ダークナイトって、え?

 『相棒 season13』の最終回を見たわけです。


 そうですね、次回予告そのままの結末でした。「彼」が冒頭でフードを捲ったところで、「ここで顔見せてしまうってことは、これはミスリードで、この後どんでん返しがあるのかなー」と思っとりましたが、そんなものはなく。
 まあ過去にも「身内が実は……」って例はありましたし、そもそも『相棒』というドラマがミステリー主体の作りになっている以上、こういうオチもありだと思うわけです。キャラ萌え目当てで見ていた人は納得できないところもあるでしょうが、私は、今回の結末自体は悪くないと思います。
(そのミステリー部分のロジックが今回弱すぎたってのは、まあこの際置いとかせてください。)

 ただですね、「唐突すぎるだろ」とは思いました。
 こういう結末を迎えさせる以上は、それまでの積み重ねに相当気を使わなければならなかったはずです。それこそ製作サイドが全員で「こうする」と決めて、今までの脚本内に伏線を散りばめておくぐらいはやっておかないと、視聴者を置いてけぼりにすることは間違いないわけで。
 例えばダークナイト事件を同時進行で見せ、その手掛かりを小出しにしつつ最終回で収束させる……とかですね。これはまあ、単純な伏線です。でもさらに言えば、season11から始まったカイト編では、もっと大事な積み重ねが欠けていたように思うのです。

 それは何かと言うと、カイトの性格設定や右京との関係性ですね。これ、到底一貫していたとは言えませんでした。
 初期カイト特有の「反抗期の若者」みたいなキャラが、何の和解エピソードもなくいつの間にか丸くなって右京に懐いてる時点で、season8における神戸の物語のような丁寧さは感じられませんでした(たまに脚本家の方が気を使ってか、初期カイト特有の荒っぽいところを思い出したように取り入れるケースはありましたが、それも付け焼刃な印象でした)。
 そもそも右京はカイトを、何らかの意図(おそらくは警察官として育て上げること)をもって特命係に引き入れているわけですから、この「成長」というテーマをまずはきちんと描くことが大事だったはずです。しかしその辺りの描写は有耶無耶になり、結局は無難なエピソードの羅列でしか「右京の相棒としての」カイトを表現できていなかったように思うのです。
 とにかくカイト編に関しては、「何がやりたいの?」という印象が、私の中で最終回直前まで付きまとっていました。
 右京との関係をどう見せていきたいのか。父親との確執も、どういう方向に持っていきたいのか。何もかもがはっきりせず、全体がメリハリのないドラマに終始していました。
 ……で、この最終回です。
 「何がやりたいの?」 という問いに対して、「これがやりたかったんだ」というアンサーが最初から用意されていなかったであろうことは、明白のような気がします。本当に取ってつけただけの終わり方といった感じでした。
 「新人刑事で、父親が権力者で、正義感ゆえの荒っぽさがあり、今どきの若者らしい斜めな感じもあって、右京に対抗心を抱いている」という設定を最初に作り、しかしそれを転がそうとする努力はほとんどせず、なあなあでシリーズを三つ重ね、最後に取ってつけただけのオチで終わらせる……という、まったくもってメリハリのない構成だったと思います。

 カイトがこのような結末を迎えたこと自体は、ミステリーの一つの形として肯定しますが、個人的には、そこに至るまでの面白いドラマと、そのすべてを収束させる面白いクライマックスを見ることができなかったのが、とても残念です。


 ……ってラノベ作家にこんなこと言わせないでよ、ねえ。

テーマ : 相棒
ジャンル : テレビ・ラジオ

tag : 相棒

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