怪物映画レビュー 『フィアー・フロム・デプス』

原題:THE SEA BEAST
2008年・アメリカ

 嵐の夜、一人の漁船乗組員が波にさらわれた。一見ただの事故と思われたが、その時船長は、確かに目撃した。哀れな乗組員を海に引きずり込む、得体の知れない「何か」の影を……。
 さらに事件は、それだけでは終わらなかった。今度は港の桟橋で作業をしていた漁師が襲われ、貪り食われてしまう。現場に残された緑色の液体を発見した船長は、女科学者の協力を得て、それが濃度の高い生物毒であることを知る。
 どうやら海の底から、「何か」が船を追って、港へやって来たらしい。しかもそいつは水陸両用。獲物を見つけ、容赦なく八つ裂きにするという凶暴な奴だ。しかし、肝心の「姿」が一向に見えない。
 犠牲者が続出する港町。一方その頃、船長の娘は恋人と二人、内緒で小島の別荘を訪れていた。だがその島こそ、恐るべき「何か」の巣が隠された、悪夢の地だったのだ……。


 日本版のパッケージ・予告編とも、モンスターの姿をぼかしております。なので、ストーリー紹介もその方針に沿って書いてみました。ちなみに余談ですが、こういう場合、本編でモンスターの姿を見た途端、十中八九がっかりするものと相場が決まっています
 そんな教訓もあって、かな~り期待せずに鑑賞していたところ、もう桟橋の時点でモンスターが堂々と姿を見せまくり。いや、正確には、なぜか光学迷彩。「己はプレデターか!」と、思わぬ演出に度肝を抜かれていると、ようやくモンスターがその全貌を露わにしてくれました。

 は、半魚人だーっ!

 なぜだかよく分かりませんが、これだけで一気に得した気分になってしまいました。
 しかもこの半魚人、前述の光学迷彩(つーか一応「擬態」って設定)に加え、口からは猛毒の汁を噴射し、さらには長く伸びる舌で獲物を絞め殺すという、何ともナイスなハイスペック野郎。で、これが一匹だけじゃないから嬉しい限り。でっかい個体はお母さん。ちっちゃい個体は子供達。面白そうにスプラッター。←半魚人だけに、鯉のぼりに喩えてみた。
 これがまったく情け容赦なく、次々と人間を食い殺していくわけです。銃弾もろくに効かない親魚人が、武装した町民を相手に、港でパワフルに暴れ回る一方、子魚人達は数を頼りに島を制圧。別荘に立て籠もったカップルにサバイバルを強いるという、モンスターパニック的にバランスの取れた役割分担に感心。
 またこの子魚人がなかなかラブリーで、体はもちろん鳴き声まで控え目。脅かすとビックリして逃げていく辺り、意外と愛嬌があったりなかったり。
 一方、こんなステキ生物に相対する人間として、親魚人のベロに根性焼きをかます船長もなかなかのナイスガイ。古いフェリーの中に魚人の巣を見つけた後は、ピタゴラ装置ばりの回りくどい仕掛けで、それを爆破しようとしてくれます。
 逆に船長の娘とその彼氏は、一応順主役級のカップルながら、適度にヒスを起こして視聴者をいらつかせるのが何とも。むしろ途中で食われた親友二人の方が、(ルックスも含めて)いいやつだったよな……と思っていたら、終盤でついに彼氏が、中途半端に舌で巻かれて御陀仏。これでいいのか。まあ、いいのでしょう。
 鑑賞前の不安も何のその。いい意味で期待を裏切られたとは、まさにこのこと。実に楽しい作品でございました。
 

テーマ : B級映画
ジャンル : 映画

tag : 映画 モンスター

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