怪物映画レビュー 『ザ・サンド』

原題:The Sand
2015年・アメリカ

 ビーチで盛大に繰り広げられたパーティーから一夜明けた朝。監視塔や車の中で寝ていた若者達数人が目を覚ますと、辺りには誰もいない。みんな帰ってしまったのか……。だがその時、ふと砂浜に舞い下りた一羽の海鳥が砂の中に呑み込まれていくのを見て、ヒロインが異変を察した。そう、砂の下に得体の知れない怪物がいて、砂に触れた獲物を次々と引きずり込んでいたのだ。
 相手は何本もの細い触手を生やし、刺胞動物のように強力な毒も持っている。早くも仲間が二人食われ、ヒロインの彼氏も毒にやられてダウン。頼みの携帯電話は今乗っている車のトランクの中だし、巡回にきたビーチパトロールのオッサンも若者達の忠告を聞かずに食われてしまう始末。絶体絶命の中、ヒロイン達は無人と化したオッサンのパトカーに移って難を凌ごうとするが……。


 なぜか定期的に湧いてくる、「砂に食われる!」系の映画。一番有名なのは『トレマーズ』で間違いない……と言いたいところなんですが、あれはどちらかと言えば「砂の中にいる怪物に食われる!」映画ですね。じゃあ「砂に食われる!」は何が違うんだってことになりますが、要は怪物の姿がきちんと出るか出ないかだと思います。役者さんが砂の上に転がってギャーとかワーとか悲鳴を上げているだけの映画が「砂に食われる!」系というわけで。
 ああそうだよ! 怪物を出す予算なんかねーよ!
 ……っていう映画がそれです。

 冒頭からホームビデオで撮影した(という設定の)パーティーの様子と、一夜明けた無人の砂浜が交互に映し出され、騒々しさと静けさの対比がいい感じに不気味さを盛り上げてくれるオープニング。なかなか演出上手いし、こいつはもしかしたら掘り出し物かも……? なんて思ってたら、その後は結構グダグダ。
 特に致命的なのは、盛り上げるためのドラマ要素のなさ。せいぜいヒロインと彼氏と浮気相手とで痴話喧嘩しているだけなんで、ほんとどうでもいいわけです。
 肝心の怪物は、CGで触手のみを描写。幼体のうちは砂の中から細かい触手がウゾウゾ伸びてくるだけなので、結構リアルに見えたのですが、これが育つに連れて触手が巨大化してくると、もはやただの雑なVFXの塊に。なんで終盤に向けて、あらゆるものが尻すぼみになっていくのか。
 ちなみにラストのワンシーンで、怪物の正体は巨大なクラゲ状の生物であることが示唆されています。

 言ってしまえば、『トレマーズ』で砂の上で立ち往生している部分だけを抜き出して、一本のシチュエーションホラーにまとめたかのような作品でした。いや、結局また行きつくのは『トレマーズ』なのかって話ですが……。
 ただ唯一よかったのは、登場人物の一人である、ドラム缶にはまったまま出られなくなったデブ。仲間のいたずらで顔にチ○コの落書きをされ、下半身をドラム缶にはめ込まれて砂浜に立たせられているだけのキャラなんですが、彼の存在が、この地味な映画をグッと引き立ててくれていたように思います。
 まあ、長時間ドラム缶に詰まって生き延びていた割には、べつに話の展開に影響することもなく食われてしまうという哀しい最期でしたが、このデブだけは唯一『トレマーズ』に立ち向かえるような気がしました。はい。

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

tag : 映画 モンスター

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