怪物映画レビュー 『モンスターズ/地球外生命体』

原題:Monsters
2010年・イギリス

 太陽系で新たに発見された地球外生命体のサンプルを採取した探査機が、メキシコ上空で大破。中米は、巨大なタコのような異形のモンスターが徘徊する、危険区域となってしまった。
 それから六年が経ったある日、新聞社に勤めるカメラマンの主人公は、メキシコに滞在している社長令嬢をアメリカまで連れ帰るという任務で、彼女と合流する。アメリカまでの唯一安全な交通手段はフェリーだが、明日には軍が水上を封鎖するため、早朝出る最後の便のチケットは法外な値段。それでもどうにかチケットを手に入れ、メキシコでの最後の夜を楽しむ二人。だが売春婦と寝た主人公が、二人分の財布とパスポートを盗まれるという最悪の事態に陥ってしまう。
 パスポートがなければ、アメリカへ向かう最後のフェリーには乗れない。二人はやむなく、危険区域を突っ切って陸路を進むという、最も命懸けなルートを選ぶことになった。
 だが森の中でモンスターの襲撃を受け、車が大破。ガイドや護衛も全滅してしまう。
 二人は徒歩でアメリカへ向かう。道中には、破壊された家や、犠牲になった死体がいくつもある。モンスターだけでなく、軍による空爆や化学兵器の巻き添えも少なくない。
 やがてアメリカとの国境である巨大な「壁」が見えてきた。二人の旅が終わろうとしている――。


 ハリウッド版ゴジラのギャレス・エドワーズ監督が、ゴジラを任されるに至ったきっかけの作品。「超低予算ながら一級のモンスター映画」という評価で有名になりました。
 実際、俳優は主人公二人以外すべてエキストラで、スタッフもごく少数。徘徊するモンスターや、架空の標識、戦闘機など視覚効果の部分は、全部監督が一人で作ったとか何とか。CGってすげー。
 とは言え、ドラマの主軸はあくまで、主人公二人の切ないロマンス。怪物大暴れの図を期待していると、相当肩透かしを食らうことになります。本格的に出てくるのなんて最後の方だけですしね。しかも大暴れするんじゃなくて、交尾するだけだし。
 ただ、交尾と言っても下品なものではなくて、暗闇の中で光が絡み合うという幻想的な演出が為されています。それを見つめる主人公二人が、「愛」というものに向き合う気持ちを取り戻すのが、ある意味最大の見せ場。そこから繋がる最後の一瞬は、ものの数秒もないシーンながら、かなり切ない気持ちになれる名場面に仕上がっています。

 どちらかと言えば、モンスターの影響で崩壊した世界を二人の男女が行く、ロードムービー的な一作。「一級のモンスター映画」かと言われると、ちょっとジャンルが違う気もしますが、映画としては充分良品だったと思います。
 それでも、「チャチくてもいいから大暴れする怪物が見たい……」とどうしても考えてしまうのは、モンスター好きのサガかもしれません。はい。

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

tag : モンスター 映画

お知らせ
最新記事
カテゴリ
ユーザータグ

モンスター 映画 告知 妖怪 妄想少女 モンスターハンター リバース;エンド 異世界妖怪サモナー アニメ 多元宇宙 ポケットモンスター 二次元名鑑 闇堕ち騎士がダンジョン始めました!! 小説雑感 PSP マキゾエホリック ウルトラマン ボードゲーム 世紀末オカルト学院 DS 3DS 相棒 カクヨム 小説 

検索フォーム
リンク
月別アーカイブ