解題「マキゾエホリック」 第十一回

 さて、久しぶりの更新である。これまで全十回を費やして、作品の成り立ちまでを述べた「解題 マキゾエホリック」だが、ここからは受賞後の話になる。発表した作品ごとに、解説していきたい。


◆「マキゾエホリック Case1:転校生という名の記号」
 この作品については、もはや述べるところもほとんど残されてないだろう。何しろ過去十回の解題に、この作品に込めた意味が凝縮されている。
 それでも受賞作からの大幅な変更点は、確かに存在した。
 まず、登場人物の整理。前々回にも述べたとおり、「さすがに多い」ということで、ストーリーを追う上で不要な生徒の登場を削り、「後々のお楽しみ」として取っておくことになった。また純粋な登場制限のみならず、一部の生徒については、記号の重複などを理由に、その存在自体が削除された。まあ、これでクラスの人数が減れば、まだ可愛げがあったのかもしれないが、あいにく私はと言えば、「クラスはキリのいい人数に限る」というだけの理由で、削った分だけ新たに生徒の設定を追加してしまった。懲りない話である。
 もう一点、「君等の記号~」から大きく変わった要素がある。一年乙組に潜む「黒幕」、工藤スグルだ。実のところ彼の設定は、加筆修正の段階で驚くほど変化している。
 この点について、ここで詳細を述べてもいいのだが……いや、今しばらく取っておこう。いずれ、キャラクターごとの詳細なども記事にするつもりだ。


◆「マキゾエホリック Case0:ポニーテールという名の記号」
 こちらは一巻目の発売に先駆けて、「ザ・スニーカー」誌に掲載された短編作品である。現在は電子書籍として購読が可能なので、ぜひとも未読の方はお読みいただきたい。何しろ、これが私のデビュー作なのだから。
 タイトルに「Case0」とあるとおり、シリーズそのもののプロローグ的な位置付けになっている。主人公に、「女難」の記号を持つ倉時孝助。相手役のヒロインに、「記者」の記号を持つ百川優。今にして思えばなかなか異色のカップルを軸に、灘ではなく工藤をまとめ役として配したのは、もちろん番外編である点を意識してのことである。
 ちなみに孝助を主役に据えたのは、彼がライトノベルの主人公として、非常に分かりやすい記号の持ち主だったからだ。言わば、お披露目役としての安全牌といったところか。むしろ百川優の奇行ぶりこそ、私の書きたかったところかもしれない。
 なお、このエピソードには一人、極めて伏線的な人物が登場する。これについて、今少し説明をしておきたい。

 一巻目の加筆修正時に、担当氏から指摘されたことがある。それは「一年乙組の成り立ち」。即ち、何ゆえこのようなおかしなクラスが出来上がってしまったのか、だ。
 もちろん私は、それに対して明確な答えなど用意していなかった。少なくとも初期の設定上では、一年乙組というクラスに「問題児」(実はこの単語、差別的として校正時にチェックが入ったのだが、そのまま使用させてもらった。今回も「作品の解題」という趣旨に則り、このままの形で記しておく)が集結したのは、偶然の結果である。そこに人為的な操作があったわけではなかった。
 ただ――それでは読者は納得しない、と言うのだ。まあ、ごもっともである。
 従って私は、この「一年乙組が出来上がった理由」を、ストーリーの中に織り込まざるを得なくなった。シリーズを通して追い求められていくべき「巨大な謎」として、読者を引っ張るために意識せねばならなかった。だから二巻以降、「乙組ができた理由」は、物語の本筋を走る事件に絡みながら、影のように付きまとう。「ポニーテールという名の記号」における問題の人物もまた、その一環である。
 さて、この謎が明かされる日は来るのだろうか。少なくとも私の中には、すでに真相は描かれているのだが。


 以上、デビュー作にまつわる二本の解説である。
 残す三本は、また次回。

テーマ : ライトノベル
ジャンル : 小説・文学

tag : マキゾエホリック

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