総天然色の前編

 以前記事で触れた総天然色仕様の『ウルトラQ』BRボックス。ついに前編(1~14話)が一週間前ぐらいに我が家に届いたので、何日かかけてひととおり鑑賞しました。
 なるほど、総天然色です。カラーではなく総天然色なんです。何が違うかは見れば分かるかと。
 「モノクロにはモノクロの良さが云々」とはよく言いますが、そこから一転、画面に色が付くことで視覚的に生じるカラーアクセントは、これはこれでれっきとした「良さ」を持っています。オリジナルの尊重はもちろん大事ですが、こういう試みも面白いものですね。

 以下、具体的なカラーリングレビューなど。
 
 今回、色が付いたことで見栄えがぐっと良くなった怪獣と言えば、何と言っても第3話『マンモスフラワー』に登場するジュランではないでしょうか。「青空の下、ビルを突き破って咲いた巨大な赤い花」というビジュアルイメージがはっきり再現され、エピソードが持つ空気感自体が純粋に強化されています。
 エピソードの空気という点では、第9話『クモ男爵』に登場するタランチュラ。「カラー化されることで怪奇色が損なわれるのでは」なんて懸念もあったようですが、そこは「カラー化」ではなく「総天然色化」ですので、きちんと暗い雰囲気を保ったままでした。立派。
 逆にバルンガやリトラは、もうちょっと派手にしてもよかったんじゃないかな、と思います。一応原画や造形物の素材を考慮して決めた色のようですが、個人的にはもっと派手なイメージがあったので……。
 一方でガラモンやペギラみたいに、すでにカラーイメージがはっきりしている怪獣は、「違和感無く」を通り越して、むしろ当然のように脳が受け入れました。後編に控えているカネゴンやケムール人も同様かと思われます。
 完全に「あれ?」と思ったのは、第1話の顔であるゴメス。緑なのはいいんですが、暗い洞窟の中でも妙にグリーングリーンしてるんですね。おそらく「ベースとなる色を決めたら、あとは光の当たり方や強さで、最終的な色を決める」という感じで着色作業がおこなわれたと思うのですが、これはさすがに違和感があります。あまり機械的な作業にこだわらず、地上に出るまでは、敢えて黒っぽい色でもよかったんじゃないかな、と思ったのでした。

 そして、全体的に気になった点が二つ。
 一つは「炎」の色彩表現。本作は空想科学特撮であるがゆえに、火災や爆撃等で頻繁に炎が登場する作品です。が、その炎の色が何と言いますか、明るすぎるんですね。おかげで、まるで合成したかのように、画面から浮いてしまっています。
 確かにモノクロフィルムの中では、火というのはほぼ白一色で再現されてしまうわけですが……。今回の着色作業に当たって、やはりそれを機械的に処理しすぎたきらいがあります。ここはもっと柔軟に考えて、自然な炎の色にしてもらいたかったなぁ、と。
 もう一つは、フィルムの傷。なぜか残ってます。全面的にデジタル処理をする中で、こういうのは消しきれないものなんでしょうか。せっかくの着色版なのに、やはり違和感が……。

 以上、感想でした。
 改めて見返してみたら、第5話の『ペギラが来た!』が、怪獣の「前兆」をしっかり描写して、その不気味さを上手に表現していることに気付きました。舞台が南極という閉鎖された空間ってのもいいですね。この話、一気にお気に入りに。

テーマ : 特撮・戦隊・ヒーロー
ジャンル : 映画

tag : モンスター ウルトラマン

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