怪物映画レビュー 『スタング 人喰い巨大蜂の襲来』

原題:Stung
2015年・ドイツ/アメリカ

 亡き父を継いでケータリングサービス業のオーナーになった女と、そこで働くちょっと軽い男。二人が仕事で訪れた郊外の屋敷の庭には、なぜだか異様にでかいハチが飛び回っていた……。
 その夜、賑わう屋外パーティーの最中、突如一人の客が苦しみだし倒れる。それを合図にハチの群れが押し寄せ、会場はパニックと化した。しかもこのハチに刺された人間は体内に卵を産み付けられてしまう。卵は瞬く間に孵化し急成長。苗床となった人間を内側から引き裂いて、人間よりも巨大な成虫の姿を現すのだ。
 ハチの襲撃を逃れ屋敷の地下室に立てこもった一同。だがその中にいた、パーティーのホストである屋敷の一人息子もまた、ハチに刺されていた。肩の肉を突き破られ巨大なハチの頭を生やした彼は、ハチに洗脳され、ケータリングの男を女王バチのための苗床にしようと迫ってくる――。


 庭木の肥料に混ぜられたホルモン剤が原因で突然変異――という、とても分かりやすい巨大昆虫パニックもの。昨今ではすっかりCGオンリーなことが多いこの手の作品ですが、こちらは今時珍しいリアルなアニマトロニクスなんかも駆使して、かなり頑張って作ってくれています。
 もちろん低予算ゆえの限界はあって、終盤の巨大バチの大群なんかは合成っぽさが透けて見えてしまっているところもありますが、それでも気合いの入った怪物描写は、愛好家としては嬉しいもの。
 特に女王バチの尻から這い出してくるハンドサイズの巨大ハチノコとか、めっちゃリアル。芋虫嫌いな自分としてはかなりウゲゲな代物なんですが、さらにその芋虫を、肩からハチ頭を生やしたキモ息子が手づかみにして、血まみれの主人公の口に押し込んでこようとするっていう……。
 いやもう何の罰ゲームなんでしょう。でもこういうシーンを手抜きせずにきちんと作り込んでいるのはとても好感が持てますよ。映像自体はマジでグロいけどな。

 また終盤であった、爆発オチを免れて炎上しながら飛んでくる巨大バチと、主人公の乗る車とのチェイスもかなりユニーク。こちらは前述のとおり合成が粗末なところが気になるものの、火の粉を撒き散らしながら高速で迫る巨大バチを背面から追う絵は、純粋に迫力があってかっこよかったです。
 さらに人間サイドのストーリーも、空気になりすぎない程度に心に引っかかるものを残してくれます。特にハチと融合しちゃった息子は、本当の両親に愛されなかったがゆえに、異形の女王バチを自分の母親として受け入れてしまったという設定が印象的。ただの芋虫しゃぶらせ野郎では終わらない悲哀を感じさせてくれました。

 総じて良作だったと思います。……いや、「B級巨大昆虫パニックの中では」という限定付きですけども。

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

tag : モンスター 映画

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