怪物映画レビュー 『トロール・ハンター』

原題:Trolljegeren
2010年・ノルウェー

 ドキュメンタリー映画を撮るため、クマの密猟者の姿を追う三人の学生グループ。だが狙いを付けた相手の男は、密猟者などではなかった。夜の森へ消えていく男を追って闇の中に分け入った三人は、そこで伝説の巨大な怪物――トロルと遭遇する。男は、テリトリーから出てしまったトロルを人知れず抹殺するため政府から雇われた、「トロール・ハンター」だったのだ。
 現実のトロルは知性を持たず、キリスト教を憎み、人間や家畜を襲う獰猛な肉食獣。唯一の弱点は、太陽の光――つまり紫外線を浴びることだけだ。ハンターはそんなトロル達を相手に、厳重な守秘義務を課せられながら、孤独な戦いを続けていた。
 学生たちはこの事実を世に知らしめるため、ハンターに密着取材を試みる。だが三人の中に、実は一人だけキリスト教徒が混じっていた。怒れるトロルに容赦なく襲われる一向。やがて一人を殺されながらも取材を続ける彼らを待っていたのは、雪原にそびえ立つ、山のように巨大なトロルだった……。


 ジャンルとしては、『ブレアウィッチ・プロジェクト』や『クローバー・フィールド』に代表されるような、モキュメンタリー(擬似ドキュメンタリー)作品の一つ。
 ……なんですが、うーん。ここまではっちゃけた設定のものを映像化するのに、果たして本当にモキュメンタリーという手法を使う必要があったのかって感じもしなくもなく。
 いや、映像自体はすごくよくできています。ノルウェーの雄大な自然の中に、無理なくたたずむ異形の巨人。充分絵になっていると思います。おそらくこの手の映画の中では、(モンスターの部分に限っては)かなり高いレベルに位置するはず。それは間違いないのですがね。
 ……やはりいかんせん、この手のジャンルが避けて通ることのできない「かったるさ」は、どうしても付きまとってしまうわけで。
 まあ、モキュメンタリーすべてを否定するわけではありませんが、べつに100分もいらないわけですよ。小一時間ぐらいでまとめてくれればダレずに済むものを、なぜ延々とやるのか。
 いまや本物のドキュメンタリー番組だって、ナレーションやBGMを入れて、カットやテンポを工夫して、視聴者を飽きさせないよう配慮がなされています。もはやナマの記録映像では、長時間の試聴はきついんですよ。運動会のホームビデオとか、ノーカットでダラダラ見せられたら嫌でしょ。そういうものです。
 しかもこの作品に限って言えば、設定にいろいろな要素を盛り込みすぎていて、どう足掻いても虚構にしかならない。こうじゃなくて、例えば純粋に「学生グループが森の中でトロルに遭遇して……」だけなら、モキュメンタリーにも意味が出てくると思うのですが。あるいは、このままの設定でモキュメンタリーにするなら、政府やハンターのディテールをそれこそ綿密に描き切るかですね。モンスターの映像こそ優秀ですが、人間パートはかなりグダグダでしたから。
 あと、どうしても気になるのが「キリスト教云々」の設定。これ、いらないんじゃないでしょうか。「幻獣を生物学的観点から解き明かす」という、もはやお約束とも言えるワクワク展開の中で、この超自然的設定だけが明らかに浮いてしまっています。

 そんな感じで真面目に酷評となりました。……だって見ててすげー眠かったんだもん。

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

tag : 映画 モンスター

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