坊主憎んで袈裟を憎まず

 あまりこういう場でラノベ作家が社会派じみたことを言うのも、どうかとは思うのだけど。
 でもここ数日、「あの事件」のニュースを見ていると、どうしても、いろいろと考えてしまうのだ。


 ある人物が個人的な動機で犯罪行為を働いた時に、その人物が所属する組織そのものを憎悪し糾弾する――というのは、感情論としては理解できなくもない。
 ただ、その組織と犯罪そのものに関わりがない以上、この糾弾は正当性のない、言わばただの誹謗中傷である。どんなに感情論で理解できたとしても、法的・道徳的に「やってはいけないことだ」という事実だけは、きちんと自覚しておかなければならない。

 例えば、容疑者とともに暮らしていた家族。容疑者が住んでいた町。容疑者が信じていた宗教。容疑者が生まれた祖国……。
 これらが、その容疑者が犯した犯罪と無関係であるならば、大衆がそこに負の感情をぶつけることは許されない。ぶつければ、それはただの差別だ。
 しかしその差別が、今まるで正義であるかのようにまかり通っている地域が、残念ながらこの日本には存在している。

 もちろん、犯罪者に対して怒りを抱くこと自体は何ら間違ってない。
 その怒りの矛先が拡大してしまうのも、感情論で考えれば、ひょっとしたら仕方ないことなのかもしれない。
 そもそも「怒り」というのは、時として理性の欠落した狂気にも等しくなる。そこに真っ当な理屈を求めるのは間違っているのだろう。
 だからこそ――。

 公の立場にいる政治家が、この狂気に同調してはいけない。
 世論に影響を与えやすいマスコミが、この狂気を扇動してはいけない。
 とても当たり前のことだ。

 でも、そんな当たり前のことができない国なのだ。日本は、まだ。

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