怪物映画レビュー 『メガ・ピラニア』

原題:MEGA PIRANHA
2010年・アメリカ

 反米意識の渦巻くベネズエラのオリノコ川にて、米国大使の乗る船が襲撃を受ける。大使は死亡しテロが疑われる中、調査にやってきた米国特殊調査員だか何だかの男は、すぐにその真相を知ることとなる。
 鍵を握っていたのは、現地で遺伝子操作の研究をしているアメリカ人女性。
「私達の作ったピラニアが手違いで川に放たれて野生化したの」
 そうか悪いのはこいつか! と思いきや、同じアメリカンだからか女性だからか、べつに責められることもなく、むしろ「彼女なくして解決はあり得ないみたい」なポジションに落ち着いている模様。そして肝心のピラニアは、眠らず獲物を襲い続け、自己繁殖を繰り返しながら、36時間ごとに倍のサイズに巨大化していくという、遺伝子操作すげーな状況に陥っていた。この研究チーム逮捕しろよ。
 一方で、彼女達をCIAのスパイだと勘違いしている現地の大佐は、森で何かヤマシイことでもやっていたらしく(何をやっていたのかは不明)、研究チームの逮捕に躍起になる。動機はともかく逮捕は妥当なのだが、そこは主人公もアメリカ人。

主人公「彼女達は悪くないだろ!」(←悪いです)
大佐「うっさい。お前も逮捕だ!」(意訳)

 かくして大佐率いるベネズエラ部隊に追われながら、調査員は研究チームを連れて逃走。その頃ピラニアはと言えば、ベネズエラ軍の攻撃でも全滅せず(ヘリから川に向かって適当に機銃掃射してただけだし、そりゃそうなるわな)、巨大化して町を襲撃。獲物に食らいつく際に見せる大ジャンプの力も倍増し、水面からそのまま民家に突っ込んで大爆発を引き起こすという、まさに魚雷なノリで大暴れ。まあ、一度陸に突っ込んだら水には戻れないので、ピクピクしてるだけなんですが。
 ともあれ、海水にさえ適応したピラニア達は北上し、海を渡ってフロリダを目指している模様。米国軍艦を沈没させ、原子力潜水艦の核ミサイルすらものともせず、もはやフロリダ一帯を強力な核で焼き尽くすしかないと思われた時、主人公が妙案を思い付く。
 ピラニアは、仲間の血にさえ反応して食らいつく。ならば群れの一匹に傷を負わせ、共食いさせてやればいいのだ。
 「それで全滅するなら、ピラニアという生物自体がとっくに滅んでるだろ」という真っ当なツッコミもなく、かくして主人公と米軍の面々は、強力な水中銃を携えて、獰猛な怪魚の群れがひしめく海の中へ、決死のダイブに挑むのであった。


 駄目だ。あらすじ紹介の時点でツッコミどころが多すぎる。

 地元の川でバシャバシャやってるだけの序盤から、世界規模の大海戦に至る終盤まで、わずか90分程度とは思えない充実した展開。アホみたいに巨大化した魚達が町でピョンピョン跳ね回っている映像は、もうそれだけで大爆笑必至なんですが、それに対抗する主人公の「すべて俺の筋肉で解決する!」みたいなノリもアホすぎて素晴らしい限り。
 ヘリを奪うため、武装した兵士達の間に真正面から突撃して、全員パンチ一発で気絶させるなんて朝飯前。車で逃走中に検問に引っかかってもパンチで解決。連続で飛びかかってくる巨大ピラニアも、こちらは連続キックでポンポン弾き返す! 最終的に海中で白兵戦を挑むのもこの人のアイデアですからね。ほんと、何考えてんでしょうね(←褒めてます)。
 しかし真の主役は、やっぱりピラニア達。惜しみなく町を破壊し、軍艦や原潜をバリバリ齧り、海に巨大な魚影を走らせ、フロリダのビーチを地獄絵図に変えていくという、「もう考え得る絵は全部盛り込んだぜ!」みたいなスタッフのノリに乾杯。
 そしてすべてが解決した後は、こちらはきちんとお約束どおり、主人公と女性科学者の熱いキスで締められるのでした。それまで恋愛フラグなんか一本も立ってなかったけどな!

テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

tag : モンスター 映画

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