怪物映画レビュー 『モンスターズ・フォレスト』

原題:THE MILLENNIUM BUG
2011年・アメリカ

 1999年12月31日、夜――。
 ミレニアムの訪れを無人の廃村で迎えようとしていた、とある一家。父親とその娘、そして父親の再婚で加わった新しい母親の三人は、しかし森の中で突然暴漢に襲われ、やつらの家に拉致されてしまう。
 そこはイカレたファミリーが暮らす、森の中の一軒家。やつらは若い娘をさらっては、結婚と称して犯し、子供を産ませていた。かつてさらわれた別の少女も、今では狂気に陥り、やつらの仲間になっている。このままでは、娘も同じ末路を辿ってしまうに違いない。
 もがく父親と母親を奥に閉じ込め、泣き叫ぶ娘に白いドレスを着せていくイカレファミリー。だが時を同じくして、森の中をさまようもう一人の男がいた。生物学者である彼は、千年に一度目覚めるという幻の生物を追って、この地を訪れていたのだ。そして彼の予想どおり、ついに地底から一匹の巨大な怪物が出現する。
 夜明けとともに羽化して死を迎えるというこの怪物は、今はただ飢えを満たすため、進撃を開始する。その向かう先には、もちろんイカレファミリーの家が……。


 まさかの着ぐるみ怪獣特撮映画。しかも無駄に出来がいいとか(笑)。
 序盤にある狂った少女の出産シーンを、股間の直接描写で見せるところからして、「ああこれC級映画だわ~」ぐらいの感覚で見るのが正解なんですが、それにしても着ぐるみやミニチュアの気合いの入りっぷりと来たら。しかも舞台設定まで妙に凝っていたりして、これはもう、スタッフ自身が狙ってC級にしてるんじゃないでしょうか。
 そういう意味じゃ、『ザ・フィースト』なんかに近いノリを感じます。まあ、あそこまでギャグもパロディもスプラッターもドギツくないですけど、全体的に漂う悪趣味感は文句なし。死産だった赤ん坊を血まみれのままあやす女とか、卑猥なオモチャみたいな凶器を持ってるジジイとか、ヒーローポジションかと思ったらあっさり殺されちゃうパパとか。だいたいパパなんか、ママの縄をほどいて、「やっと助けられた!」と感極まってハグしてるせいで、ファミリーから反撃を貰っちゃいますからね。愛なんか後で示しゃいいんだから、とっとと逃げろよバカってことですよね。
 ……で、そんなスプラッター映画から一転して始まる、驚異の大怪獣ムービー。ギョロ目、牙だらけの口、なぜか髪の毛と、お世辞にもカッコイイとは言いがたい怪獣が、夜の森を突き進む様は、幻想性とキモさがミックスされた、何だかよく分からない迫力に満ちています。
 ちなみにこの怪獣、虫らしいです。まあ、「ミレニアム・バグ」ですからね。千年も土の中にいた後、羽化してすぐ死ぬってところが、虫として妙にリアル。どうせなら羽化の様子も見たかったですが、残念ながら、夜が明ける前にさっさと退治されてしまいました。

 言ってしまえば、80年代のスプラッター映画を、今のアナログ技術で撮ってしまったかのような本作。もちろん低予算悪趣味映画に違いないとは言え、今時こんなニッチなものが作られて案外評価されちゃうんだから、映画の世界ってのはほんとマニアが動かしてんだなぁ……と思う次第であります。

 どうでもいいけど、序盤にしか出てこないチョイ役のオッサン。密猟してたイカレファミリーの一人を見つけて即殺そうとするとか、なんか行きすぎた動物愛護テロみたいなことやらかしてましたけど、あれはあれで地味に濃いキャラだったなぁと。
 いや、そんだけ。

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

tag : モンスター 映画

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