ゲゲゲの鬼太郎第6期・第4話『不思議の森の禁忌』 感想

 今回は、セミレギュラーキャラの裕太を軸に据えた、オリジナルストーリーでした。
 とは言え、「子供が妖怪の世界に迷い込み、鬼太郎に案内される」というプロットは、実は児童書版の鬼太郎作品では定番だったりします。まあ、そちらの鬼太郎と違って、今回のアニメ版の鬼太郎は、かなり渋々のガイドでしたが(笑)。

 メイン舞台はゲゲゲの森。
 妖怪達が集う自然豊かな森――という設定はいつもどおりですが、第六期でははっきり「異世界」として描かれています。
 鬼太郎の住み家が人間界から隔離されていた例は、他に第五期があります。あちらは妖怪横丁という独自の舞台が用意されていましたが、鬼太郎の住む森ともども、人間界とは異なる場所に存在していました。
 一方で第三期までは、人間が鬼太郎の家を訪ねるというシチュエーションは、決して垣根の高いものではありませんでした。特に第三期では、ユメコちゃんが頻繁に鬼太郎の家に遊びにきています。当時のゲゲゲの森は、あくまで「人間の世界とは地続きのもの」として描写されていたようです。

 話を元に戻して、今回の新生・ゲゲゲの森ですが――。
 人間に友好的な妖怪も、害のある妖怪も、区別なく暮らしているようです。
 これまでのゲゲゲの森は、どちらかと言えば「鬼太郎の仲間が集う場所」という側面が強く、ある種のアットホームさが前面に出ていました。
 しかし今回の話では、純粋な妖怪の世界としての要素が目立ちました。森の住人すべてが鬼太郎の仲間である、というわけでもないようです。山じじいの住み家を鬼太郎達が急いで通り抜けようとしたところなど、好例でしょう。
 で、その山じじいが裕太に木の実を奪われ、怒って巨大化。鬼太郎達に襲いかかります。
 そう、何と今回の対戦相手は、山じじいでした。

 山じじいと言えば、水木先生が初期の頃から描いていた妖怪で、原作でもコマの片隅に頻繁に登場していました。
 ただ、言うなればほぼモブキャラ扱い。名前付きで登場して鬼太郎と戦ったのは一度きりで、それも児童誌にのみ掲載され長年単行本に収録されてこなかった、超レアエピソードという……。
 もっともアニメの方では、第四期の終盤エピソード、「鬼太郎対三匹の刺客!」で大活躍(?)しています。コメディ編の名作なので、未見のかたはぜひ。
 ――で、今回の山じじい。
 巨大化して森に聳え立ち、樹々の中から無数の腕を伸ばして襲ってくる様は、まさに森の権化といったところ。特徴的な頭部の質感や配色が、まるで乾燥した植物のようで、とてもよいデザインに仕上がっていたと思います。
 最後は木の実を返されておとなしくなり、裕太の手に×印をつけて放免しました。
 この×印。ただ付けただけで終わりとも思えないので、今後何かの伏線になるのでは……と個人的には睨んでいますが、果たして。

 一方、今回は他にも、油すましとべとべとさんが登場しています。
 油すましは、原作では80年代マガジン版以降、鬼太郎ファミリーの一員に加わっています。アニメ版でも第三期地獄編でレギュラー入り。第五期でも妖怪横丁の仲間の一人になっていました。
 果たして第六期では、今後出番が与えられるのでしょうか。期待半分で見守りたいと思います(←半分言うな)。
 一方べとべとさんは、アニメ版鬼太郎できちんと出番が与えられたのは、案外今回が初めてな気もします。たぶん。
 実写映画版では少しだけ登場していましたね。透明な質感が印象に残っています。

 そして、もう一体。水妖怪を忘れてはいけません。
 こちらは特撮版の『悪魔くん』に登場したキャラクターで、第四期のED(カランコロンの方)にシレッと映っていた以外は、今まで鬼太郎と絡んだことはなかったと思います(水木プロ作品である『最新版ゲゲゲの鬼太郎』に「水ころがし」の名前で出ていたものをカウントするか否かは、いろいろと難しいところですし……)。
 今回は、デザインは元のものと少し変わりましたが、ゲゲゲの森に住む危険な妖怪の一体として登場。ただし鬼太郎と戦うわけではなく、あくまで同じ森に住む妖怪同士、共存の関係を結んでいました。

 森の住人として新たに登場したのは、今のところこの四妖怪だけです。
 過去の作品では、このような「異界訪問」のシチュエーション時には、割と大集団で登場しがちだった妖怪達。それが四体というのは、いささか寂しい気もしましたが、今後もどんどん追加されていくと思うので、そちらに期待しましょう。
 まあ、森自体が過去作に比べて相当広大になっているので、まだまだ探検のしがいがありそうですしね。

 さてさて、今回、裕太がゲゲゲの森に迷い込んだのは、かなりレアケースとのことでした。
 果たして今後、同様のことが起こるのでしょうか。
 例えば、まなが後々ゲゲゲの森へ行く可能性は、到底ゼロとは思えないわけですが……?
 もしそれが実現するとしたら、どんな状況下でのことなのか。これまた期待したいところです。


 今週の豆知識
・遠景の一つにあった「妖怪温泉」は、児童書『鬼太郎なんでも入門』で描かれた「鬼太郎温泉」。
・かつてゲゲゲの森を訪れた「寅吉」というのは、江戸時代に実在したとされる少年。仙人(あるいは天狗)に連れられて異界を訪ね、そこで見聞きしたことを、後に国学者・平田篤胤に語っている。……要するに、妖怪マニア向けのネタ。

 来週は電気妖怪ですね。
 次回予告の感じでは、ホラー要素は薄目になるのかな。
 何にせよ楽しみに待ちます。


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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第3話『たんたん坊の妖怪城』 感想

 今回は鬼太郎ファミリーの活躍編。
 ……と同時に、「鬼太郎」という一人の主人公の感情を掘り下げた話でした。

 これまでの感想ではつい触れ忘れていましたが、第六期の鬼太郎は、人間に対して、かなり距離を置いた存在として描かれています。
 特に、第一期から第三期辺りのフレンドリーなイメージとは、まるで別人。第一話でまなに見せた刺々しい態度などは、ただの線引きを通り越して、人間への憎悪すら抱いてるのではないか……と思えるほどです。
 一方で、父親や仲間の妖怪達に対しては、従来の素直な鬼太郎がそのまま顕れる――。このように、相手が妖怪か人間かで鬼太郎が態度を変えるケースというのは、今まであまりなかったように思います。
 (少なくとも原作の鬼太郎は、だいたい誰に対してもフラットなイメージです。)

 なぜ鬼太郎がこのような性格なのか。
 今期はたまたまそういうキャラ付けなのか。それとも背景に何か理由があるのか――。
 この辺りは、今のところ定かではありません。
 ただ、思えば第一話にあった「鬼太郎誕生」の要素。つまり、「水木という青年に育てられた過去」が、何らかの影響を鬼太郎に与えているのではないか……という邪推が、少しだけ僕の中で生まれています。
 そもそも大本の原作である『墓場鬼太郎』では、水木青年は鬼太郎親子を陥れようとして(※)、地獄に流されてしまうという末路を辿りました(ただし、その後現世に戻ってきて、鬼太郎との生活を再開します)。もしかしたら第六期では、この要素をベースにした設定が密かに存在していて、今後「鬼太郎の過去」として明らかになっていくのかな……と想像してみたり。
 まあ、ただの一ファンの予想です。ハズレているかもしれません。

 いずれにしても――この第三話で、鬼太郎がまなに対して作っていた壁は、ようやく消えたようです。
 しかしたんたん坊との会話から察するに、鬼太郎が「妖怪と人間は決して相容れない」と考えているのは、間違いのないところ。
 ある意味で「人間慣れ」していない鬼太郎が、今後まなや他の人間達を前にして、どのような姿を見せていくのか。
 大いに注目したいところです。


※追記。ふと気になって原作を読み返したら、陥れるってほどのことはしていませんでした。すみません。
 鬼太郎を警察に引き渡そうとしていたガロ版『鬼太郎夜話』と混同したみたいです。


 さて、話変わって、鬼太郎ファミリーの面々。
 彼らの初戦闘エピソードに「妖怪城」を持ってくる――というのは、何だか第三期の第一話を彷彿させます。
 基本的な戦い方は今までとあまり変わりませんでしたが、砂かけばばあの麻痺砂は今期が初出なのかな。
 一反木綿の「木綿切り」は、斬れ味すごすぎですね。朝のアニメで胴体切断が見られるとは思いませんでした。
 それに猫娘の爪も、かなりすごいことになっています。軽くフレディ越えしてるんじゃなかろうか。
 ……いや、一番威力がすごかったのは、鬼太郎のチャンチャンコパンチかもしれない。

 ちなみに、ねずみ男は一切出てきませんでした。
 もともと歴代の妖怪城の封印を解いていたのは、ほとんどねずみ男の役目だったわけですが、今作では事件の背後に共通の黒幕がいるようなので、そちらに譲ったのでしょう。

 一方、今回の敵となった三妖怪。
 妖怪城と言えば……の、いつもの顔触れ。第五期ではかまいたちが裏切り者になっていましたが、今期は仲良しに戻ったようで何よりです。
 ちなみに二口女ですが、実は歴代アニメ版「妖怪城」では、一度も原作どおりのキャラデザで登場したことがありません。第一期では名前の「二口」が何らかの規制に引っかかったようで、代わりに「大口女」という、似て非なる姿の妖怪として登場しました。
 同じ第一期の頃は、たんたん坊も、媒体によっては「やにやに坊」という名前になっていて、痰ではなく目ヤニを飛ばす妖怪に改変されていました。アニメではたんたん坊のままでしたが、やはり目ヤニを飛ばします。「痰は汚いから」という理由だったそうですが、じゃあ目ヤニならいいんかい、という疑問が。まあそれはさて置き……。

 今回の妖怪城と三妖怪は、「封印されて石になっていた」という原作の設定からイメージを膨らませて、ユニークな能力が与えられることになりました。個人的には、なかなかの良改変だったと思います。
 
 ……しかしなぜ二口女は、蛇髪でまなを捕らえるのに、胴体ではなく脚を狙ったのか。これじゃまるで触手プレイじゃないか。
 そんなアダルティな疑問を抱いて悶々としながら、今回の感想はここまでにしたいと思います。

 次回はアニメオリジナルエピソード、なのかな?
 楽しみに待つことにします。

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告知し忘れていました

 すっかり失念しておりました。
 今月、4月3日発売の『水木しげる漫画大全集 ゲゲゲの鬼太郎18・ベトナム戦記他』に、『ゲゲゲの鬼太郎お化け塾』シリーズで使用された挿絵・カバーイラストなどが収録されています。
 この巻は他にもレアな鬼太郎作品がてんこ盛りですので、まだお持ちでないかたは、ぜひチェックしてみてください。

 取り急ぎ、告知でした。

 

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第2話『戦慄!見上げ入道』 感想

 今週は見上げ入道でした。
 ストーリーは前回に比べて、かなりオーソドックスな「鬼太郎もの」といった感じですね。
 その中で異彩を放っていたのが、やはり猫娘ですね。まさかのツンデレキャラ。しかも、まなとは鬼太郎を巡るライバル関係の様相を見せ、第三期のユメコVS猫娘なノリが再び来るか……と思いきや、まさかあんなオチになるとは(笑)。
 まなちゃんすごい。一人でオネショタも百合もこなす。僕は嬉しいです。
 そして猫娘、強い。もともと猫だからスピードファイターになる素養はあったんだけど、アニメでここまで明確に強さが表現されたのは、初めてなんじゃなかろうか。

 一方で、ねずみ男は相変わらず、いつものねずみ男でした。
 服の色は第三期以来の水色系に戻っています。ちなみに第四期では、原点回帰という作品コンセプトがあったため、原作と同じ黄土色。第五期もその流れを受けて黄土色でした。
 今回のキャストの古川さんは、メフィスト二世→蒼坊主→ねずみ男ってことで、すっかり水木アニメの常連になりましたね。ちなみに調べてみたら、第三期でも夜叉に取り憑かれた青年役でゲスト出演されていたようです。
 他の鬼太郎ファミリーについては、まだ顔見せといった段階なので、今後に期待。
 そして、ゲゲゲの森へのアクセスポイントは、まさかの深大寺(?)の境内。なるほど、そう来たか。

 今回の敵である見上げ入道も、だいたいいつもと同じノリでした。
 鬼太郎を飲み込んで破裂するのも、いつもの流れ。
 全身破裂(原作)→目玉すっぽ抜け(第三期)→喉だけ破裂(今回)と、回数を重ねるごとに、順当にマイルドな表現になってきています。いや、全然マイルドじゃないけど。

 アイキャッチは、前半が原作の扉絵、後半が妖怪画バージョンの見上げ入道になっていました。
 豆知識として、原作版鬼太郎の見上げ入道のデザインは、江戸時代の画家である鳥山石燕が描いた「青坊主」がベースになっています。一方、妖怪画バージョンの見上げ入道は、同じく石燕が描いた「見越(みこし)」がベース。「見越」というのは「見越し入道」という妖怪のことで、要するに「見上げ入道」と同種のものですね。
 また、今回弱点として設定された、「見上げ入道、見越したり」は、実際の伝承がベースになっています。見上げ入道は、「見越した」と唱えると消えてしまう――と言い伝えられているのです。ちなみに第四期でも、同様の弱点が設定されていました。

 今回はこれぐらいで。
 次週は妖怪城ですね。第五期ではかなり異色な扱いを受けていましたが、今回はどうなるでしょうか。
 もともと好きな原作エピソードなので、楽しみです。
 ではまた来週。

※何だか、毎週感想を書くかのようなノリですが、どうなるかは不明です。

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鬼太郎始まった!

 鬼太郎第六期、始まりましたねー。
 第一話を見た感じ、これまでより対象年齢層がちょっと上がっているイメージですね。
 例のアダルティな猫娘はまだチラッとしか登場しませんでしたが、人間ヒロイン枠のまなちゃんは良い感じのキャラでした。
 彼女と鬼太郎との絡みは今後の展開待ちとして、隣の末っ子とのやりとりが実にオネショタ心を刺激されます。いや、んなことはどうでもいいんですが。

 ストーリーはまだ始まったばかりで、今回は鬼太郎の能力をじっくり見せるに留まっていました。
 しかものびあがりを倒した直後に、鬼太郎が何者かの襲撃を受けて「続く」的な終わり方をしたので、話の内容については、まだ感想をまとめ辛いところ。
 次回、鬼太郎ファミリーが出揃った辺りで、一区切りつくのかな。何にせよ来週も楽しみです。

 以下雑感。
 鬼太郎の運動性能がすごいことに。もう一反木綿いらないんじゃないか、これ。
 物語のメイン舞台が調布ってのが心にくいですね。OPでは深大寺の境内っぽい場所も映ってましたが、注連縄があったから一応別物扱いなのかな?
 あと、アイキャッチで原作エピソードの扉絵を見せるというのは、ニヤリとする演出ですね。
 原作絵で言えば、チラリと映った猫子さんみたいな小ネタもありましたが、壁をぞろぞろと下りるのびあがりも、原作を再現した小ネタ。
 一方妖怪が出た時に、妖怪名がテロップで入るのは、第三期から続くお約束でした。
 EDは今時のアイドルソング。結構好きです。でもCDはどれ買えばいいんだ。

 そしてOPの映像!
 過去のOPのいろんな要素がみっちり詰まってて、見ててニヤニヤしまくり!
 冒頭で鳴くカエルは、もはや欠かせない存在。茶碗風呂の目玉おやじの股間にカメラが寄ったり、歌詞に合わせてねずみ男が歌ったり、画面をキジムナーが横切ったり、この辺は明らかに第三期のOPを意識してましたね。
 歌うねずみ男の構図は第四期のOPも彷彿させます。
 そして綱引きの動きは、まんま第一期(丸毛の扇子で南方妖怪チンポの股間を隠すとは、絶妙すぎる)。ラストにカラス(鳥)とミノムシが歌っているのも、第一期でした。
 探せば他にもあるのかもしれませんが、思い出せたところはこんな感じかな。

 しかし今回のOPで一番の快挙は、鬼太郎と目玉おやじの誕生シーン!
 まさかここに盛り込むって! めっちゃグッジョブ!

 時代を追うごとに過去と現代の要素を絶妙にミックスしていくアニメ版鬼太郎。
 今後も楽しく視聴していきたいと思います。

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