怪物映画レビュー 『ダイナクロコVSスーパーゲイター』

原題:DINOCROC VS. SUPERGATOR
2010年・アメリカ

 島のとある研修施設で異変が発生。遺伝子操作によって巨大化したワニとトカゲ(二足歩行)が檻から脱走したのだ。貪り食われる研究員達。壊滅する施設。そして二頭の怪物は、川に消えていった――。
 施設の持ち主である企業の社長は、不正な動物実験をおこなっていたという証拠を隠滅するため、逃げ出した怪物と目撃者の始末に乗り出す。だが、そのために雇った傭兵部隊は瞬く間に全滅。隠蔽活動を任された女秘書は、部隊に取って代わる新たな戦力として、凄腕のハンターを招き入れた。
 一方、企業の不正を暴くべく島に潜伏していた主人公は、地元の自然保護官である女性と一緒にいるところを、巨大トカゲに襲われる。駆けつけたハンターのおかげで一命を取り留めた彼らは、研究施設の唯一の生き残りである所員から事情を聞き、怪物が二匹いることを知った。
 すでに島では多数の犠牲者が出ている。これ以上の被害を食い止めるため、主人公とハンターは協力して、怪物たちの殲滅に乗り出した。そのための作戦とは……そう、二匹を戦わせて消耗させるのだ。


 すっかり定番となったVSもの。どっちがダイナクロコでどっちがスーパーゲイターなのか、いまいち分かりません。以前、制作者が同じロジャー・コーマンさんの『ディノクロコ』って映画があって、そこでは二足歩行の古代ワニが出ていたんですが、じゃあ今回の二足歩行トカゲがダイナクロコなのでしょうか。まあ、どうでもいいちゃぁいいことですね、はい。
 登場人物的には、ちょっと頼りないエージェントもどきの主人公がいて、美人の自然保護官ヒロインがいて、その父親は保安官で、企業の社長は悪人で、美人秘書は極悪人で、ハンターは一匹狼のイケメンで、傭兵部隊は役立たずで、ワニとトカゲは動きがフランクすぎるCGで……と、どこをとっても安心して見られるんじゃなかろうか(←たぶん褒め言葉)というメンバー揃い。
 そんな彼らが織りなすストーリーは、これまた安定感抜群。そんな中でもきちんと盛り上げどころは用意されておりまして。中盤。研究施設に立ち入る主人公と、それに同行するヒロイン。そのヒロインのミスで無線連絡が取れなくなった父親は、一人で娘の身を案じ、さらに女秘書(そもそも秘書なのだろうか、あのねーちゃんは)とハンターのコンビもまた、ワニを追って船で研究施設へ……。
 思惑を微妙に異ならせる彼らが、ワニを事件の中核に据えた形で徐々に一点に集まっていく流れは、ストーリーテリングの見本はかくあるべしと思わせる展開。この後おそらく怪物が襲撃してきて、そこで一同が顔合わせ。場を仕切ろうとする主人公とハンターの諍いとか、主人公を亡き者にしようとする女秘書とか、ここぞというところで助けに来る保安官パパとか、いろいろ期待できるな……なんて思っていたら、主人公の車を襲撃したトカゲをハンターが船から狙撃。どうにか危機を脱した後、両者は顔を合わせることなく再び離れ離れに。保安官パパもいまだ到着せず。
 「うーんまだ引っ張るか」と思いきやその直後、唐突に全員が顔を突き合わせて、怪物対策を語り合っておりました。いつ合流したのさ、あんたら。しかも一匹狼のハンターさん、「俺は一人でやらせてもらうぜ」がモットーだったのに、すげー勢いで主人公と仲良くなってて、協力を惜しまなさすぎ。何これいい人じゃん。
 そんな地味なしょんぼり展開の後、結局極悪人だった女秘書は無事FBIに撃ち殺され、その場にいた社長も心臓発作でお陀仏という、モンスターパニック史上相当しょぼい死に方をした黒幕として退場。そんなことより早くVSしようぜとばかりに顔を合わせたワニとトカゲも、ほぼ一方的にトカゲがワニをなぶり殺して、何の盛り上がりもなくあっさり決着が付くという……いやもうなんかどうでもいいです。
 面白かったよ、うん。

テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

tag : モンスター 映画

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