都の条例問題とか

 今回の都の青少年健全育成条例改定問題について。すでに多くの方からが批判意見が出ているとおり、非常に不愉快極まりない事態になっています。
 今回規制されるのは、「強姦など刑罰法規に触れる性行為や、近親相姦など著しく社会規範に反する性行為を、不当に賛美・誇張して描写したアニメ・漫画等」とのこと。注意したいのは、この条件に当てはまる作品が、いわゆるお色気物に限らないということです。
 反社会的な性行為が登場しやすい作品――。例えば、ミステリーでは犯罪をネタとして扱います。当然その中には性犯罪も含まれます。また、ホラーでは登場人物の異常性を象徴するため、近親相姦のネタは頻繁に見受けられます。他にも、悪役を憎悪の対象と位置付けるため、性犯罪に走らせている作品は、ジャンルを問わずいくらでも存在します。いずれにせよ、物語作品における反社会的な性行為というのは、「憎まれ役を憎まれ役として引き立てる」要素であり、「退廃的な空気や異常性を強調する」要素でもあるわけです。べつに、読者・視聴者の性欲を刺激するのが目的とは限りません。
 しかしながら、これらはすべて、今回の条例に引っ掛かりかねません。仮に露骨な描写を避け、場合によっては犯罪未遂で終わらせたとしても、都がアウトと言えばアウトになってしまいます。また、規制を恐れた出版社側がセーブをかけてしまえば、未遂ですら許されなくなってしまうことでしょう。

 今回の改定は、まさに表現の自由を奪う行為です。確かに昨今の漫画・アニメ・ライトノベル業界は、過剰に性的要素をプッシュしているきらいがあります。しかしその煽りを受けて、お色気に重きを置かない他のジャンルにまで規制が飛び火してしまうことは、十二分に考えられます。
 何より問題なのは、今回の規制対象が「アニメ・漫画等」に限定されている点。非常に不可解です。例えば、露骨な性描写のある一般小説はどうなのか。必要最低限の個所だけを水着で隠したグラビアアイドルの作品はどうなのか。さらに言えば、十八歳未満の少女がグラビアアイドルとして肌を晒している事実はどうするのか。実写のドラマや映画にだって、性犯罪を臭わせる描写はいくらでも出てきます。
 いや、もちろんこれらを一緒になって規制しろと叫ぶつもりはありません。ただ、都の中途半端さには首を傾げざるを得ないのも事実です。結局彼らが敵視しているのは、悪質な性描写などではなく、「自分達の生きる世界から見れば極めて異質な、漫画・アニメ文化そのもの」ではないのか――と考えるのは、邪推でも何でもないように思うのです。
 気に食わないという理由だけで、実害のない異文化を攻撃する――。まるでどこかの反捕鯨団体です。いや、やっている行為は明らかに同質なのに、こちらは政治の力を使って合法的に「制裁」を加えてきた辺り、むしろ遥かに性質が悪いと言えるでしょう。

 ……長々と書きましたが、私が作家として望むことはただ一つ。
 自分が面白いと思える作品を書き、それを世に出していきたい。その邪魔を、しないでいただきたい。
 それだけです。
 

tag : 小説雑感

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