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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第41話『怪事!化け草履の乱』 感想

 今回の原作は「化けぞうり」。初出は80年代マガジン版で、第三期以降はアニメ化の常連になっているエピソードです。
 化け草履の「いかにも妖怪!」な見た目と、「物を大切にしよう」というメッセージ。やはりこの二要素の分かりやすさが、繰り返し映像化に至っている秘訣なのかもしれませんね。
 原作の化け草履は、打ち捨てられた靴の大群を率いて人間を襲うという役回りでしたが、アニメ版では履き物だけでなく、第四期のように古道具全般を率いているケースもありました。
 で、今回の第六期版では、付喪神達のリーダー格……ではなく、彼らと同等の仲間として登場。その分、性格も親しみやすいものになっていたと、個人的には思います。

 今回は全体的に、ギャグ演出のキレのよさが目立っていました。
 ゴミ箱から巨大な腕が突き出したと思ったらねずみ男だったとか、「そこの懐中電灯、停まりなさい!」とか。
 あと、化け草履のピンチシーンのためだけにぶっ込まれた、取ってつけたような設定の変な芸術家とか(笑)。化け古下駄は、アイキャッチに出てきたと思ったら、ワラアートにされちゃってましたね。そりゃ化け草履さんもブチキレますわな。
 でもって化け草履・怒りの大逆襲! からの、勇夫との再会でしんみり。ここまで強かったコメディ色から一転して、ホロリと泣かせに入るという、ある意味「外さない」回だったと思います。
 冒頭そこそこ元気だった勇夫が、ラストの方で寝たきりになっているというのは、ちょっと時間の流れの速さが「?」でしたが。まあ、気になったのはそこぐらいで、全体的にはテンポよく笑って泣ける良作だったのではないでしょうか。

 今回一番気に入っているのは、湯呑みが自分を「湯呑み」として使ってくれるお婆さんに巡り合って、化け草履達と袂を分かつところ。
 旧作と違って、化け草履が他の道具を操るという設定がなく、全員が同格だったからこそ生まれた展開ですね。
 湯呑みは今作のオリジナルキャラで、言ってしまえば「名もなきモブ妖怪」ですが、このシーン一つで彼はとても強い印象を残したと思います。
 湯呑みよ、お幸せに。


 さて次回は……「妖怪大裁判」!
 大ネタ来ましたね! とても楽しみにしています!
 ではまた。

テーマ : ゲゲゲの鬼太郎
ジャンル : アニメ・コミック

tag : ゲゲゲの鬼太郎 水木しげる 妖怪 アニメ

ゲゲゲの鬼太郎第6期・第40話『終極の譚歌 さら小僧』 感想

 今回の原作は「さら小僧」。二期を除く全シーズンで映像化されている、メジャーエピソードですね。

 自分の歌を人間に盗まれたさら小僧が仕返しに現れる――という基本プロットを踏襲しつつ、原作の「ぺったらぺたらこぺったっこ」という歌をどう再現するかが毎回異なっていて、そういう意味でも楽しみな回になっています。
 昭和メロディが心地よい第一期と、それを踏襲した第五期。まったりした雰囲気から破滅の四番への展開が強烈な第四期(激しいメロディからストーンと落ちる物語の結末も秀逸!)。歌詞の再現はならず独自路線に走った第三期。
 そして今回は、いったいどんな具合になるのかな……と思っていたら、何と歌ではなく、お笑い芸人のネタとして使われてしまいました。
 まあ実際、「何でこれがウケるの?」と思ってしまうようなフレーズがゴロゴロしている世界ですからね。「ぺったらぺたらこ」がヒットする場所としては、ある意味、不自然さのないジャンルだったとも思います(笑)。
 ……しかし今回のストーリーを見る限り、これは「歌手」ではなく、「芸人」にして正解だったのではないでしょうか。

 ピン芸人のビンボーイサム(これは原作に登場するグループ・サウンズ「ザ・ビンボーズ」のオマージュですね)は、かつて一世を風靡しながらも、今やすっかり見向きもされなくなっていた。再びかつての栄光を取り戻し、芸人のグランプリでトップを取りたいと考えていた彼は、ある夜、川辺で歌う妖怪・さら小僧を目撃し、その「ぺったらぺたらこ~」という独特の歌詞を、自分のネタとして盗んでしまう。
 そして「ぺったらぺたらこ」は大ヒット。イサムはテレビに返り咲き、グランプリへの出場も決まる。だがそこへ鬼太郎が現れ、これ以上そのネタを使わないように忠告してきた。しかしイサムはこの忠告を無視。その結果、歌を盗まれて激怒したさら小僧が、イサム(と、その仲介役であるねずみ男)を襲い、連れ去ってしまう。
 イサムの妻と娘からイサムを助けてほしいとお願いされた鬼太郎は、あくまでこの二人のために、さら小僧のもとへ乗り込み、イサムを救出。これ以上「ぺったらぺたらこ」のネタは使わないという条件のもとに、さら小僧にも納得をさせた。
 こうして無事戻ってきたイサム。だがグランプリの本番は迫っている。急いで「ぺったらぺたらこ」に代わるネタを用意しなければならない。しかし、彼が考えるネタはどれもつまらないものばかり……。
 だが、たとえグランプリが取れなくとも、イサムを受け入れてくれる人はいる。妻と娘。そう、大切な家族だ。二人に見送られ、イサムは「ぺったらぺたらこ」を封印し、堂々とステージに立った――。

 ……と、ここできれいに終わらないのが、いかにも第六期らしい展開。
 ねずみ男がイサムに言い放った、「お前は、本当は家族のことなんか考えちゃいない」という台詞。これがすべてでした。
 オリジナルのネタがまったくウケないステージ上で、イサムの心をよぎったものは何だったのか。彼が真に――たとえ命と引き換えにしても――手に入れたいと求めていたものは、何だったのか。
 禁を破り「ぺったらぺたらこ」を披露するイサム。爆笑する大観衆。絶望する妻と娘。華やかなスポットライトに背を向け、無言で立ち去る鬼太郎。そして――ステージに迫るさら小僧。
 物語はここで途切れ、最悪の結末が訪れたことを予感させながら、いつものEDが視聴者を現実に引き戻します。

 いや、面白かったです。
 たとえ愛する家族の力をもってしても覆せない、「人間の欲望」という名の業。その救い様のなさをストレートに描きつつ、話を「鬼太郎」として成立させているのは、やはりどんなにアニメ版の作風が変わっても、水木作品の掲げてきたテーマがその根底にあるからでしょう。
 また個人的には、今回のオチは、どことなく藤子A先生の「笑ゥせぇるすまん」を思い起こしたりもしました。

 ちなみに今回の鬼太郎は、基本的に忠告役に徹しており、「人間側に非があるのなら、その人間を無闇に助けるつもりはない」という、かなり突き放した姿勢を取っています。「白山坊」のエピソードでもそうでしたが、今期の鬼太郎はその辺、容赦ないですね。
 だいたい鬼太郎は一度さら小僧に勝ってますからね。本気で助けようと思えば、助けられるはずなんです。それを敢えてやらなかったわけで――。この点は、第二期の「地相眼」のように、「助けるつもりはあっても、どうにもならない」という形とはまた違っていて、第六期の独自色と言えるのではないでしょうか。
 そんなこんなで、かなり堪能いたしました。

 そして余談。
 今週のアイキャッチは、原作の「さら小僧」と……岸涯小僧!
 これは、江戸時代の画家・鳥山石燕の描いた「岸涯小僧」が、さら小僧のデザインのモデルになっているからですね。
 知っている人はニヤリとできる組み合わせでした。余談終わり。


 さて次回は「化け草履」ですね。
 こちらも80年代マガジン版の中では、アニメ化皆勤賞になっているエピソードです。
 楽しみに待ちたいと思います。ではまた!

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ジャンル : アニメ・コミック

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第39話『雪女純白恋愛白書』 感想

 今回は雪女。
 という以前に、実は猫娘回!
 何と、第三~五期の猫娘の中の人達が勢揃いという、実にサプライズな回になっていました。
 第三期の三田さんはゆきの母親。第四期の西村さんはゆき。第五期の今野さんは沼御前+α。いや、こうして並べてみるとすごい豪華ですね。
 ……とは言え、僕自身は事前のネタバレを避けるために、オンエア直前の公式情報は一切閲覧せず。視聴中もキャストのことは気にせず。しかもエンディングのキャスト欄も気にせず。――というわけで、猫娘回だったことに気づいたのは、オンエア後に公式サイトを見てからのことでした。
 あ、作中のギャルゲーのヒロインが第五期猫娘に似せてあったのは、さすがに分かったけど(笑)。

 改めて、雪女です。
 原作では「雪ん子」というエピソードに登場。雪ん子、雪男と組んで、北海道の大雪山で、次々と人間の魂を奪っていました。この三人は溶かされると合体するという特徴を持っていますが、原作内では合体後もあっさり倒されたため、あまり大きな印象は残っていません。合体後がそれなりの強さを見せるのは、どちらかと言えば、アニメやゲームのような二次作品でのことになります。
 ……ただ、今回はあくまで雪女という妖怪を主役に据えたオリジナルエピソードなので、「雪ん子」色はありません。これについては、第五期の雪女にも共通して言えることですね。
 やはり、雪女という妖怪が、単体で扱えるほどにメジャーすぎることが大きいでしょう。……同じ東映でアニメ化された「ぬ~べ~」の影響も、やや感じなくもないですが(特に五期で)。

 で、内容はと言えば、純粋なラブコメ回。
 ラブコメっていうと、まずハーレム展開ありきみたいな風潮が、どうしてもウチラの業界にはあるんですが、僕は今回みたいな「恋愛ネタを笑いにした話」こそ正統なラブコメだと思っているんで、見ていて気持ちが良かったです。
 だいたいラブコメってのは、ラブを題材にしたコメですからね。女並べてハーレムやらせとけば何やってもラブコメだ、みたいな感覚は、まったくもって同意できないのです。いや、そういうのはラブコメと呼ばなきゃいいんですよ。ラブコメに失礼なんだから。
 ……話が逸れました。元に戻します。

 雪女と人間の男が互いに抱えた、「相手の短所が気になる」という悩み。しかしそれは、人間と妖怪、そして恋愛であるかどうかに限らず、誰もが様々な局面で経験するものです。
 たとえ相手に短所が目立ったとしても、それを補って余りある長所があるのなら、良好な関係を築くことは難しくないでしょう。昔から「あばたも笑窪」なんて言いますからね。いや、かき氷にワカサギ突っ込んで男に食わせるのが、「あばた」で済むのかどうかはともかく――。
 そういう意味では、今期の鬼太郎がテーマとして掲げている「相互理解」にもしっくりと当てはまる、良いエピソードだったと思います。
 鬼太郎親子だけ第五期の乗りだったけどな(笑)。

 ……余談。今回の敵役は沼御前。もともと原作には登場しない、水木妖怪図鑑からの起用組です。
 アニメ版では第五期で、「アンコールワットの女」を原作としたエピソードで初登場。ちなみにキャラクターデザインは、第五期、第六期とも、元の絵を踏襲しておらず、「蛇の要素がある女」というイメージのみを本来の伝承から引き継いだ形で、独自に描かれています。
 なお、水木先生の描いた沼御前は、メッチャ怖いです。ラブコメできないほどに……。
 以上、余談終わり。


 さて来週は……ってか、ブログの更新が遅れたから、オンエアは明日ですが――。
 来ましたね、「皿小僧」!
 皿小僧と言えば、やはり歌が気になりますね。第一期、三期、四期でそれぞれオリジナルの歌が作られ、五期では一期の歌を踏襲……という形になっていました。
 明日は果たして、どうなるのでしょうか。
 楽しみにしながら一晩待ちたいと思います。
 では!

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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第38話『新春食人奇譚 火車』 感想

 今回の原作は「逆餅殺し」。サンデー版の原作が使用されるのは、「悪魔ブエル」以来2度目です。

 そして「逆餅殺し」と言えば、やはり鬼太郎と火車の入れ替わりが大きな見せ場。これまでもアニメ化された際には必ず盛り込まれてきた要素ですが、今回はその部分を大きく広げて、ねずみ男→ねこ娘→鬼太郎と次々に肉体を乗り換えていく火車と、それに翻弄される鬼太郎達のドタバタ劇が、コメディタッチに描かれました。
 そんなわけで、ある意味「声優さんが頑張る回」でもあったわけですが……。
 一発目の、ねずみ男役の古川さんと火車役のチョーさんの入れ替わりがスムーズすぎて、聞いていてまったく違和感がないというか。「あれ、これって声優さん自体が交代してる?」と錯覚してしまうほどの巧みさ。もうこの二人勝ちの世界だった気がします。いやはや、ベテランすげぇ(笑)。
 でも一番頑張ったのは、ねこ姉さんの中の人なんじゃないか。火車も鬼太郎も演じたんだから、大変だったでしょうな。今回の庄司さんにはMVPを差し上げたいです、マジで。

 今回は他にも笑いどころが多くて、夜の歓楽街で煩悩丸出しになってる一反木綿とか、恐るべしまなちゃんのグーパンとか、ねこ姉さんのタイツビリビリとか(いや、これは笑っている場合じゃないか)、まあいろいろあったわけです。
 一方で原作のツボもちゃんとあって、お馴染み、目玉おやじによる「逆モチ殺し」がちゃんとそのまま描かれたり、冒頭の死体強奪シーンも原作どおりだったり。もっと言えば、今回の火車が老いぼれているのも、原作での火車の台詞をベースにしたのかもしれません。あとは、「逆モチ殺し」ではなく「妖怪獣」由来ですが、一反木綿が水で再生するネタなんかも盛り込まれていましたね。
 そんなわけで、ええ、素直に面白かったです。
 ぶっちゃけ、露骨な作画崩壊が惜しまれるレベルの面白さ。……いや、せっかくの新クール突入で、何であそこまで崩壊しちゃったんだろうって話なんですが。

 しかし、ですね。これらの要素でだいぶ緩和されていたとはいえ……いや、むしろコメディだったからこそ、今回のエピソードは、第六期の中でも屈指レベルの、この上ないどす黒さに満ちていたと思うのです。
 直接描写されないものの、明確に死体を食べている火車。その火車に死体を提供するねずみ男のビジネス。そして、死体を始末したい人間達の身勝手な理由の数々――。年金詐欺、轢き逃げ、快楽殺人、893のお仕事……などなど、目的は様々ながら、他人の死を悼むことのない彼らの振る舞いには、空恐ろしいものを感じました。
 そしてラスト、火車は鬼太郎達から逃れて人間に乗り移り、街の雑踏へと消えていきます。
 人が他人の死を気楽に願う街で、火車はこれから先も、そんな人間達の死体を貪り食らい続けていくのでしょう。……自身もまた、人間の姿のままで。

 というわけで、明るい笑いと暗いおぞましさが混在した、新年一発目のエピソード。
 いろいろな意味で刺激に満ちた、印象深い回だったと思います。
 やっぱり作画崩壊さえなければ


 次回は雪女。原作では「雪ん子」に登場するサブ敵でしたが、おそらく第五期同様、独立したオリジナルエピソードになる予感がします。
 というわけで、また来週!



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