怪物映画レビュー 『AXE GIANT アックス・ジャイアント』

原題:AXE GIANT : THE WRATH OF PAUL BUNYAN
2013年・アメリカ

 ミネソタのとある山で開かれた、「初犯者更生プログラム」に参加した囚人達。いずれもささやかな過ちから、犯罪者として理不尽に投獄された彼らを待ち受けていたのは、偉そうな脳筋オヤジがすべてを支配する、地獄の体育会系合宿だった。
 しかもその二日目。数十キロに及ぶランニングの途中で、囚人の一人が、たまたま見つけた牡牛の頭蓋骨から立派な角をもぎ取ると、なんか巨大な斧を手にした巨人が、いきなりブチ切れて襲いかかってくる。
 彼の名はポール・バニヤン。その昔、この近くの村に住んでいた異形の子で、生まれてわずか数年で大人と同じ体格に成長。しかし親友同然だった牡牛を村人に狩られ、怒り狂って村の男達を斧で惨殺し、それが原因で山の洞窟に閉じ込められたという、異様な過去を持つ男だった。
 牡牛の角を持ち去った囚人達に復讐すべく、再び怒りに燃えるバニヤン。一人、また一人と囚人達が殺されていく中、ついに彼らのキャンプ場までもが破壊されてしまう。もはや角を返しても無駄。執拗に殺戮を繰り返すバニヤンから、果たして囚人達は逃れることができるのか……。


 もともとポール・バニヤンというのは、アメリカの民話に登場する有名な巨人のこと。斧を持って牡牛を連れているところもそのまま。ただし性質は恐ろしいものではなく、どちらかと言えば人々から親しまれる類のものだそうです。
 それを踏まえた上で、「もしこの巨人が、ホラー映画の殺人鬼だったら……」という発想から出来ちゃったのが、たぶんこの作品。まあ、斧持っててデカイしね。そりゃ人ぐらい殺すよね。(←ホラー脳)
 そんなわけで殺人鬼として一新されたバニヤンは、「村長が、素性の分からない女と結婚して生まれた、異形の子」という設定に。アレです。昔の怪奇小説とかにありそうな感じです。
 ちなみに見た目は、肉襦袢を着たおじさん。ええ、CGとかじゃないです。潔いです。
 で、このおじさんが斧を振り回して、山小屋のミニチュアをドッカンドッカン破壊しまくるわけです。なんて言うか、すごく楽しそうですよ、おい。

 でまあ、ストーリーの方はと言えば、「人間という枠から外れた異形の存在が持つ悲しみ」みたいなテーマが強調されたりして、これまた古典怪奇作品のお約束そのまま。
 もっとも正直に言えば、怒りに任せて無駄に大量殺戮なんかしちゃうやつに、同情心が湧くはずもなく。
 だいたいこの巨人、牡牛の墓を守っていたはずなのに、なぜかその頭蓋骨だけは墓の外に放置。そして事情を知らない相手に角を折られて逆ギレ。しかも、その角を返されてもなお暴れ回り、特に悪くもない子持ちの母親までぶち殺しちゃうんですから、もはやただのDQNにしか見えないという……。
 こうなると、最後に取って付けたような『美女と野獣』要素も浮き気味。いっそ最初から割り切って、「レザーフェイスが巨大になっちゃったぜ!」ぐらいのノリで馬鹿馬鹿しく撮った方が、楽しいものになったんじゃないでしょうか。

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

tag : モンスター 映画

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