怪物映画レビュー 『機械仕掛けの小児病棟』

原題:Frágiles
2005年・スペイン

 閉業間近の小児病院に勤め始めた、一人のナース。だがその病棟は、古くから子供達の間で不気味な噂が語られてきた場所でもあった。
 封鎖され、使われなくなった二階。そこに、「シャーロット」という名の「たぶん女の子」がいるのだと言う。彼女は「まるで機械のよう」で、子供達と積み木で会話し、怒るとその子の骨を折るとか……。
 現につい最近、一人の少年が寝ている最中、原因不明の骨折を起こしていた。さらにナースの周りでも、不気味な現象が立て続けに起こり出す。独りでに二階へ向かうエレベーター。誰もいないはずなのに、内側から盛り上がるシーツ。そして、「シャーロット」を目撃した者達の死――。
 そう、かつてシャーロットに会った者は、いずれも死を迎えていたのだ。そして今、ナースと親しくなった一人の少女もまた、シャーロットに魅入られ、積み木で会話を繰り返していた。
 ナースは少女を救うため、シャーロットの正体を探るべく、問題の二階に足を踏み入れる。不気味な闇に覆われたフロア。そこで彼女が見つけたのは、「シャーロットとマンディ」と書かれた一枚の写真。表には、車椅子の少女が見知らぬナースと一緒に写っている。さらに同じ場所で手に入れたフィルムには、骨粗しょう症で苦しむ、写真の少女の記録が残されていた。当時の未発達だった医療技術のもと、金属製の矯正器具を全身に着けた、「まるで機械のよう」な姿で……。
 おそらくシャーロットは、自分の辛さを他の子供達にぶつけようとしているに違いない。そう考えたナースは、急いで子供達を別の病院に移すよう、手配をする。だが、彼女はまだ事件の真相に気づいていなった。そもそもなぜ、シャーロットが今になって、頻繁に現れ始めたのか……。


 病院、子供、幽霊と、怪談の主役が三つ揃った正統派ホラー作品。ただし、この中で主に恐怖の対象となるのは、「病院」という独特の施設が持つ雰囲気です。もちろん幽霊の登場や、ポルターガイストによる病棟崩壊の危機、仕事人ばりにボッキリ行くレントゲン映像など、直接的で派手な描写も多くありますが、それよりも夜の病棟が映っているシーンのゾワゾワ感こそ秀逸。
 言わば無機質の闇。消えた蛍光灯とリノリウム、鉄筋コンクリートの世界。そこに「シャーロット」なる奇怪な噂が絡むことで、何でもない夜の廊下が途端に凍て付いた恐怖を帯び、見る側に緊張感を与えてきます。
 そんな恐怖描写もさることながら、ストーリーの方にもしっかりどんでん返しが用意されていて、好感度高し。「シャーロット」とは果たして何者なのか。暴れる目的は何なのか。ミスリードに流された末に辿り着いたおぞましい真相と、そこから始まる救出劇。そして心救われるラスト――と、後半はかなり盛りだくさん。鑑賞後の後味もよく、「病院の幽霊」という題材に真っ向から挑んだ、なかなかの良作ではないでしょうか。
 怪物映画的な見所は、全身ギブスのシャーロットが、ぎこちない動きで迫ってくるシーン。ギブスはしてるのに、なぜか全裸。確かに恐いっちゃぁ恐いか。

テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

tag : モンスター 映画

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