怪物映画レビュー 『ザ・スネーク』

原題:COPPERHEAD
2008年・アメリカ

 時は西部開拓時代。無法者に支配された小さな町を、一人の男が訪れる。町を牛耳るボスは、酒場で彼に因縁をつけ、ポーカーの勝負を挑むが、男は言い返す。
「早くこの町を出た方がいい。蛇の大群が押し寄せてくる」
 なんと、西を目指す毒蛇の群れが、すぐそこまで迫っていたのだ。
 その後、ガンファイトでボスに致命傷を負わせた男だったが、すでに町を出るための馬は蛇の毒牙にやられ死亡。逃げ場がないと知った彼は、町の住人達と協力して、毒蛇の大群に挑むことになる。
 ボスを裏切り町の味方についた地元の不良。男勝りの売春婦。気のいい酒場の店主。度胸のある医者。戦争時代の武器を改造して使用可能にした凄腕の老技師。ボスの復讐を誓うならず者。役立たずの保安官。などなど。バラエティに富んだ面々が、大量のガンにガトリング砲やダイナマイトを駆使して、蛇軍団に戦いを挑んでいく。
 だが、蛇の死骸を調べた医師が、恐ろしいことに気付いた。蛇の体色や形状を見る限り、これらはすべて幼体。つまり、これよりもはるかに巨大な親がいるのだ……。


 のっけから主人公の前に横たわる瀕死のジジイの、
「突然、蛇が現れたんじゃ」
 の一言がツボ。台本の一番最初に書いてある台詞がコレって。しかも「じゃ」。その後、

「蛇が襲ってきた……ゲホッ!」
「あれは悪魔だ……」
 ガクッ

 と続きます。この合計三言でヘビに関する状況説明をすべて終え、無理やり納得させてしまう力技。昔のRPGとかにたまにこういう人がいますが、とにかく「深く考えるな」ってことなんでしょうね。
 その後は蛇そっちのけでガチなガンファイトシーンが入り、落ち着いたところでようやく蛇が到着。なんで蛇軍団が荒野を激走してんだとか、そういうささやかな疑問はすっ飛ばし、以降は軽妙なノリで毒蛇軍団との攻防戦が描かれ、最終的には『パイソン』ばりの大蛇まで登場するというサービスっぷり。サービスと言えば、ラストはでかでかと"THE END"の文字まで出てきます。

 西部劇とモンスターパニックの融合と言えば、『トレマーズ4』や、以前ここでレビューした『宇宙戦争ZERO』などがありまして。いずれにしても現代の科学力や兵器が存在しない世界で、いかにして凶悪なモンスターと戦うかってのが見所。日本で喩えるなら、江戸時代を舞台に怪獣映画を撮るようなものですね。
 実際にこの作品でも、「ガトリング砲で火かき棒を撃ち出す」なんて面白作戦で大蛇に挑んだりするわけで。そういったところがポイントかな……と思いつつも、まあ、蛇は所詮蛇で、毒が強いとかデカイとかの特徴はあれど、普通に倒せる範囲に留まっていたのが難点。グラボイズやエイリアンみたいに、勝ち目のなさ、乏しい装備で挑むことの無謀さが、見えてこないんですよね。
 むしろ「西部劇の決闘相手を蛇にしてみただけ」とでも言いましょうか。前半の蛇そっちのけの決闘やら、ラストのTHE ENDやらを見ていると、「西部劇の世界にとりあえずモンスターパニック要素を放り込んでみた」って感じで、素直な融合とも言い難い。すなわち、「結局作り手は西部劇をやりたいだけだったんじゃないかな」「蛇すげーテキトーだったしな」と、思えてならないわけであります。
 もっとも、ストーリー自体は楽しんで見られるものでしたし、西部劇特有のかっこよさなんかもあって、充分堪能はいたしましたとさ。

 カウボーイハットとオッサンの組み合わせは至高。

テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

tag : モンスター 映画

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