怪物映画レビュー 『バトルフィールド・アビス』

原題:2010: MOBY DICK
2010年・アメリカ

 1969年――。ソ連の領海に侵入したアメリカの原子力潜水艦が、深海で巨大な何かと遭遇する。異変を察知した若き海軍兵のエイハブは、それが真っ白な巨鯨であることを確認。だがクジラの攻撃により潜水艦は大破。一命を取り留めたエイハブもまた、その左足を失ってしまう。
 そして時は現代。最新鋭の原子力潜水艦・ピークォド号の艦長となったエイハブは、時を経て再び現れた白鯨を追うため、独断で艦を乗っ取り行方を眩ませる。海では船が次々と怪物に襲われている。やつの仕業だ。復讐という名の狂気に駆られクジラを追うエイハブ。だが軍部は、一連の船舶襲撃事件をエイハブの暴走と判断。ピークォド号の撃沈命令が下された。
 この絶望的な状況のもと、それでもエイハブ率いるピークォド号の乗組員達は、あらゆる兵器を駆使して白鯨に挑む。すべては「結末」を見届けるために。
 決戦の地は巨大な環礁。だが追い込まれたクジラは、狡猾に海兵隊の裏をかき、陸をも制する強大なパワーで反撃に出る。エイハブと白鯨、宿敵同士の命をかけた最終決戦の行く末に待つものとは――。


 名作『白鯨』を現代風にアレンジした本作。エイハブを始め、原作に登場する固有名詞もちらほらと見受けられます。全体的に低予算なCGこそ気になるものの、クジラを追う男達(+女性一名)の熱いストーリーは気合充分。環礁地帯の決戦ではクジラの方も気合が入ったのか、なんか陸地をズルズル滑ったりしてますが、これはこれで迫力があってよし。最後まで手に汗握る展開で楽しませてくれます。
 また、かつてエイハブとともに生き残り、片腕を失った戦友という人が登場しまして。この人が実にいい味を出しております。エイハブの理解者でありながらも、彼の暴走を食い止めようと奔走。エイハブと二人語らうシーンでは、その手に隠された拳銃が悲哀を誘い、しかし最終的には、彼もまたエイハブとともに白鯨に立ち向かうことに。そして迎える結末が、これまた実にかっこいいシーンになっているのですが……その辺はネタバレしすぎても何なので省略。
 一方肝心の白鯨ですが、こちらは独自に進化を遂げた古代生物の生き残りであることが、劇中で示唆されます。その行動と来たら、普通のクジラを丸呑みにしたり、海の中から巨大な瞳を覗かせたりと、モンスターとしての貫録もバッチリ。そもそもクジラという動物自体、昔は海の怪物として船乗りに恐れられるような存在だったわけで。昨今じゃすっかり、「クジラは頭がよくて人間に友好的な生き物だ」なんて思い込みが一部でまかり通ったりしていますが、やはりヤツは最高級のシー・モンスターに間違いありません。
 真っ暗な海であんな巨大な生き物に遭遇してみてください。すげー怖いから。

テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

tag : モンスター 映画

お知らせ
最新記事
カテゴリ
ユーザータグ

モンスター 映画 告知 妖怪 妄想少女 モンスターハンター リバース;エンド 異世界妖怪サモナー アニメ 多元宇宙 ポケットモンスター 二次元名鑑 闇堕ち騎士がダンジョン始めました!! 小説雑感 PSP マキゾエホリック ウルトラマン ボードゲーム 世紀末オカルト学院 DS 3DS カクヨム 小説 相棒 

検索フォーム
リンク
月別アーカイブ