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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第68話『極刑!地獄流し』 感想

 まさかの感動系だった! 意外!

 今回の原作は「地獄流し」。昭和マガジン版初期のエピソードですね。
 もともとのストーリーは、逃亡の末に鬼太郎の家に忍び込んだ悪党二人が、生きたまま地獄に流されてしまうというもの。まだ怪奇色が強かった頃ゆえの内容です。
 ちなみに、二人の男が地獄に流される方法は、それぞれ別。一人目は地獄への切符を手に入れてバスに乗ったところ、それが片道切符だったために帰れなくなる。二人目は鬼太郎を連れてドライブに出た結果、地獄に迷い込んでしまう――というものでした。
 これらの要素は、どちらも貸本版「墓場鬼太郎」で、すでに見受けられます。つまり、貸本版で複数あった地獄送りのネタを一つにまとめて、短編として再構成したのが、この「地獄流し」ということになりそうです。

 なお余談ですが、「鬼太郎を車に乗せて地獄に迷い込む」というネタは、後に意外な原作エピソードで再登場しています。
 週刊実話で連載された「野球狂の巻」がそれです。この話は基本的にドタバタ劇なのですが、最後の最後でまさかの地獄流しが炸裂するというオチ。しかも鬼太郎、この時酔っ払ってたし。
 個人的にも結構お気に入りのエピソードだったりします。たぶんアニメ化はされないでしょうが(笑)。

 ……さて、話をアニメ版の方に戻しましょう。
 冒頭でも触れたように、今回の第六期版「地獄流し」は、だいぶ意外な内容になりました。
 原作は、「悪人が鬼太郎の力で酷い目に遭う」という、言わば因果応報のエピソード。そのため従来のアニメ版も、概ねこの流れを汲んでいました。
 例外は第三期の「妖怪百目・地獄流し」で、こちらは地獄流しをおこなう妖怪百目を鬼太郎が倒すという、純粋なバトルストーリー。もっとも第三期には「謎の妖怪狩りツアー」という、「地獄流し」の要素を含んだエピソードも別にありましたが……。
 (余談ですが、この「謎の妖怪狩りツアー」、僕の手持ちの資料だけでは原作が特定できないんですよね。タイトルから察するに、ボンボン版の単行本未収録エピソードが使われたのでしょうか。その場合「地獄流し」の要素も原作から存在していた、ということに?)
 もっともこの例外を除けば、基本的に因果応報なんですね。第四期のように、二人の悪党を「救われる者」と「救われない者」に分けたケースもありましたが。(この第四期版「地獄流し」は秀逸でした。お勧め!)
 なので「ゆうれい電車」と同じく、きっと今回はホラーになるんだろうなぁ、と思っていたのですが――。

 いやぁ、完全に意表を突かれました。
 もちろん「ホラーじゃなかった」なんてことはなく、カケル青年が餓鬼に変貌して自分の体を貪り食らい、吐いては食い、吐いては食い――なんていう、朝アニメなのにかなり振り切ったホラー描写はあったわけですが(笑)。
 それでも、終盤の展開ですね。カケルが懸命にもう一人の男を助け、一枚しかない現世への切符を彼に譲ろうとしたところで、すべての真相が明かされる――。
 いや、ベタでしたよ。ベタでしたけどね。
 これがもう、心地いいほどに、じんわりと来ました。

 確かに最初から奇妙ではあったんですよね。
 カケルは強盗を働いたけど、死傷者を出したわけではなく、鬼太郎に喧嘩を売ったわけでもない。それが突然地獄流しに遭うというのは、旧作のセオリーから考えても違和感があったわけで。
 つまり鬼太郎は、最初から何らかの意図をもって地獄流しを仕掛けたのだ――という推測が成り立ちます。
 それが「改心を促すため」というのも、まあ、予想しようと思えばできます。一緒にいる男が何か特別な人間なのでは……というのも、同じく予想が可能です。
 ただ、そんな一連の深読みを遮ってしまうのが――上述の餓鬼化の描写ですね(笑)。

 カケルが辿り着いた餓鬼の村(原作「鬼太郎地獄編」シリーズに登場したもの)。そこで餓鬼から肉を奪い食らったカケルは、生きながら餓鬼と化します。
 餓鬼は常に飢え、満たされることがありません。食べては吐き、食べては吐きを繰り返す……。その様は、まさに食吐(じきと/餓鬼の一種)。しかも吐き出すのは、自分が人間だった時の頭。その頭が、今度は巨大な土蜘蛛と化し、カケルを襲う――。
 この現実とも悪夢ともつかない光景を前にして、あれやこれやと展開を推測するのも野暮ってものでしょう。というより、この後何がどうなるのか、予想できるはずもなく(笑)。
 あとはもう成るがままの展開に任せていました。
 ……ちなみに餓鬼化は顔を洗ったら治ったようです。何でやねん(笑)。

 そう言えば、ずいぶんと唐突に土蜘蛛が出てきましたが、これは芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を意識しての起用だったようですね。
 カケルが糸を登り始めたところで、まさかカンダタコースか……とドキドキしながら見守っていましたが、カケルはちゃんと強い心を持っていました。
 ちなみに土蜘蛛がアニメ版に登場するのは、第三期劇場版と第四期に続いて、今回が三度目となります。

 ともあれカケルは、そんな土蜘蛛に負けることもなく、同行者の男と二人で地獄の出口(?)へ向かうのですが――。
 ここから先に待ち受けていた結末についての感想は、すでに書いたとおりです。
 もっとも、途中にあった餓鬼化や土蜘蛛の襲撃などを踏まえるに、おそらくカケルの改心は、100パーセント保証されたものではなかったのではないでしょうか。
 カケルが登っていた「蜘蛛の糸」が何とも象徴的ですが、もしカケルが何らかの形で男を見捨てれば、鬼太郎はカケルを容赦なく地獄に置き去りにしたに違いない――。そんな気がします。

 ……もっとも、鬼太郎が個人の生死を自由に操作できるとなると、そもそも「地獄の四将編」の設定に矛盾が生じてしまいます。
 もしかしたら今回の「地獄」は、すべて鬼太郎がカケルに見せていた幻だった――。そんな考察も成り立つかもしれませんね。

 ともあれ、第六期版「地獄流し」。
 予想していたものとはだいぶ違う印象になりましたが、とても面白く堪能いたしました。


 さて次回は……鬼童!
 まさかの、このタイミングで来ましたか。
 つまり真打は玉藻前で、それが鬼道衆の郷を焼い(ry
 何にせよ、楽しみにしています。ではまた!

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ジャンル : アニメ・コミック

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第67話『SNS中毒VS縄文人』 感想

 今回の原作は「カモイ伝」。先週に引き続き、鬼太郎シリーズ以外の作品からの映像化です。

 ――山の中で未開の生活を送っていた「縄文人」を発見したサラリーマン(いつものメガネ出っ歯のあの人)。彼は、文明がいかに人間を幸福にしているかを教えるため、縄文人を東京に連れ出す。しかし実際そこにあるのは――「ほしがらせるだけで我慢する」を強いるテレビCM。通勤ラッシュ。解雇。税金。法律。恐妻……等々、恐ろしいものばかり。
 縄文人が叫ぶ「カモイ!(恐い)」の意味を知ったサラリーマンは、自身もまた「カモイ!」と叫んで縄文人とともに山へ戻り、二人でまったりと原始生活を送るのだった……。

 ……と、原作はそんな感じのお話です。
 この「カモイ伝」ですが、単体で映像化されたのは、何と今回が初!
 ちなみに「単体で」というのは、実は第三期に、他の水木短編とミックスする形で映像化されているからなんですね。第78話「マンモスフラワーと山男」がそれです。
 ねずみ男によって東京に連れてこられた妖怪・山男が、街にマンモスフラワーの種を蒔き、大都会を原始の森へと変えてしまう――。かつて第二期でも映像化された水木短編、「原始さん」と「マンモスフラワー」の合わせ技ですが、この山男がたびたび「カモイ!」と叫んでいたことから、「カモイ伝」の要素も混ざっていたことが分かります。
 しかしながら、「カモイ伝」のみに焦点を当てて映像化したのは、やはりこの第六期が初めて。なので「カモイ伝」的には、記念すべき回となったわけですね。

 それにしても……前回の次回予告の時点で吹いたんですが、「SNS中毒VS縄文人」って、すげータイトルですね(笑)。
 いや、確かにSNS中毒だったし、縄文人なんだけど。それを「VS」で繋ぐセンス。僕は大好きです。

 で、ストーリーはと言えば――。
 インスタっぽい何かのランキングトップに君臨していたクリスティーンさん(偽名)が、ねずみ男の連れてきた縄文人にその地位を奪われて転落。クリスティーンさん(偽名)は再び注目を浴びるため、次第に行動を暴走させていき、ついには縄文人に殺意を向けるのだった――。
 ……と、ギャグキャラの仮面を被ったサイコなゲストヒロインが主軸のお話になっていました。

 SNSと増長する自己愛を描いたエピソードとしては「ぬけ首」の回なんかもありましたが、あちらのチャラトミさんと比べると、クリスティーンさん(偽名)には一切救いがありませんでしたね。
 彼女が逮捕と同時に過去最大級の「いいね」をもらって歓喜する――というオチは皮肉が効いていて好きです。でも、大演説はちょっと唐突だったし、蛇足感があったかな。
 個人的には原作同様、彼女が「いいね」を集めることに疲れて、山で原始生活を送るオチにしてほしかったんですが(笑)。
 とは言え、縄文人がこちら(文明社会に生きる視聴者)を指差して「カモイ!」と叫ぶラストは、これはこれでアリだったな、と思います。ちょっと尻切れトンボ感もありましたが……。
 あと、「カモイ!」と叫んでいる割には、あんた結構ノリノリで写真撮ってたよねって気もしなくもないですが(笑)。

 そしてノリノリと言えば、このインスタもどきのランキング上位の錚々たる面々はいったい……。
 とりあえずコケカ様強ぇ。あれかな。「生理用ナプキンになってみた」とかいう題でエロ写真の投稿でもしてたんかな。

 ※クリスティーン以外の名前は全員水木作品の登場キャラクターです。

 で、この錚々たる顔ぶれがパーティーに来るのか! ……と思ってワクワクしながら見てたら、当日来た人達は全員普通の人間ばかりだったという。
 どうやらコケカ様含めて、全員がランク外に追い出された模様。栄枯盛衰ですね。

 ……あと原作ネタで言うと、縄文人の猥褻物陳列罪未遂。
 さすがに朝アニメでオッサンのフルヌードは不味かったようですが、きちんとイメージの中で原作のコマを再現してくれていました。

 というわけで、「カモイ伝」の貴重な単体映像化となった今回のエピソード。
 今後も二期のリメイクだけでなく、こういう初物もどんどんやっていただけると嬉しいですね。「糞神島」とか。←無理


 さて次回は――おお、ついに来ましたか、「地獄流し」!
 「幽霊電車」と並ぶ「怖い鬼太郎」が見られそうなエピソード。これは期待しています。
 ではまた!

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第66話『死神と境港の隠れ里』 感想

 今回の原作は「蒸発」。鬼太郎作品ではなく、ビッグコミックで連載された「サラリーマン死神」シリーズからの一本です。
 この「サラリーマン死神」シリーズは、魂回収のノルマに追われる地獄のサラリーマン・死神の悲哀を描いた作品で、アニメ版鬼太郎の第二期でもたびたび映像化されました。それもあって第二期での死神は、準レギュラーキャラクターにまで昇格。第二期を語る上で欠かせない存在になっています。

 ちなみに原作版鬼太郎の方で死神といえば、やはり真っ先に挙がるのが、サンデー版の「死神」ですね。こちらは今のところ2~4期で映像化されています。
 第二期の死神は、まず「死神」で原作どおり敵として登場した後、「サラリーマン死神」の映像化に伴って、憎めない悪役として定着していった――という流れになります。
 なお第五期では、死神は最初から妖怪横丁の仲間として登場。映像化されたエピソードは、「サラリーマン死神」シリーズから「涙のノルマ」が選ばれていました(厳密に言えば、「涙のノルマ」の第二期版である「死神のノルマ」が直接のベース)。

 余談ですが、これらの一連の死神というキャラクターの大元になっているのが、「河童の三平」シリーズに登場した死神です。
 その骸骨じみた外見や、ノルマに追われるサラリーマンという設定など、すべてこの「河童の三平」で確立されています。
 主人公である三平の魂を狙う悪役ながら、どこか間が抜けており、憎めないキャラクターでした。

 ……と、死神の基礎部分を説明したところで、続いて「蒸発」の話に移りましょう。
 「サラリーマン死神」シリーズの一エピソードである「蒸発」は、やはり第二期で、「隠れ里の死神」とタイトルを改めて映像化されています。
 今回の第六期版は、この「隠れ里の死神」を直接のベースにしています。上でも述べた第五期版「涙のノルマ」と同じ流れですね。また第六期版「霊形手術」も、やはり原作ではなく、第二期のそれがベースになっていました。
 このように原作そのままではなく、常に第二期のリメイクが意識されているのは、やはり制作陣によるオマージュ的な意味合いが強いのでしょう。しかしもう一つ付け加えるならば、水木短編と鬼太郎世界の融合を試みた第二期のシナリオ群は、時代を跨いでなお、アニメ版のベーシックにするに相応しいものであった……と言えるのかもしれません。
 ついでに言ってしまうと、「原作そのままのシナリオだと、子供の見るアニメでは使えない」というケースが多々あるわけです。

 ちなみに原作の「蒸発」は、隠れ里に囚われているのはほぼ女ばかり。隠れ里の主である妖怪「かくれ座頭」は、そんな女達のために、月一で男を隠れ里に送り込んでいるという設定でした。
 隠れ里に送られた男は、そこで女達の性欲の餌食になります。主人公である死神も例外ではなく、女の集団に襲われて、あっという間にやつれ果てていました。
 ……ね、朝のアニメじゃ使えないでしょ?(笑)
 まあ、元が大人向けの作品ですしね。

 で、この原作版「蒸発」を改変した第二期の「隠れ里の死神」では、「隠れ里に囚われているのは子供ばかり」という具合いに、設定が改まります。
 死神は、始めは隠れ座頭に協力して子供をさらおうとしましたが、事態を知った鬼太郎に命じられて、鬼太郎を「さらってきた子供」と偽って隠れ座頭のもとへ引き渡し、そのまま成り行きで鬼太郎ともども隠れ里に入り込む――という形になっていました。
 このエピソードでは、敵役は隠れ座頭であり、死神はその隠れ座頭に利用されるという損な役回りでした。まあ、ある意味ねずみ男にも務まりそうな役回りなので、その点では敢えて死神を出す必然性は薄かったのかもしれませんが……。しかし死神自体は原作の要素を回収した結果ですから、気にすることでもないかな、と思います。

 ……もっとも、第二期バージョンを見た視聴者の心に強く焼きついているのは、冒頭ねずみ男の目の前でドロドロに溶けた子供の方ではないでしょうか。もちろんトラウマ的な意味で(笑)。
 隠れ里から逃げ出した者は白骨と化す――。この恐るべきルールをショッキング描写として冒頭に持ってきたのは、原作にはない第二期のオリジナル。しかし「なぜ」そのようなことが起きてしまうのかは、終盤まで明かされません。
 鬼太郎は、隠れ座頭を倒しさえすれば白骨化は免れるものと信じて、隠れ座頭と死闘を繰り広げます。もっとも、これは隠れ座頭が仕掛けた(鬼太郎と視聴者に対しての)ミスリーディングであり、白骨化の真の原因は別にありました。鬼太郎はそれに気づかぬまま、隠れ座頭を倒して子供達を元の世界に連れ出し――そして悲劇の結末を迎えることになります。
 「助けなければよかった」と自分を責める鬼太郎。この鬼太郎のポジションこそ、今回の第六期でまなが担った役目、そのものでした。

 第六期では、さすがに子供が溶けることはありませんでしたが(笑)、白骨化のシーンは(トラウマにならない程度に)きちんと描写されていました。
 原作や旧作を知っている視聴者にとっては、まさに「来るぞ来るぞ……!」という瞬間。まなの手を取ろうとして骨と化し崩れる一之進の描写は、恐怖よりも切なさの方が強く残る演出になっていたと思います。
 一方鬼太郎自身は、こうなることをすでに予測していたようでした。その上で、このことをまなには告げず、一之進達の意志にすべて委ねたのは、いかにも今期の鬼太郎らしい中立な選択と言えます。もちろん、一之進達を「無限の生」から解放する――という意味合いもあったのでしょう。
 まなにとっては辛い結末となってしまいましたが、生と死の法則が人間にとって大切なものであることもまた事実。四人の魂が天に昇っていく姿こそ、それを象徴していたと言えそうです。

 ……さて、結末の感想から先に書いてしまったので、ちょっと遡って、それ以外の要素などにも触れておきましょう。

 まず死神ですね。今回は第二期とは正反対で、完全な悪役としての登場になりました。
 隠れ里に囚われた人間の魂を狙うという役回りでしたが――原作の結末も踏まえると、おそらく彼は、一之進達を元の世界に連れ戻すことで、その魂をいただこうと考えていたのではないでしょうか。
 ……と邪推したものの、このやり方だと、まなの魂までは奪えませんね。やはり直接手を下そうとしていたのでしょうか。いわゆる「死神の掟」とかは大丈夫なんでしょうか、これ。
 そもそも第六期の死神はサラリーマンなんでしょうか。その辺の言及は特になかったので、ちょっと気になりますね。
 ちなみに指鉄砲で撃たれた後、お決まりの魂の描写がなかったのは……もしかしたら、今後の再登場の可能性を見越してのことかもしれません。

 そして人面樹。
 隠れ座頭の代わりに登場したオリジナル妖怪です。
 一応妖怪図鑑にも「人面樹」という妖怪は載っていますが、あちらは樹に咲く花が人の顔をしているというものなので、アニメ版の人面樹とはコンセプトが違いますね。したがって、アニメ版のは完全にオリジナルキャラクターと言えそうです。
 悪い妖怪……というよりも、迷惑な妖怪でしたね。本人に悪意がないだけに。

 あと、今回登場した子供達ですが、第二期バージョンにもそっくりな子が出ていました。
 特にハナタレの子。まんまです。こんなところにもオマージュが(笑)。

 最後に境港要素ですが、先週と違って、ほぼ抑えられていましたね。
 いや、先週がやりすぎだっただけなんでしょうが(笑)。
 まあ、これぐらいが程よい気もします。

 というわけで、「霊形手術」に続く二度目の水木短編原作エピソード。
 全体的には比較的ベーシックな作風でしたが、やはり結末こそが肝であり、ここにすべてが集約されていたと言っても過言ではありません。新しい世代の視聴者の心に、今回の話はどのように響いたでしょうか。


 さて次回は――って、次回も水木短編エピソードですか!
 しかも「カモイ伝」だ! 単品だと初映像化じゃないですか!
 って、サブタイトルすげーな。「SNS中毒VS縄文人」て(笑)。
 なんかめっちゃ楽しみです。ではまた!

テーマ : ゲゲゲの鬼太郎
ジャンル : アニメ・コミック

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第65話『建国!?魔猫の大鳥取帝国』 感想

 ……うむ。
 ↑ご当地ネタギャグに特に興味がないのでコメントに困っている人。

 今回の原作は「魔猫」。新編ゲゲゲの鬼太郎からの一本で、「石妖」や「麻桶毛」と同じく、この第六期版が初の映像化となります。
 ちなみに原作のストーリーはというと――。

 ――とある地方の小学校に赴任してきた、美人で優秀な女性教師・黒塚。しかし彼女の正体は、イギリスからやってきた猫妖怪・魔猫だった。魔猫は生徒達を洗脳し、いずれは日本そのものを支配しようと企んでいたのだ。
 そんな黒塚の正体を、ただ一人「見えないものが見える」少年・丸男だけが見抜く。だが周りの人間達は、クラスの落ちこぼれである丸男の言うことなど、誰も信じようとしない。丸男は鬼太郎に助けを求めようとするが、黒塚は生徒達を引き連れて丸男を襲撃。辛くも逃げ切った丸男は鬼太郎に助けられ、今度は鬼太郎が丸男に変装して(二人は顔立ちがよく似ている)学校に潜入し、黒塚に挑む――。

 ……ざっとこんな感じです。
 いわゆる霊感少年的なゲストキャラが出てくるのは(原作としては)珍しいですが、彼が黒塚の正体を知って孤立化する前半は、人間視点だからこそ、恐怖と緊張感のある展開を味わえるようになっています。
 そして後半では、この丸男が魔猫の九つの弱点を見抜き、それを鬼太郎に伝えるという、重要な役回りを担うことに。「新編」の男性ゲストの中でもこれほど活躍したのは、彼ぐらいではないでしょうか。そういう意味でも印象深い少年でした。

 ……で、今回のアニメ版ですね。
 まあ、ほぼ別物みたいな話だったわけですが(笑)。
 一応ストーリー自体は、原作の前半部分をアレンジした構成になっていて、丸男の役回りを庄司おじさんに。黒塚先生の役回りを県知事に置き換えた形になっていました。
 鬼太郎似の霊感少年と美人女教師――。この美味しい組み合わせを、なぜわざわざオッサン二人に変えてしまったのか(笑)。
 まあ、それはいいとしても(いいのか?)、ちょっと今回は置いてけぼり感が強かったなぁ……というのが率直な印象です。

 もちろん昨年も、この手のタイアップエピソードは存在していました。海座頭と蟹坊主の「境港二部作」です。
 この時もまあ、だいぶ露骨ではあったんですが、それでも海座頭は旧作の流れを汲みつつ舞台を境港に置き換えた内容でしたし、蟹坊主も水木しげるロードと絡めたオリジナルエピソードということで、個人的には「これもアリだな」と思ったわけですよ。アニメ版鬼太郎で境港が出てくるのも新鮮でしたし。
 ただ今回は……。いや、ご当地ゆるキャラとか、それもう水木先生とほぼ関係ないし。梨スイーツとか言われてもだし。
 うーん、なんか、内輪ネタで盛り上がっちゃってる現場を横から部外者としてボケーッと眺めているような、そんな感じの視聴になってしまいました。

 まあ、鳥取県自体は学生時代に旅行にも行きましたし、全然ディスるつもりはないんですけどね。
 お隣の島根県も、よく地味だのなんだの言われがちですけど、僕にとっては神話と小泉八雲っていう、とてもロマン要素溢れる県なんですけどね。

 ていうか、せめてゲスト妖怪も含めて、純粋なオリジナルエピソードにはできなかったのでしょうか。そうすれば、普通にコメディ回として受け入れることができたと思うのですが。
 こういう形で「魔猫」を消化されてしまったのは、正直もったいないとしか……ねえ。


 というわけで、今回はここまで。
 気を取り直して、次回は――「蒸発」!
 第六期では「霊形手術」に次いで二度目となる、鬼太郎作品以外からの映像化ですね。
 鳥取とのコラボがスムーズに行くことを祈りつつ(笑)、楽しみにしたいと思います。
 ではまた!

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第64話『水虎が映す心の闇』 感想

 今回の原作は「水虎」。昭和マガジン版でも初期の方に位置する作品です。
 古代の瓶に封印されていた水状の生物である水虎。それを掘り起こした少年が好奇心から水虎を飲んでしまい、夜ごと眠りながら外へ出ては、水虎のメスが封じられている古代塚を掘る――。
 この話のベースになっているのは、貸本時代の短編作品、「怪談 水妖鬼」。ストーリーラインは概ね「水虎」と同じですが、時代物だったり、水虎ならぬ水妖鬼が美女の姿をしていたりと、すでに「水虎」を読んでいても楽しめる一作になっています。

 一方歴代アニメ版では、「水虎」は必ず映像化されてきた定番エピソードの一つ。特に第五期では、記念すべき第一話を飾ったのが、記憶に新しいところです。
 ただ、水虎のキャラクターデザインが原作どおりだったのは、実は第三期のみ。第一期では虎の姿で描かれ、以降の第四期と、今回の第六期でも、それが踏襲されることになりました。
 ちなみに第三期は原作どおり……と言いつつも、戦闘中、しっかり虎に変身するシーンがあります。リアルタイムで見ていたチビッ子時代は分かりませんでしたが、実は第一期のオマージュだったというわけですね。
 なお、第五期では妖怪画バージョンの水虎(今回アイキャッチで使われたアレ)が採用され、歴代アニメ版の中で唯一、「虎ではない水虎」が登場することになりました。こちらのストーリーは、「水虎」と「地獄の水」の合わせ技といった感じで、水に紛れて迫るという水虎の特性が、存分に発揮されていました。
 さらに余談ですが、第一期の「妖怪ラリー」に登場した水虎は、外見こそ原作どおり(石燕ベースの水虎)ですが、先立って放送された「水虎」に登場したものと同一の存在――という設定になっています。

 ……と、以上も踏まえての第六期バージョン。
 実は第三期以降の水虎の中で、最も第一期を意識した水虎になっていました。
 第一期の水虎は、外見は虎そのもので、周囲の水分を手当たり次第に吸い取っていくという特徴を持っています。その規模たるや、歩いただけで大地がひび割れ草木は枯れるという、なかなかド派手な感じなのですが……さすがに第六期では、そういうスペクタクル方向には持っていかず(笑)。
 しかし、この特徴を持つアニメ版水虎は、第一期と第六期のみなんですね。これだけでも「第一期オマージュだな」と言えるわけですが――。
 もう一つ重要なのが、水虎の封印を解いた人間の存在です。

 第一期で封印を解いたのは、百合子という孤児の少女。深い穴の底から響いてきた謎の声に、誰かが助けを求めているものと勘違いして、穴の中へ。そこで水虎の封じられた壺を発見し、蓋を開けてしまう……という流れです。
 水虎は百合子に恩義を感じ、彼女をいじめていた村の子供を襲います。村人達は、百合子が水虎を操っているものと勘違いして、彼女を殺そうとしますが、そこへ再び水虎が現れて――といった具合いに、どんどん犠牲者が増えていきます。
 百合子にしてみれば、ほとんどトバッチリみたいなものですね。最終的には鬼太郎が仲裁に入り、村人達の誤解は解けます。その後、百合子は鬼太郎に協力して水虎を誘い出し、決闘の場となる雪山へ送るという役目を果たしました。

 ……で、今回の第六期版が、やはりこの第一期の要素を、だいぶ意識しているようなのです。
 今回、謎の声に誘われて封印を解いたのは、翔子という主婦。彼女は引っ越してきた小さな町で、家族ぐるみで陰湿ないじめを受けているという設定。この辺からして、百合子とは通じるものがありますね。
 水虎はそんな翔子の心の闇を見透かし、彼女を「解放する」という名目で、次々と町の人間を襲います。始めは復讐のために水虎を先導していた翔子ですが、水虎が彼女の指示に関係なく自分の家族までも手にかけたことで、ようやく自分の本心――すでに家族すら疎ましくなっていた――に気づくことになります。
 水虎は人間の心の闇を映して虎と化す。水虎を暴走させていたのは、自分自身の心そのものだった――。それを知った翔子は、自身の手で決着をつけるべく、冷却ガスボンベを武器に、水虎に立ち向かおうとしました。

 こうして比べてみると、百合子と翔子の間には、かなり共通点がありますね。
 女性。いじめの被害者。水虎から唯一襲われない存在。そして、水虎に立ち向かう存在――。ざっとキーワードを拾っていくと、こんな感じでしょうか。
 一方で相違点もあります。最も顕著なのは、年齢第一期の水虎が百合子の意志を無視して暴れたのに対し、第六期の水虎は、完全に翔子の意志を反映して動いていたという点ですね。
 要は、第一期の「百合子と水虎」を、現代的な視点とホラー要素を加えてリメイクしたのが、第六期の「翔子と水虎」だった――と言えそうです。

 余談ですが、第三期で水虎に取り憑かれた少年も、いじめられっ子という設定でした。
 彼が事件の中で勇気を手に入れ、過保護な両親やいじめっ子達にそれを示し、協力して鬼太郎を助ける――という展開は、子供心にとても気持ちのいいストーリーでした。余談終わり。

 ……というわけで、ストーリーそのものが第一期のオマージュに満ちていた気がする、今回のお話。
 分析はさて置き、改めて内容そのものを振り返ってみると――。
 あら意外とマイルドだったわね、といった感じです(笑)。
 いや、「主婦の自殺」とか「心の闇」とか、次回予告の時点で不穏なワードがバンバン飛び交ってて、「こりゃ絶対ドロドロした回になるわ~」とワクワクハラハラしていたんですよ。これまでも、縊鬼とか名無し編とか、結構ドロドロしてたじゃないですか。だから、またあの胃の痛くなるような展開が再来する! と覚悟していたら――。
 ……うん、割かしあっさり感。
 いや、確かに土下座させるおばさんとか胸糞だし、翔子さんは疲れ切った声が最高だし、社長はどう見ても893だし……なんですが。
 不思議ですね。「うわぁ……」と目を背けたくなる域までは行かなかったというか。
 社長一家の顔がコメディタッチだったからか。社長が893すぎて笑えるレベルだったからか。それとも、ミイラ化シーンがさほどショッキングじゃなかったからか。まあ、復讐展開ってのは見ていてスカッとするものですからね。「いいぞ翔子さん、もっと殺っちゃえ!」と応援しながら見れたってのも大きかったのかもしれません。
 なので、覚悟していたほどの陰湿回ではなく、気楽に見られるダークエピソードだった――というのが、今回の僕の大まかな感想です。はい。

 それにしても、鬼太郎は冷気だけしか吸わなかったですね。
 あのまま水虎も吸い込んで、体内で凍らせてほしかったです。←原作目線


 さて次回は、「魔猫」!
 新編から続々と初アニメ化が来ますね。嬉しいです。
 しかし僕のお気に入りの黒塚先生は登場してくれるのでしょうか。
 ではまた次回!

テーマ : ゲゲゲの鬼太郎
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tag : ゲゲゲの鬼太郎 水木しげる 妖怪 アニメ

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