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ゲゲゲの鬼太郎第6期・第86話『鮮血のクリスマス』 感想

 鮮血要素どこよ。

 はい、今回の原作は「夜叉」。60年代マガジン版初期のメジャーエピソードですね。
 ギターの音色で人の心を惑わし魂を奪う夜叉。しかしその姿は仮初であり、本体は髪の毛の方だった――という展開が、原作からのお約束になっています。

 この「夜叉」のベースになっているのは、貸本版「墓場鬼太郎」の「下宿屋」というエピソード。
 ここでは夜叉は吸血鬼の一種として登場し、同じ吸血鬼である魔人ドラキュラ四代目と、獲物(人間)を巡って死闘を繰り広げました。言わば二人は宿敵同士だったわけです……が、面白いことにマガジン版では、このドラキュラが夜叉の人間態としてキャラデザを流用されていたりします。
 また貸本版の夜叉は、髪の毛状の体を人前に現せないため、鬼太郎の魂を奪って支配下に置き、傀儡として利用していました。
 夜叉に操られた鬼太郎は、バイオリンの音色で人間達を惑わし、誘い出して夜叉の餌食にしました。この辺りの要素が、「霧の中のジョニー」(「吸血鬼エリート」のベースになったエピソード)と結びついて、マガジン版ではギターに置き換わったものと思われます。
 ……とまあ、あれこれ解説してみたものの、やはりこの辺は実際に原作を読んでいただくのが一番ですね(笑)。
 もし未読のかたは、これを機にぜひ。

 で、こんな事情を踏まえての第六期バージョン。
 タイトルに「鮮血」とあることから、もしや貸本版準拠の夜叉になるのか――と内心期待していたのですが、特にそういうわけではありませんでした。
 いや、本当に鮮血要素どこにあったのよ。もしかしてアレですか。最初は吸血妖怪として登場させるつもりだったけど、放送コードとか、あるいは西洋妖怪編とのネタ被りとかの理由で、精気を吸う妖怪に急遽変更された――みたいな事情でもあったんでしょうかね。
 何にしても、今回はホラー回だったようです。公式ツイッターを見る限り。

 ……うーん、しかしホラー回だったかと聞かれると、だいぶ難しい気もします。
 過去の歴代アニメ版「夜叉」と比べても、妖しさや不気味さといった空気がほとんど感じられませんでした。
 どちらかと言えば、怪サンタに延々と追われる様を描いたサスペンスですね。いや、べつにサスペンスそのものが悪いってわけじゃなくて、サスペンスはサスペンスで見せ方さえ上手ければ充分怖くなるはずなんですが……。
 うん、残念ながらそこまでの域には達していなかったっていうか。なんか全体的に冗長だった気がします。
 何より舞台が常に真っ昼間ってのが微妙でしたね。怪サンタがうろついてても怖くない。ていうか、せっかく夜のシーンが映えるクリスマス回でホラーをやるのに、なぜ真っ昼間の話にしてしまったのか。
 あと、自販機の裏に隠れるシーン。まな達とサンタの位置関係が分かりにくかったので、緊張しようにもしきれませんでした。

 思うに、やはり演出の問題でしょうね。
 これまでのエピソードを振り返れば分かるとおり、第六期はホラー演出にかなり力が入っていて、心置きなく恐怖に没頭できるのが良かったんですが……。
 なぜか今回はだいぶレベルダウンしていたという。何でやねん。(^^;
 いや、ホラー描写だけでなく、ねこ娘が夜叉を切り刻むシーンや、事件が終わった後の鬼太郎宅でのやり取りもだいぶ冗長でしたし……。
 今回に限っては、一話分まるまるグダグダだったなぁ、という印象が強く残ってしまいました。

 ちなみに、原作にあったギター要素はありませんでしたね。
 吸血鬼エリートとのキャラ被りを避けるためでしょうか。まあ、サンタがギター持ってても変なので、これはやむ無しかもしれません。


 というわけで、だいぶしょんぼり感漂ってしまった「夜叉」でしたが、今回はここまで。
 次回は……「笠地蔵」かな? 年末年始の定番ネタなので、そうかもしれません。
 ではまた。よいお年を!

テーマ : ゲゲゲの鬼太郎
ジャンル : アニメ・コミック

tag : ゲゲゲの鬼太郎 水木しげる アニメ 妖怪

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