解題「マキゾエホリック」 第一回

 気がつけば、「マキゾエホリック」シリーズが「品切れ重版未定」となっていた。
 要するに「角川書店には在庫がなく、現在は各書店に流通している分でおしまい」ということである。もっとも、特に希少価値の高い本でもないから、新古書店などを利用すれば簡単に手に入るのだろうが、やはり私にしてみれば「終わったのだ」という想いは強い。
 そう、終わったのだ。現状では重版はもちろん、少なくとも商業ルートで続巻が出る予定は、まったくない。
 ただ――誤解のないように言わせていただければ、私はこの件について不満を抱えているわけでもない。何しろ商業の世界だ。終わるべくして終わった、ということだ。
 だから今回筆を執った理由は、他にある。


 そもそも「マキゾエホリック」(以下「マキゾエ」)とは何なのか。
 まず当たり前の説明で恐縮だが、私の手がけた初めてのライトノベルシリーズである。その一冊目となる『マキゾエホリック Case1:転校生という名の記号』は、「君等の記号/私のジケン」の題で、第一〇回スニーカー大賞において奨励賞を賜り、改題・改稿を経て、角川スニーカー文庫の一冊として出版された。シリーズ全体としては、長編三本と短編二本。加えて言うなら、未完である。
 続いてストーリー内容を簡単に説明すると、「フィクション世界ではありがちなキャラクターが、とある高校の一クラスに集っている話」である。まあ、これで間違いない。もう一つ、「ミステリー仕立てである」という要素もあるが、やはり目が行くのは前者だろう。
 この説明からも分かるとおり、劇中での展開は至って派手である。登場人物は多いし、戦闘はあらゆる状況で勃発するし、主人公はしょっちゅう死にかける。なのにミステリーである。不整合な世界にも拘わらず整合性が要求され、客観的な視点が強いられる。要するに、無茶苦茶なのだ。
 そして無茶苦茶であるが故に、混沌としている。
 実のところ、この「マキゾエ」という作品の中で描かれたものは何だったのか――。それを真に読み解いた読者の方は(プロの作家・書評家の方を含めて)、極めてゼロに近かったに違いない。もっともその原因は、私が敢えて「裏のテーマ」として隠した上に、阿呆みたいな装飾で全面を覆い尽くしてしまったからなのだが、その結果「何だかよく分からんシロモノ」と認識されてしまったのは、自業自得とは言え、勿体ないことをしたと後悔している次第である。
 しかも――もう一度繰り返すが、「終わった」のだ。どんなに続巻でフォローしたくとも、もうできない。

 だからこそ、私は筆を執る。幸いここは私のブログである。どれだけの方が閲覧されているのか、そもそも「マキゾエ」の読者の方は閲覧しているのか、実は私一人が見ているだけなのではないか等々、不安要素は多々あるが、逆に言えば、人様に迷惑さえかけなければ、どんなに金にならないことを書いたところで、誰も困らないのだ。
 本の中に残すことができなかった「マキゾエ」の全貌。この複雑怪奇かつ壊滅的な様相を見せた物語が、いかにして産み落とされ、育とうとしていたか。

 大いに書かせてもらうこととしよう。

テーマ : ライトノベル
ジャンル : 小説・文学

tag : マキゾエホリック

お知らせ
最新記事
カテゴリ
ユーザータグ

モンスター 映画 告知 妖怪 妄想少女 モンスターハンター リバース;エンド 異世界妖怪サモナー アニメ 多元宇宙 ポケットモンスター 二次元名鑑 闇堕ち騎士がダンジョン始めました!! 小説雑感 PSP マキゾエホリック ウルトラマン ボードゲーム 世紀末オカルト学院 DS 3DS カクヨム 小説 相棒 

検索フォーム
リンク
月別アーカイブ