時に近いものがありますね。
 そしてタイトルに「憎悪の連鎖」とあるとおり。老人の憎しみによって樹が切られ、それがほうこうの憎しみを生み、次々と人間達に振りかかる。果ては無差別火災に、鬼太郎とほうこうの死闘――と、最後まで敵対心と憎しみと絶望に満ちた30分でした。
 いやぁ、憎悪って怖いですねぇ。

 ……なーんて、きれいにまとめられるわけがない(笑)。
 うん、なんかいろいろとおかしかったですよ、今回。

 まずタクミ。何も悪いことしてないよね。
 DQN。タクミのせいにしてるけど明らかにお前らが悪いよね。
 爺。木を切ったのはあんただよね。あとほうこうにタクミが無実だって説明しないで逃げたよね。
 ほうこう。そもそもタクミが悪いってのが誤解だよね。
 鬼太郎。もう完全にタクミが悪者っていう前提でラストまで突っ走って、苦い顔して去ってったよね。

 うーん、何なんでしょうね。
 鬼太郎とほうこうが最後まで誤解しっぱなしのまま戦って、町が燃えてタクミが絶望して……。
 これはもう悲壮な話とかじゃなくて、ただひたすら根本から、ズレてる――としか。
 いや、ズレてたっていいんですよ。最後にちゃんとフォローがあれば。「本来なら生まれるはずのない憎悪がなぜか生まれ、暴走してしまった」とか。で、それを悔やんだり恐怖したり、そういう方向に持っていければ、この話はきちんとまとまったはずなんです。
 でも、何もなかったんですよね。単にタクミの絶望とともに終わっただけで。

 そもそもタクミがやったのは、憧れの樹の写真を撮ってネット上にアップしたという、ただそれだけのこと。
 はい、何一つ悪くないです。この写真のせいでDQNが群がったというなら、それはDQNが悪いのであって、タクミに責任を求めるのは完全にお門違いです。
 この点については、樹を守っていた爺さんも認めました。
 ただ、それを鬼太郎は、そしてほうこうは、理解していたのか。
 ストーリーの流れ的に、タクミが無実であることを鬼太郎が知る機会はなかったように思えます。仮に主人公補正で知ることができたとしても、それをほうこうに伝えないで死闘に移るってのは不自然ですからね。やはり最後まで知らなかったと見るべきでしょう。
 では、ほうこうの方はどうでしょう。終盤でほうこうがタクミと再会した時、ほうこうは彼が立派な青年になったことを褒めながらも、あくまで樹が切り倒された元凶として殺そうとしました。……自分が鬼太郎に倒されることも覚悟の上で。
 でも、実際のところタクミは元凶ではない。この時点でほうこうの怒りやら覚悟やらはすべて台無しになりますし、そのほうこうと戦った鬼太郎の苦悩と覚悟もすべて台無しになります。
 ついでにラストのタクミの絶望も、台無し……というか、そりゃむしろ絶望するわな。よく分からん悲劇がいっぱい起きて、それが全部自分のせいにされてんだから。

 逆に、もしタクミが本当に元凶だったとしたら、特にこのようなズレは生じなかったのだと思います。
 例えば本人に悪意がなくとも、社会常識に欠けた行為をネット上で披露してしまい、それに触発されたDQNを呼び込んでしまった――とか。
 そうならば、鬼太郎とほうこうの一連のやり取りにも無理は生じず、「考えさせられる後味悪い話」になったのでしょうが……。

 要約すると、
・タクミが善人なら、誤解から生まれた憎悪というテーマでまとめるべきだった。
・逆にこの結末なら、タクミにきちんと落ち度を用意すべきだった。
・なのにどっちつかずのまま、単に後味悪い方向に暴走しただけの話になってしまった。

 まあ、率直に個人的感想として申し上げれば、以上です。
 バトルシーンはかなり気合入ってて、第六期の中でも屈指のレベルだったんですけどねぇ。
 いや、「今回はつまらなかったね」とか「ここの部分はよくなかったね」とかじゃなくて、割とロジカルに全体マイナスを突き付けてしまうのは申し訳ないですが、まあ、そういうことで。


 さて次回は……何やねん、名前を言えない妖怪って(笑)。
 はい、チンポですね。チンポですよ。キャラ名だから堂々と書くけど、チンポです!
 まさかの単体ゲスト出演でしょうか。これは期待大。
 ではまた!

テーマ : ゲゲゲの鬼太郎
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tag : ゲゲゲの鬼太郎 水木しげる 妖怪 アニメ

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