怪物映画レビュー 『猛獣WARS』

原題:RISE OF THE ANIMALS
2012年・アメリカ

 ある日世界中で突如発生した、動物達の集団ヒステリー事件。ペットや家畜、野生動物が次々と人間を襲い出し、その波は、ある小さな町にも及び始めていた……。
 町で暮らすピザ屋の青年は、ある夜、同級生のホームパーティー(というか乱痴気騒ぎ)に参加する。そこで再会したイトコ(♀)と初めての一夜を共にし、翌朝目が覚めると、家は凶暴化したシカの大群に包囲されていた。
 仲間達は瞬く間に殺され、残ったのは青年とその悪友、そして悪友の妹のみ。イトコはすでに家を引き上げた後だった。しかし車の中には、彼女の忘れていった携帯電話が。
 青年はイトコの身を案じ、再会を求め、この携帯電話を届けようと車を走らせる。だがそれは、とても危険な旅の始まりだった……。


 のっけから始まる、オバサンとぬいぐるみの血みどろファイト。もうこの時点で作品の方向性は見えるわけですが、ジャンルとしては「低予算ライトコメディ系スプラッター・アニマルパニック! 終末思想もあるよ!」ってな感じで、実に分かりやすいところを突いてきています。
 内容はもう、「アッヒャッヒャ」の一言。とにかく「血みどろになりさえすればいい!」という開き直った精神がステキすぎ。
 だいたい序盤のウサギなんか、銃弾一発で血液の塊と化しますしね(文字どおり液化してるよ。肉片すら残らねぇよ)。シカの集団襲撃シーンじゃ、一頭倒すたびに血がバシャーッ、一人殺されるたびに血がバシャーッ、で、もう全員ドロドロ。ちっちゃなカメですら、甲羅をかち割られて、凄まじい量で出血してやがります。

 そんな中、一番酷い死に様を見せたのが、主人公の爺ちゃん。一度家に帰ってきた主人公に、「一緒に逃げよう」と言ってきたところからして、ああこれは「家族より恋人を選びたい主人公を、励まして送り出す」というベタなシナリオで盛り上げてくれるんだな、と思いきや……。
 恋人を選んだ主人公は車で脱走。それを見た爺ちゃん、主人公に向かって容赦なくライフルを発砲! そして近くにいた警官を誤射! 警官隊の反撃で蜂の巣に!
 しかも主人公には看取られず。出てきて五分ぐらいで退場したよ爺ちゃん。どんだけ無駄キャラなんだよ爺ちゃん。

 それはさて置き、登場する動物のラインナップは、ネコに始まり、ウサギ、イヌ、カモメ、シカ、ウシ、リス、ウマ、カメ、クマ、ゴリラ、カバ、巨大イカ、などなど。どこだよここ。アメリカの農村じゃないのかよ。生態系イカレすぎだろ。あ、動物園から逃げ出したとかですか。で、そのクラーケン並みの巨大イカはどこから湧いたんですか。
 だいたい地形感覚からしておかしいわけです。恋人の家に向かう主人公が、「ここから歩いて行ける」と言って車を降り、森へ分け入ってボートで川下りなんか始めてますからね。農村やべぇ。

 ラストでは、失恋と新たな恋を得た主人公が、滅び行く世界の中で恋人と愛を謳歌する……と言えばカッコイイですが、直後のエンドロールで流れる、酒の席で音痴なオヤジが適当にがなりたてたような、「アニマルズ、アニマルズ~♪」みたいな雑な歌詞のオリジナルテーマソングが、すべてを持っていってくれます。
 いやはや、久々のZ級映画でした。満足。←すんなよ


◆まだまだ多すぎるツッコミどころを追記
木に激突しただけで首がもげるシカ。
・シカが集団で襲ってくるシーンは、人間がいる大部屋の四方の壁に穴を開け、そこから頭だけ突っ込んで、適当に動かしているだけ。
・なのに次々と殺されていく人間達。どう見ても部屋の真ん中が安全地帯ですが、このシカどもは首でも伸ばしてるんでしょうか。
・リス一匹に大慌てで一斉射撃を始める警官隊。網持ってこいよ。
・ウマに襲われてもパンチとキックで倒せるらしい。
・そもそも出てくる動物の造形が全般的に雑。ラスボスとして登場するクマでさえ、フルCGなのにすげー雑。

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

tag : モンスター 映画

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