ホラー映画だけど

 映画『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』を見てまいりました。
 幽霊屋敷を訪れた主人公が見舞われる悪夢の一週間。昔ながらのゴシックホラーです。
 昔ながらの……と言いましたが、怖がらせ方の方も、「幽霊がヌッと顔を出して、大きな音がバーンと鳴って」みたいなシーンが多すぎて、これも昔ながらだなぁ、と。
 まあそのたびにビクッとはするのですが、良くも悪くも「お化け屋敷」的な恐怖なんですね、これ。

 私は「恐怖」という感情を、「個人が自分の身を守るという本能に基づいて、身の危険を想像させるものを避けたがる心理的状況」であると、勝手に定義しています。
 ちなみにこの「想像させる」ってところがポイントです。実際に危険かどうかは重要ではないのです。例えば怪談は怖いけど、実際にお化けが目の前にいるわけではありません。ゴキブリを見て悲鳴を上げる人は多いけど、あんなもの手で触っても大きな害はありません。でも避けたい。ただそこに在るだけで、擬似的な身の危険を覚えるから。「恐怖」ってそういうものなんです。
 ……まあそれはさて置き。
 この「恐怖」の定義に基づけば、「音と視覚で瞬間的に相手を驚かせる」というのは、間違いなく恐怖の一種を提供していることになるはずです。実際そうだと思います。否定はしません(余談ですが、スプラッターも恐怖の一種として否定しません。特に痛覚を疑似体験できるような映画は、恐怖映画として立派に成立していると思うわけです)。

 ただね、そういうのって「あービックリした」で終わっちゃうんですよ。よっぽど怖がりな人はともかく、こういう瞬発力に任せた恐怖が後々まで心に残ることって、そうそうないんです。
 かと言って、「王道」とされるような純粋な不気味さを演出するにも限界がある。観客が慣れてしまうからです。
 だからこそ、ホラー映画はその進化の方向性として、シチュエーション特化やストーリーのひねりを目指してきたのではないかな、と。まあ、あるいは開き直ってギャグに走ったり、モンスターをキャラクター特化させたりしたケースも多々ありますが……。いずれにしても、「後に残るホラー」というのは、今やそういうものになってしまっているんです。

 そんな観点から見ると、今回の『ウーマン・イン・ブラック』は、今時のホラーとしては、ちょっと王道すぎた感じでした。ストーリーそのものはジワジワ来るような不気味さを持ちながらも、「ホラーの中ではよくある話」で終わってしまう凡庸さ。あとは瞬間的な脅かしがすべて。
 正直、映像化するには遅すぎた……と言ってしまうのは失礼かもしれませんが、やはりこういう部類の恐怖は文章で読むべきなんじゃないかな、と思った次第です。はい。

tag : 映画 モンスター

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