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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第25話『くびれ鬼の呪詛』 感想

 今回の妖怪はくびれ鬼。漢字で書くと縊鬼。原作には登場しない、妖怪図鑑から採用された妖怪です。
 アニメに登場したのは第四期が初。その後は第五期、第六期と、順調に定番化しています。もともと水木先生の妖怪画の中では初期に描かれた妖怪で、古参ファンの間でも知名度が高いキャラだと思いますので、こうしてアニメでも定着してくれるのは嬉しいですね。

 さて、過去のアニメに登場したくびれ鬼を見てみると、いずれも人間を死の世界に取り込む妖怪として描かれています。まあ、第四期については「死」という明言を避け、「黄泉の国」という形でややぼかしていましたが……。
 何にしても第四期と第五期で共通していたのは、「現世に疲れた人間がくびれ鬼のターゲットにされるも、何らかの形で強い心を取り戻して、死に抗おうとする――」という、一種の成長物語になっていたことでしょう。
 一方今回のくびれ鬼は、死の世界に取り込むというより、ずばり、死なせます。容赦ないです。ストーリーの内容も、成長物語という要素はなく、まなが死の影に追われる様をねちっこく描いた、純粋な恐怖譚となっていました。
 だいたい、冒頭から首吊り死体ですからね。マジで飛ばしてますね、今シーズンは。

 そういえば、この冒頭の首吊り死体。最初はてっきりくびれ鬼の犠牲者だろう……と思って見ていたんですが、後で考えたら、たぶん逆ですね。おそらくこの首吊りさんが、名無しの力でくびれ鬼になったと解釈する方が、正しそうです。
 だからくびれ鬼がばら撒いていた呪いのアプリには、逆五芒星が描かれていたわけで。「スマホばかり見ていると……」という言葉も、ライン(作中ではレイン)で誹謗中傷を受けて死に至った首吊りさんの呟きと受け取ると、しっくり来ます。
 目玉おやじの「自殺者が妖怪になったもの」という説明もきっちり当てはまりますから……間違いなく、冒頭の自殺者=くびれ鬼なのでしょう。
 しかし彼が妖怪の犠牲者ではなく、純粋に周囲の悪意に晒されて自殺した人だった……と分かると、それはそれで後味が悪くてステキですね。
 
 ……なお余談ですが、本来の縊鬼もまた、その名のとおり、人に首吊り自殺をさせる妖怪。名前に「鬼」とありますが、これはどちらかと言えば「死霊」の意味。したがって今期のくびれ鬼は、かなり原典に忠実な設定になっていたわけです。余談終わり。

 一方気になった点は、呪いのアプリの法則性が、少し分かりにくかったところ。思い出しながらざっくりまとめてみると……。

・アプリを開いたら三時間以内に知人の名前を入れること。
・名前を入れた場合、アプリは消滅。入れなければ死ぬ(?)。
・名前を入れられた相手のスマホには、同じアプリが自動的に現れる。

 要するに不幸の手紙方式。「知人」と限定されているため、一度送った呪いは必ず自分に返ってくる――ということになるのでしょうか。ただ、名前は一人分を入れればいいだけなので、まなちゃんのスマホにあれだけ呪いが増殖した(=大量の呪いが返ってきた)というのは、ちょっとよく分からないですね。
 まあ、もともとアプリ自体が流行していて、蒼馬くんも使っていたようなので、いろんな相手からいっせいに来てしまっただけ――とも考えられます。
 何にしてもアレですね。ギスギスしてるのって嫌よね。

 そう言えば、第六期は「人間の悪意」にフォーカスした話が多く、見ていてしんどくなることも多いのですが――。今回の感想を頭の中でまとめていて、ふと気づいたことがあります。
 今シーズンで登場する悪意は、もっぱら不特定多数の悪意だったり、ネットを介していて顔の見えない悪意だったりします。そこがリアルと言えばリアルなのですが、実はこの手の悪意は、水木漫画ではあまり描かれてこなかったものなんですね。
 もちろん水木先生の作品にも、悪人や、そこまで行かずとも嫌なやつは多数登場します。しかし彼らが見せる悪意は、非常にオープンです。
 面と向かってずけずけ、さらりと、堂々と、言葉にして相手に直接ぶつけるわけです。悪者同士が悪巧みするシーンなんかも、隠語など一切出さず、直接的に悪意のやり取りがおこなわれる――。こうした、ある種のオブラートのなさというか、良く言えば陰湿にならない、あっけらかんとした空気感が、水木漫画の持ち味と言えます。
 なので、第六期でフォーカスされている「目に見えない悪意」の描写には、従来の鬼太郎作品からは浮いた「異物感」を覚えてしまう……というのが、僕の個人的な意見です。
 もちろん原作は原作、アニメはアニメ、第六期は第六期と割り切って鑑賞しているので、「だから第六期は鬼太郎じゃない」などという短絡的なアンチ思考には至りませんし、今後もこういうものとして作品を楽しんでいくことになると思います。
 ただ、一つの評論視点として、「原作とは悪意の描き方が違うのだ」というポイントは自分で把握しておきたかったので、敢えてここに書き記した次第です。ゆめゆめ誤解のなきよう。

 さて、話を今回の感想に戻します。
 事件も大詰め。もう少しで首を括ってしまいそうになるまなちゃんですが、そこへ鬼太郎とねこ娘が駆けつけ、呪いのアプリを操っていたくびれ鬼と対決。気合いの入ったホラーからの、気合いの入ったアクションは、一種のカタルシスですね。喩えて言うなら、「ウルトラマン」で散々視聴者を怖がらせたダダを、ウルトラマンが大したピンチもなくフルボッコにしてくれた時の安堵感に似ています。←分からんわそんなの
 鬼太郎と猫娘のきれいな連携によって、くびれ鬼は消滅。しかし事件の後、まなちゃんには第二の刻印――「火」が。やはり順当に木火土金水を揃えるようです。
 五つ揃うはいつの日かって? そりゃ、あと3クールぐらい先じゃないかな、名無しのオッサン。

 というわけで、重々しいホラー回でした。
 過去二作のくびれ鬼のエピソードと比べて、「死」の恐怖が濃厚で、人がそれに打ち勝つ描写もなし……と、何とも救いようのないお話。ほんと、命は大事にしましょうね。自分の命も、他人の命も。


 さて次回は、画皮!
 ……うん、知ってたよ。某大解剖に、26話は画皮だって書いてあったから。
 過去のアニメ版では第三期と第五期で、中国妖怪軍団の一員として登場していた妖怪ですが、今回はまさかの単体になるのかな?
 まあ、厳密に言えば、原作にも登場するエピソードはあるのですが……その辺のことはまた次回にでも。
 ではまた!

テーマ : ゲゲゲの鬼太郎
ジャンル : アニメ・コミック

tag : ゲゲゲの鬼太郎 水木しげる 妖怪 アニメ

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