怪物映画レビュー 『フォーガットン』

原題:THE FORGOTTEN
2004年・アメリカ

 幼い息子の乗った飛行機が行方不明になってからというもの、主人公の女性は毎日のように、悲しみに明け暮れていた。彼女が日々眺めるのは、息子のアルバムに、息子の成長を記録したビデオ。息子が使っていたグローブに野球帽。息子と夫と三人で撮った家族写真――。それらはどれも、消えた息子の記憶を留めておくには充分で、そこから抜け出せない彼女は、すでに精神科医の世話になるほど重症になっていった。
 だが、ある日を境に状況は一変する。部屋に飾ってあった家族写真から、息子の姿のみが忽然と消え失せた。そしてアルバムはまっさらに。ビデオは真っ黒に。さらに夫からは、「うちに子供はいない」とまで言われてしまう。
 それは妻の心労を想っての、夫の嘘なのか。それとも本当に、息子など始めから存在していなかったのか……。
 そんな時彼女は公園で、自分と同じ境遇の男と出会う。彼もまた一人娘を、同じ飛行機の事件で失っていた。もっとも彼の場合は、夫と同じように、娘の記憶までも失っていたけれど。
 やがて女の訴えにより記憶を取り戻した男は、彼女と協力して、子供達が消えた謎を追い始める。しかしそれを阻止するかのように、国家安全保障局の人間が二人に迫る。果たしてこの事件の背後には、いかなる真相が隠されているのか。そして、常に二人の周囲で暗躍する、怪しげな人物の正体とは……。

※続きでネタバレします。ご注意ください。


 さてこの作品、実は少々困った売り出し方をされた一本です。配給会社が付けたキャッチコピーは、「『シックス・センス』以来、最も衝撃的なスリラー」というもの。しかしそのおかげで、観客からはかなり叩かれることになりました。
 映画「シックス・センス」の最大の魅力と言えば、やはりラストで明かされる、ある衝撃の事実。故にこの『フォーガットン』も、「きっと最後に、この消失事件の謎を明らかにするような、ものすごい真相が待っているに違いない」という観点で鑑賞されてしまったと思うのです。
 ただ、この作品。事件の正体は、かなり早いうちから分かるようになっています。具体的には、雲が異様な動きを見せるシーン。ここに安全保障局が絡んで、変な陰謀が見え隠れして……と来れば、もう「俺は謎解き映画を鑑賞してるんだ!」という思いに固執すること自体が無駄な足掻き。

 ええ、こんなもん、宇宙人の仕業に決まってます。

 要するに、宇宙人による誘拐。アブダクションです。この『フォーガットン』という映画は、子供を宇宙人にさらわれた母親が、それを追い求める過程を描いた、紛れもない「スリラー」なんです。べつに「これは宇宙人の仕業だったんだ! → な、なんだってー!」という展開で売り出そうという考えは、配給会社はともかく、少なくとも制作サイドにはなかったような気がしてならないのです。
 そう思って改めて見てみると、なるほど、手堅く出来た宇宙人映画です。同じネタを扱ったスリラーと言えば、『アライバル』や『ノイズ』なんてのがありましたが、『フォーガットン』もその仲間。人間が空にズビューンと吸い込まれていく誘拐シーンなんて、ビジュアル的に結構斬新で楽しい見所になってますよ。

 ……なんて言いつつ、私もミステリーだと思ってレンタルしたらコレだったので、呆気に取られてしまった口なのですがね。
 だって「ミステリー・サスペンス」のコーナーに置いてあるんだもん。まあ、確かに広義のミステリーだけどさ。

テーマ : B級映画
ジャンル : 映画

tag : 映画 モンスター

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