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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第45話『真相は万年竹の藪の中』 感想

 今回の原作は、「妖怪万年竹」。80年代マガジン版、通称「新編ゲゲゲの鬼太郎」シリーズの1エピソードで、アニメ化されるのは今回が三度目です。
 もともとは、竹藪の伐採に怒った竹が人間に復讐しようとする――という、自然保護を教訓とした分かりやすい話でしたが、今回の第六期版では、あらすじを大きく改変。芥川龍之介の「藪の中」にヒントを得て、まさかのミステリー仕立てになりました。
 これは……もし第五期でやっていたら、鬼太郎が名探偵にry

 竹藪で人間が消えるという事件に端を発し、調査のために竹藪に足を踏み入れた鬼太郎の目の前で、次々と変わっていく事件の様相。
 果たして元凶は何なのか――という真相はラストまで分からず、すべてが明らかになった瞬間、万年竹の怒りによって一人の男が竹藪に引きずり込まれ、鬼太郎はそれを冷たい目線で見送ります。
 いやはや、なかなか凝ったストーリーでした。

 ……と言いたいところなのですがね。うん、何で犯人は最後、あんなに得意げに自供しちゃったのかな。
 鬼太郎に「あなたが犯人だ」と指摘され、もし腕の痣を露わにされれば、自分は身の破滅。……のはずなのに、特に誤魔化すでも逃げ出すでもなく、「ああ、やってやったぜ」的に堂々と自分の犯行を認め、悪ぶってみせる。そばには鬼太郎だけじゃなくて、他の人間達もいたはずなのに……(いたよね? なんかいつの間にかフェードアウトしてたけど)。
 いや、これはどうにもいただけません。少なくとも、絶対に自分の犯行が世間にバレないという自信がなければ、犯人がこういう態度を取っちゃいかんでしょう。
 せっかくのミステリー仕立てなのに、ここで急に詰めが甘くなってしまったというか、肩透かしを食らったというか。
 そんなわけで、個人的には生煮え感が強かった回でした。
 次回予告が意味深で結構楽しみでしたし、原作の竹の精をベースにした、いかにも怪しい風貌の奥さん(ただしごく普通の人間)とかも、なかなかツボだったんですけどねぇ。
 ってことで、久々にあっさり感想。


 さて次回は……「麻桶毛」!
 これも新編からですが、何と「石妖」以来の初映像化ですね!
 楽しみに待っています。ではまた!

テーマ : ゲゲゲの鬼太郎
ジャンル : アニメ・コミック

tag : ゲゲゲの鬼太郎 水木しげる 妖怪 アニメ

ゲゲゲの鬼太郎第6期・第44話『なりすましのっぺらぼう』 感想

 今回の原作は「のっぺらぼう」。すでに今期アニメ化された「霊形手術」と同じく、「人魂を食べることで顔を失う」というアイデアを盛り込んだエピソードです。
 この人魂ネタは水木先生のお気に入りだったようで、複数の作品でそのバリエーションを見ることができます。貸本時代の「人魂を飼う男」と、そのリライト作品である「霊形手術」、そして鬼太郎シリーズにおける「のっぺらぼう」が代表格ですが、他にも「悪魔くん千年王国」や、未発表原稿である「人魂の効能」など、いろいろとあるので、探してみると面白いでしょうね。
 ……と、原作の話をしておいて何ですが、今回のアニメ版は、あくまで「のっぺらぼうがメインゲストとして登場するオリジナルストーリー」となっておりました。

 ヒーローオタクである本来の「顔」を偽り、チャラ男キャラとしてアイドル活動をしている青年・敦。彼を唯一理解してくれるのは、SNSで知り合った「顔」の分からない相手、ゴーゴー万次郎。そんな万次郎に会いたいとメッセージを送った敦だったが、万次郎の正体は、かつて子供の頃に仲よく遊んでいた「顔」のない妖怪・のっぺらぼうだった。
 のっぺらぼうは、大人になった敦が自分を怖がるであろうことを心配し、鬼太郎に替え玉を頼む。鬼太郎は万次郎という偽りの「顔」で敦と会うが、その嘘はすぐにバレてしまった。鬼太郎を尾行した敦は、本物の万次郎であるのっぺらぼうと遭遇し、怯えて逃げ出してしまう。
 と、ちょうどそこへやってきたのは、敦のアイドルユニットのパートナーである悠。悠は敦を車に乗せ、ひと気のない場所へ連れていくが……。実は悠の「顔」もまた偽りのもの。その正体は、美青年に化けて人間を油断させ食らっていた凶悪な妖怪・白粉婆だった。

 ……とまあ、何かと「顔」づくしだった今回のエピソード。全体的には、心温まる系のお話としてまとまっておりました。
 人間と仲良くなりたいのっぺらぼうが、自分の顔にラクガキみたいな目鼻口を描いてうろついているところは、だいぶホラーだった気もしますが(笑)、そののっぺらぼうに「顔を偽る必要なんてない」と諭した子供時代の敦が、大人になって、自分の偽りの顔に翻弄されるという皮肉。そしてそんな彼が、のっぺらぼうのピンチを前に、ヒーローに憧れていた頃の自分を取り戻す――。
 と書くと、いい感じにまとまっているように思うのです。
 ただ――正直申し上げると、今回の話、どうにもしっくりこなかったんですよね。

 いや、純粋に「いい話」ではありますし、そのいい話を構成する上で、「偽りの顔」というキーワードが随所に散りばめられているという遊び心も分かるのですが……。
 何だろう、そのキーワードがただ散りばめられているだけで、まったく噛み合ってない感じがするというか。
 思うに、問題は一番の山場――。白粉婆に襲われた敦がのっぺらぼうに助けられて幼少時代の記憶を蘇らせ、今度はピンチに陥ったのっぺらぼうを、「ヒーロー」である自分が助けようとする、この流れ。
 ここに「偽りの顔」というキーワードがまったく絡んでいないように見えたのが、最大の問題点だったのではないでしょうか。
 そもそも敦は、べつにヒーローを愛する心を失っていたわけじゃない。アイドルの顔を作る必要のない舞台裏では、相変わらずヒーロー大好きっ子のままだった。それに、万次郎の正体が妖怪だと知って恐れたのは、単に子供の頃の記憶が薄れていたからというだけ。
 だから、敦が幼少期の記憶を蘇らせて、かつてのヒーローごっこで培った正義感を燃やし、のっぺらぼうを助けるために白粉婆に立ち向かう――という一番熱い山場において、肝心の「偽りの顔」というキーワードが、まったく無関係になってしまっているんです。
 おかげで、部分部分では面白いのに、テーマに一貫性がない。いや、「偽りの顔」というテーマ自体ははっきりしているのに、なまじはっきりしているだけに、一貫性が生まれそうで生まれていない展開にモヤモヤする。だから、どうにもしっくりこない――。
 ……と、おそらくこういうことなのでしょうね。僕が「いまいちだった」と感じている理屈は。
 これを改善するとしたら、例えば、敦がプライベートでもチャラ男キャラに蝕まれていて、もはやそのようにしか振る舞えなくなっている中で、土壇場でのっぺらぼうのことを思い出し、ついに偽りの顔を脱ぎ捨ててヒーローになる――というような展開であれば、とても納得できたかもしれないのですが。

 そんなわけで、ストーリー面ではいささか不満の残る形になってしまいました。
 ただ、小ネタの方では、注目したいところがいくつか。

 まず、今回の敵に白粉婆をチョイスしたこと。
 白粉婆とのっぺらぼう、といえば――そう、第四期ですね。
 もともと第四期では第7話で「妖怪のっぺらぼう!」という名エピソードがあって、そこでまさかの強敵として活躍したのっぺらぼう(声は現・一反木綿役の山口勝平さん)が再登場したのが、第21話「白粉婆とのっぺらぼう」。
 ある村で若い娘の顔が奪われるという事件が起こり、当然疑いはのっぺらぼうに向くのですが、すでに改心していたのっぺらぼうは、鬼太郎と協力して事件を調査。真犯人だった白粉婆と対決する――というお話です。
 まあ、因縁というほど深い因縁でもないのですが、今回第六期で再び両者が共演を果たしたのは、当時のファンならニヤリとできるサプライズだったと思います。

 それから、人魂の天麩羅……ではなく、「魂の天麩羅」となっていましたが、前述した恒例のアレ。
 すでに「霊形手術」でやっていたため、今回は完全にオミットされるかと思っていたんですが、小ネタ的にきちんと盛り込まれていましたね。
 うっかり食わすな(笑)。そして、うっかり食うな(笑)。

 最後に、敦とニセ万次郎(鬼太郎)が入った喫茶店の名前。
 「ザ・パリティ」って……?
 これはもしや、「鬼太郎夜話」に出てきた「ザ・パンティ」か(笑)!
 支配人の名前が助部(すけべ)さんでお馴染みの、あの「ザ・パンティ」か!
 名前はアレだけど、店自体は上品なことでお馴染みの、あのry

 というわけで、エピソードより小ネタの方に目が行ってしまった今回はここまで。
 あ、でものっぺらぼうは可愛かったです。


 次回は、「妖怪万年竹」。しかも次回予告を見る限り、なんか面白そうな雰囲気ですね。
 どんな話に仕上がっているのか、今から楽しみです。
 ではまた!

テーマ : ゲゲゲの鬼太郎
ジャンル : アニメ・コミック

tag : ゲゲゲの鬼太郎 水木しげる 妖怪 アニメ

ゲゲゲの鬼太郎第6期・第43話『永遠の命 おどろおどろ』 感想

 今回の原作は「おどろおどろ」。
 自らを薬の実験台にし妖怪と化してしまった科学者と、彼を守ろうとしたその息子・正太郎の物語です。
 読み切りの短い作品ながら、おどろおどろを倒した鬼太郎が正太郎に石を投げられ静かに去っていくエンディングは、とても切なく、印象深いものでした。
 一方で、霊界輸送機やホウキ元素といった独特な発明品・化学元素が、水木色を存分に発揮しております。
 歴代アニメ版でも常連エピソードの一つですが、実はアニメの方では、ストーリーの肝である正太郎ポジションの人物像が、各シーズンで変遷しているのが特徴的だったりします。

 第一期は原作に則した少年として登場。誘拐と採血を繰り返す父を世間から匿い、それ以上のことは特にしないという無難な立ち位置でした。父を倒した鬼太郎に怒りをぶつけるのも、原作と同じです。

 しかし第三期では、一転して青年として登場。こちらは父の餌食となる子供をさらう、誘拐の実行犯としての役目を負っていました。しかしながら父の凶行に苦しんでもおり、「子供を襲うぐらいなら自分の血を吸って満足してくれ」と自らの腕から血を垂らして父に迫る姿は印象的。が、もちろんおどろおどろは言うことを聞いてくれず――。
 父親を鬼太郎に倒された後は、自ら警察に出頭するため、爽やかな笑顔で去っていきました。鬼太郎を恨むという要素はなく、原作から一転して後味のいい終わり方になったものの、きれいにまとまっており、父による呪縛とそれに苦悩する息子を描いた良作だったと思います。

 続く第四期ですが……これは正直いただけない回になりました。
 正太郎ポジションとして、科学者の助手(女性)が登場しますが、彼女については、あまり印象は残っていません。
 問題は、おどろおどろが迎えた結末ですね。なんと、鬼太郎の力で人間に戻してもらえるんです。
 ……いや、戻ることそのものは悪くないんです。ただ、おどろおどろは自分が元の姿に戻るために、子供の新鮮な血液を求めていました。それが妖怪になったが故の暴走……であればまだいいのですが、どうも彼の場合、きちんと人間としての意思を保った上で、利己的に振る舞っていたようにしか見えないんですよね。なのに最後、鬼太郎が科学者を助け、科学者がお礼を言って終了という、何ともすっきりできない展開に――。
 そもそも原作の「おどろおどろ」は、「救われるべき存在が救い様のない悪に染まった時に、それを裁くか、許すか」という大きなテーマを内包した作品でもありました。鬼太郎は自らの役目として裁くことを選び、肉親である正太郎は許すことを望んだ。だからそこに対立が生まれたわけです。
 第三期では、鬼太郎は当然裁く立場にありました。一方で息子は、「許す」と「裁く」の狭間である「迷う」位置にあり、苦悩の末、親子ともども裁かれることを望みました。だからそこにドラマが生まれたわけです。
 しかし第四期は……そういった要素が何一つなく、ただ理不尽なだけだった気がします。この第四期自体、「人間が殺される」という展開をかなり慎重に避けていたようで(一部例外はありましたが)、その結果こうなったのかなとも思うのですが、それならそれできちんと視聴者を納得させてほしかったですね。

 続いて第五期。こちらは原作要素はかなりオミットされ、純粋に悪の妖怪としてのおどろおどろが登場するに留まりました。
 言ってしまえば、「おどろおどろ対吸血鬼」に登場する方のおどろおどろですね。なので、原作との比較は不要な感じです。
 ……そんなわけで、ここまで過去作のおどろおどろのおさらいでした。長ぇよ。


 さて第六期です。
 今回はまたこれまでとは少し変わっていて、おどろおどろは人間時のみ理性を保ち、変身すると理性を失うというパターンを繰り返していました。言わば狼男タイプですね。そして人間時に限り、自らを裁いてもらうことを望んでいます(……余談ですが、不死の細胞の論文を巡る部分は、STAP細胞騒動をベースにしていますね)。
 一方でその娘・美琴は、父を許すことを望むポジション。これについては原作より徹底していて、SNSで自殺志願者を募って父の餌食になってもらうことを検討するなど、かなり過激な方向に陥りかけていました。
 そんな中、鬼太郎は「裁く」と「許す」の狭間で「迷う」ことになります。おどろおどろが人として理性を保っているが故の悩みですね。旧作ではあくまで裁く側にいた鬼太郎ですが、ここへ来て新たな可能性が描かれたことになります。

 果たしておどろおどろを倒すべきなのか、否か――。鬼太郎がその迷いを最終的に断ち切ったのは、おどろおどろがついに美琴の血を吸い始めた瞬間でした。
 もはや人間に戻ることはできない、と判断し、指鉄砲でおどろおどろを倒した鬼太郎。その鬼太郎に、静かに怒りをぶつける美琴。最終的に対立が残ったのは原作と同じですが、ここに至った鬼太郎の葛藤や決断を想うと、なかなか味わい深い回だった――と感じた次第です。

 おどろおどろから人間の姿に戻った父親の肉体が霧散し、美琴がその手を取ることが出来なかったのが、印象深かったです。
 あの時点で、父親は完全に妖怪になってしまっていた――と見なすべきなのでしょうね。


 さて、ここから零れ話。
 今回の話の中で、迷う鬼太郎に目玉おやじが、牛鬼のエピソードの時のことを語る場面がありました。
 おどろおどろと牛鬼。理性を失って怪物と化した肉親を、どう扱えばいいのか――という点で問題が一致しており、上手く絡めてきたなぁというのが、まあ、初めの素直な感想だったのですが――。
 ……ん、おどろおどろと牛鬼? いや、これは原作的には因縁の組み合わせじゃないですか!

 貸本版「墓場鬼太郎」で夜叉として登場したキャラクター(姿はマガジン版の夜叉と共通)が、貸本版のリメイクとして描かれたガロ版「鬼太郎夜話」で、名前を牛鬼に変更。ただしその姿はおどろおどろ。
 さらにこの「おどろおどろの姿をした牛鬼という名前のキャラクター」が登場するパートが、独立した「牛鬼対吸血鬼」というエピソードとして、マガジン版でリライト。ところが、「牛鬼対吸血鬼」や、ガロ版「鬼太郎夜話」が単行本に収録されるにあたって、今度は問題のキャラが、「牛鬼」に登場するクモ型の牛鬼とデザインが食い違ってしまう……ということで、すったもんだの末(もっと詳しい経緯が知りたければ、水木しげる漫画大全集の該当巻とかをご参照ください)――。

・「牛鬼対吸血鬼」は、「おどろおどろ対吸血鬼」にタイトルを変更。
・「鬼太郎夜話」冒頭の、おどろおどろ姿の牛鬼が出てくる部分は、一時的なカット後、クモ型の牛鬼が出てくるバージョンを描き下ろして追加。

 こんな感じで大改編がおこなわれたわけです。
 で、これが後続の再録本にも影響したため、だいたい僕ぐらいの世代が小さい頃に読んだ原作は、全部改変後のものばかりだったんですね。上記の複雑な経緯は、大人になってからKさんという詳しいかたに教えていただきました。はい。
 ……で、その牛鬼とおどろおどろをさりげなく絡ませた、今回のアニメ版。狙って書いたのか、脚本さん(笑)。

 あと、零れ話ついでにもう一つ。
 アイキャッチに出てきた「おとろし」というのは、「おどろおどろ」と同じ妖怪です。水木作品の中では、妖怪画はおとろし、漫画版はおどろおどろという具合に名前が使い分けられていますが、もともとは江戸時代に狩野派の絵師達によって描かれた同一妖怪で、鳥山石燕もこれを描いています。
 ただ、見た目はともかく、名前の方が統一されていないようで、「おとろし」「おとろん」「おどろおどろ」「毛一杯」みたいに、絵によっていろいろな名前が記されています。
 まあ、毛一杯は後続絵師のネーミングセンスの問題なのでともかく――。実は「おとろし」「おとろん」「おどろおどろ」については、これは名前が混乱した理由が、明白だと思います。
 当時の字体を見比べれば分かるのですが、「し」、「ん」及び、複数の文字を繰り返す記号である「くの字点」は、形状としてかなり紛らわしいのですね。そこから生じた読み違えが、上記のような妖怪名のブレに繋がったのだ――と推察されます。
 以上、零れ話でした。

 ……本編の感想より、旧作の話と余談が多いのはどうなのか。


 さて次回は「のっぺらぼう」。
 人魂を食べて顔を盗る……のはもう「霊形手術」で同じことをやっちゃってるので、完全にオリジナルストーリーになりそうですね。
 ではまた!

テーマ : ゲゲゲの鬼太郎
ジャンル : アニメ・コミック

tag : ゲゲゲの鬼太郎 水木しげる 妖怪 アニメ

ゲゲゲの鬼太郎第6期・第42話『百々爺の姦計 妖怪大裁判』 感想

 今回の原作は「妖怪大裁判」。
 「妖怪のパーティーをテレビで人間に公開した」という、無実の罪に問われた鬼太郎が、妖怪法廷で裁かれる危機を描いた人気エピソードです。
 この話を大きく盛り上げるのは、何と言っても、これまで鬼太郎に敗れてきた悪党妖怪達の再登場でしょう。見上げ入道を筆頭に、天邪鬼、おどろおどろ、さら小僧といった面々が、この機に乗じて鬼太郎に復讐を果たそうと結託。事件の黒幕である百々じじい(原作版での名)に協力して、鬼太郎とぶつかり合います。
 もともと昭和マガジン版の中でも後期の方に位置するエピソードですが、それゆえの豪華な顔ぶれと言えるでしょう。
 なお、マガジン版のゲスト妖怪再登場ということで、当時単発のゲスト扱いだった猫娘が敵妖怪側に混じってしまっているのはご愛敬。……いや、同じ味方妖怪でも、かわうそと丸毛は「悪党妖怪に睨まれて鬼太郎の擁護ができなかった」という理由が描かれているのですがね。猫ちゃんガチで裏切ってたんか(笑)。
 それはともかく、これほどの豪華なエピソードですから、歴代アニメ版でも二期以降、欠かさず映像化されてきたのは、言うまでもありません。また実写映画版の一作目でも、原作エピソードの一つとして採用されています。

 ……で、それを踏まえて第六期版なのですが――。
 まず第六期全体の視点で見てみると、とても重要なキーエピソードになっていた、と言えるでしょう。
 というのも、この話そのものに黒いオッサン(仮)が絡んでいたからですね。しかも黒幕ポジション。百々爺に入れ知恵して鬼太郎を陥れたのは、すべてオッサンの計略だったという……。いや、よく会話が成立したな、百々爺とオッサン(笑)。
 で、オッサンの目的は、やっぱり「悪意」を集めること。そしてまなちゃんの体には、四番目の刻印である「金」が刻まれてしまいました。
 やはりこの第四クールで「水」まで行きそうですね。ということは、オッサン編はこの一年目でまとめる感じですかね。
 ……と、以上の部分から、キーエピソードだったと言えるわけではありますが――。

 一方で、「妖怪大裁判」として見ると、正直、かなり物足りない出来だったと思います。
 理由は、悪党妖怪再登場編じゃなかったから。もうこれに尽きます。
 原作では、鬼太郎が黒幕を突き止めるため、刑の執行目前で逃走。そこから百々爺率いる悪党妖怪の軍然とぶつかり合うという、最大級の見せ場があったわけですが……。
 今回のアニメ版は、そういった部分を無くし、敢えて「法廷ミステリー」という形にまとめておりました。これ自体はユニークな試みではあるものの、やはり歴代旧作の豪華さと比べてしまうと、スケールダウン感は否めなかったです。

 もちろん、「旧作と違って設定をアバウトにしていない以上、一度倒されてしまった敵を迂闊に復活させられない」という理由はあったのかもしれません。
 一方で小次郎の再々登場や、法廷に立たされるまな、黒いオッサンの暗躍。何より、敢えて一切の抵抗を見せず、事件解決と同時に平然と帰っていくクールな鬼太郎など、第六期ならではの面白さも随所に盛り込まれていました。
 原作ファンサービス的には、原作と同じカットで項垂れポーズをするねずみ男と、「鬼太郎夜話」を延々と語る目玉おやじがポイント高し。お父さん、寝子ちゃんのこととかも喋っちゃったんですかね。あの場に猫娘がいなくてよかったね。
 ……と、そういう擁護なり見せ場なりはあったにしても――。
 今回の「妖怪大裁判」は、だいぶ小さな話になってしまった、と残念に思うわけでありました。


 次回は「おどろおどろ」。これも定番エピソードですね。
 せっかくなので、後味悪いのを期待しています(笑)。
 ではまた!

テーマ : ゲゲゲの鬼太郎
ジャンル : アニメ・コミック

tag : ゲゲゲの鬼太郎 水木しげる 妖怪 アニメ

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