怪物映画レビュー 『ヘルアイランド』

原題:SURVIVING EVIL
2009年・イギリス/南アフリカ

 ジャングルでのサバイバル番組を撮影するため、フィリピンのとある島を訪れたクルー一行。だが島への船を出してくれた現地の船乗りは、「アスラング」と呼ばれる魔物に怯え、すぐに引き返してしまう。そしてジャングルの中では、次々と奇妙なことが起こる。樹上に蠢く謎の黒い影。夜の森では見知らぬ老婆がスタッフをじっと見つめ、鳴き声とも悲鳴ともつかない不気味な叫びがこだまする。
 さらに、番組内で取り上げるはずだった島民の集落は、なぜかもぬけの殻。しかもジャングルの至るところが血に染まり、残骸と化した死体が樹から垂れ下がる――。そう、アスラングは実在するのだ。そして、このジャングルに踏み入った獲物を狙っている。やつらは変幻自在。人や野犬に姿を変え、人間を貪り食らい、妊婦をさらって胎児を自分達の子供に作り変えてしまう。そして折しも、スタッフの一人は妊娠中だった……。
 SOSを出そうにも、テレビ局への連絡手段は失われ、スタッフ達に逃げ場はない。まさに命をかけた、真のサバイバルが今始まる。


 DVDジャケットのデザインが素人感満載で、鑑賞を躊躇させて止まない本作。しかし中身は、それなりにきちんと作られたホラーパニック映画でした。
 アスラングという魔物に元ネタがあるのかどうかはよく知りませんが、劇中ではヴァンパイアのようなものと説明されています。基本は人型。て言うかほぼ人。たまに野犬や人間そのものに変身したり、コウモリの翼を生やして飛び回ったりするものの、結局は人型でいることがほとんどのため、割とカニバリズムヒャッホーな勢いに満ちています。そうですね、ゾンビというよりは、食人族のノリですね。おかげでグロテスクなシーンもかなり多く、魔物の設定上、妊婦さんには見せられないものなんかも出てきたり。いや、そもそもこの映画自体見ないか。
 ともあれそんな状況の中で、クルーが一人また一人と貪り食われていくわけですが、どうもこの食われる基準がよく分からない。て言うか、主人公が誰だか分からない。一番主人公っぽかったおじさんは土壇場で簡単に死んだし、ラストで怖い目に遭う金髪さんや、魔物とガチバトルするフィリピン人のお姉ちゃんも、終盤に来るまでは脇役みたいな扱いだったし。
 しかし分からないと言えば、一番分からないのがオチ。一番分からなくちゃいけない部分なのに、何なんでしょうアレは。

(以下ネタバレ)

 命からがら海へ逃げ出した金髪のお姉ちゃん。どうにか別の島へ流れ着き、現地の人に保護されたものの、運ばれて寝かされた小屋には、なぜか妊婦さんがいっぱい。しかもその腹の映像に被さるように、魔物の鳴き声が響く……。
 これは解釈するに、腹の中にいるのはアスラングの子供ってことになるのでしょうか。アスラングは自分達の数を増やすために、妊婦の胎児を利用するとか言っていたので。でもって金髪のお姉ちゃんは、すでに胎児を取り換えられているか、あるいはここにいる妊婦達によって取り換えられてしまうのか。別の解釈をするなら、ここにいる現地人はすべてアスラングが化けたもの……と考えることもできますが、果たして。
 分からないオチがもう一つ。地下に落下して死んだと思われていた女監督が、一番最後にピクリと動くわけですが、そこに被さる効果音の禍々しさはいったい何なのか。死んだ監督がアスラングになった……と解釈しろってことでしょうか。しかしあの魔物は死体が化けたという設定ではないはずだし、映像的にも、「実は監督生きてたよ。よかったね」で済ませられそうにしか見えないし。でもホラーのオチとして考えるなら、やっぱり魔物になったってことなのか。

 ……と、そこまで真剣に悩むのも不毛な気がしてきたので、ここまでとさせていただきます。

テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

tag : モンスター 映画

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