怪物映画レビュー 『モンスター・マウンテン』

原題:BEHEMOTH
2010年・アメリカ

 世界各地で続発する地殻の異常。地震、地熱の上昇、氷河の崩壊……。すべての中心は、アメリカはルイジアナ州のとある山にあった。群発地震に襲われる麓の町。山中では地熱とともに地表に二酸化炭素が溢れ出し、人がふとした弾みで横たわったが最後、容赦なくその命を奪う。これは果たして大規模な火山活動の前触れなのか。しかし噴火であるならば、その爆発はとっくに起きていなければおかしい……。
 山で伐採作業をしていた元軍人の男は、元恋人の地質学者から山が危険であることを知らされ、町の保安官に大規模な避難勧告を促す。一方彼の父親は、神話や伝説上に見られる「世界を破滅させる巨獣」の妄想に取り憑かれ、その存在をほのめかしていた。
 果たして異変の正体とは何か。真相を知る軍部は、事態を終息させるための鍵となるカプセルを山に持ち込むが、隊員の事故によってそれを紛失してしまう。そして男の妹もまた、山が危険な状態にあることを知らぬまま、恋人と二人でキャンプに訪れていた。
 カプセルを、そして妹を捜すため山へ分け入った男は、そこで異様な光景を目撃する。地面を割って現れる巨大な触手。それは破滅をもたらす伝説の巨獣・ベヒモスのものであった。山頂を揺るがし、麓の町に地割れを起こし、やがてベヒモスはその巨体を浮かび上がらせる。山そのものとも言える、凄まじい巨体を……。


 幻獣系パニック映画。これまでにも、ドラゴンやらヒドラやらクラーケンやらマンティコアやらガルーダやら、いろいろなものが現代に蘇っていましたが、今回のベヒモスは神話上の存在ながらも、そのデザインを大胆に一新。ゾウ、カバ、サイといった大型草食獣のイメージを伴う既存のものとは異なり、巨大な口と多数の触手、蟹脚を持った、山サイズの巨大クリーチャーとして描かれています。
 その圧巻ぶりはなかなかのもの。この手の映画にありがちな「パッケージ騙し」に陥ることもなく、素敵な異形を存分に見せつけてくれるのは嬉しい限り。特に、夜の岩肌に浮かび上がる巨大な瞳や、中腹の森のはるか上空より襲いかかってくる巨大触手、そして山頂に被さるようにして現れる終盤の雄姿など、鑑賞者の怪獣好き魂を揺さぶることこの上なし。
 惜しむらくは、町にまで到達して暴れた触手が一本だけってのが寂しいところですが、それも些細なこと。怪物出現の前兆を中心に据えた正統派ストーリーに加えて、オカルティズムと科学的パニック要素の絶妙なバランス。「人類に破滅をもたらす『竜の息吹』とは、二酸化炭素のことだったのだ!」なんてハッタリに満ちたこじつけも楽しく、そして何より、カプセルの中から現れた秘密兵器のわけ分からんカッコよさ(ただのロケットランチャーと侮るなかれ。撃ってびっくりだぜ)に、とにかく至福の一時を味わえたのでした。

 ところで中盤、闇の中で家一軒が丸ごと地面に飲み込まれる豪快なシーンは、『トレマーズ』の車沈没を彷彿させたりさせなかったり。オマージュか、はたまた偶然か。でもまぁ、グラボイズが果てしなく巨大化したら、こんな具合になるのかも。

テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

tag : モンスター 映画

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